見出し画像

「社内お見合い」 - ありがとうと言いたいトキメキ満載の絶対ハッピーラブコメ

★★★★★

なんとなく「まだ観ない!」と思っていたのに、「気象庁の人々」がもどかしい展開で1週間待ちになったタイミングで気分を持ち直そうと観始めたら一気にリアタイまで追いついてしまいました。アン・ヒョソプの漫画っぽさを意識したデフォルメ強めの演技が最初ちょっと苦手だったのですが(同系統でも「キム秘書はいったい、なぜ?」のパク・ソジュンのほうがキャラクターみを自然に受け入れられるというか)、話が進んでいけばいくほどいかんせんカッコいい。一方でかわいらしさもあり、おじいちゃんとの掛け合いがなごむことなごむこと。キム・セジョンの愛嬌のある美人っぷりはもともと好きなので、とてもいいカップルだなと思うようになりました。王道ラブコメの鉄板を全部詰め込んで余計な工夫は一切せずベタベタに突き進む作品てやっぱり必要だとも実感します。

親友のチン・ヨンソ(ソル・イナ)に頼まれ、縁談を壊す目的で彼女の代わりにお見合いに臨んだシン・ハリ(キム・セジョン)。しかし相手はハリが勤める会社ジーオーフードの社長カン・テム(アン・ヒョソプ)で、しかも祖父からの結婚プレッシャーが面倒なテムにいきなりプロポーズされてしまい窮地に陥ります。

身代わりであることが分かると今度はハリに復讐すると言い出すテム。間違ってもテムの会社の社員だとバレるわけにいかないハリは必死で嘘を貫きますが、弱味を握られてちるだけになんやかんやとテムに逆らえず、流れでテムの偽の恋人まで演じることになってしまいます。

けれど本来は賢くて情が深くかわいらしさもあるハリに、テムは次第に惹かれていくのです。ハリもまた、スペックの高さだけではない人間的な魅力のあるテムに惹かれていき…。

何はなくともアン・ヒョソプ。カナダ生まれでピアノやヴァイオリンも弾ける元JYP練習生という、そもそもが漫画みたいな本人のバックボーンもあってか育ちのいい雰囲気はほっといても醸されるのかもしれません。柔らかい雰囲気とどことなく天然な風味があるからか、根は優しくて温かい感じがして、テムのキャラクターを愛されるものにしている気がします(「浪漫ドクター キム・サブ2」では借金に追われる若い医師をリアルに演じているので作品によってガラッと顔が変わる印象を受けました)。

また、序盤でテムを「始祖鳥に似ている」と言い放つハリとそれに衝撃を受けるテムがあまりにツボってしまい、もうその掛け合いだけでこれは最後まで観ようと思いました。テムから電話がかかってくるたびスマホのところに表示される始祖鳥のCGがめちゃめちゃかわいい。付き合い始めたら始祖鳥がハート飛ばしてくるのも死ぬほどかわいい。とにかく「始祖鳥」を出してくるセンスが最高すぎて。

キム・セジョンはもうほんと嫌味がないのです。ラブコメがとにかく似合う。かわいくて、ほっとする普通らしさもあり、ふとしたときにハリが見せる思慮深さや愛情をごくごくナチュラルに表現しています。そんなハリに惚れるテムも最高!となるわけです。

テムの祖父でありジーオーフード会長を演じるイ・ドックァは言わずもがなの大御所俳優ですが、他でもない「赤い袖先」の英祖を引きずりまくっている私は、あの怒るとめちゃめちゃ怖い(息子でも殺してしまう)王様からの孫の結婚が楽しみすぎるおじいちゃんという落差にすっかりメロメロでした。でもバラエティとかで見たときはむしろファンキー寄りの印象だったかと納得。なんというか、このドラマをラブコメとして確かなものにしてるのは意外とこのおじいちゃんの言動のかわいらしさ(とコミカルさ)ゆえな気がしました。やはり名優です。

この会長がいちおう主役ふたりの恋路的には壁になるのですが、このドラマの最強なところは悪役はいない!ということ(しいて言えばヨンソ父くらい)。会長ブロックはロマンスの甘さを引き立てるスパイスくらいなもので、みんな家族を愛していますし、恋愛には素直で一直線。ハッピーを思う存分満喫できる作品でした。なんというか、視聴者の望むものは全部盛り込みます!くらいの意気込みが伝わってくる気前良さ。

最終回はもうスキップしてるくらいの軽やかさでしたが、その軽さが好きでした。ストレスなく好きなお菓子をお腹いっぱい食べるような気分です。キャストの魅力も存分に発揮され、言うことなし。ラストシーンは距離がとても近いというか、なんだかふたりの素の感じもあってお気に入りになりました。欲を言えば番外編などで後日談が観れたらなおよしですが。



▼その他、ドラマの観賞録まとめはこちら。

喜怒哀楽ドラマ沼暮らし

この記事が参加している募集

#コンテンツ会議

30,821件

#テレビドラマ感想文

22,125件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?