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マンガを禁止されていた#私を構成する5つのマンガ

我が家は、マンガ禁止だった。なぜなら、恋愛や性的表現が載っている可能性があるから。

「そんなん言うたらテレビにも映画にもぎょうさんあるやんけオカン!!!」とコテコテ関西弁でツッコめばマンガを読む許可を取れたのかもしれないが、当時はそこまで深く考えておらず、本ばかり読んでいた。そもそも本が大好きだったから、アタイはマンガを読みたいんや!という情熱も無かった。あたしんちの1巻だけはなぜか家にあって、それは3回くらい読んだけど。

高校生になると、ネットカフェが大好きになった。なぜなら、家に帰らないで済むから。1人の空間が得られるから。ま、未成年だからそう長くはいられないのだが。私はそこでマンガにハマ…ると思いきや、「マンガは良くないもの」という先入観があったので、ひたすらYouTubeを見たりTwitterをしたりしていた。

そんな調子でなかなかマンガにハマらなかったこの私が、最初にハマったマンガ。それがこれ。


①『探偵学園Q』(原作:天樹征丸、作画:さとうふみや)

入り口としてはスタンダードなのかどうかわからないが、これこそ私のマンガ・ファースト。山田涼介主演のドラマが大好きだった私は、その勢いで漫画も読んでみた。

結果…「マンガってめちゃめちゃ面白い」。そもそもこの作品はキャラ設定が最高なのだ。鋭い観察眼を持つ主人公キュウ・瞬間記憶能力のメグ・文武両道のリュウ・天才気質の数馬・頼れるお兄さん金太郎…こういうスーパー軍団って、最高でしかないですよね。設定でご飯イケますよね。

小学生の時も、松原秀行のパスワードシリーズとか、はやみねかおるの都会のトム&ソーヤとか、超大好きだった。キャラがいい&内容もいいのダブルパンチで、私はひとまず「マンガは普通に面白いもん媒体らしい」と学習したのである。


②『べしゃり暮らし』(森田まさのり)

探偵学園Q以来、なかなかネットカフェに行っていなかったのだが、たまたま友人とマンガ三昧をしようぜという流れになった。特に読みたいマンガも無く、友人がマンガを読む→私に渡す→私がマンガを読むというハイパー娯楽的流れ作業をしていた。流れてくるマンガをパラパラーっと流していた私がハマったのが、べしゃり暮らし。

まず、元々お笑いが好きだったので、ストーリーが面白かった。アツい。アツくて燃えるわー。そして何より、あの少年漫画というより漢漫画!という感じの生々しく太いタッチ。それに惹かれた。

絵なんてわからないと思っていたけど、良いもんは良い。なんだか「男の世界」を覗いているようでゾクゾクした。クリスマスにデジタルきんぎょの藤川が◯◯シーンとか、すごく感情を揺さぶられたよ!新宿のカスタマカフェで「エッ!!!マジかよ!!!」と叫びました。ともかく、私はこれで、「マンガは超エモい情景描写が出来る」ということを学習した。

ちなみにドラマ版では子安の役者さんが子安すぎて、大興奮したのですが、放出先がなく自宅で3回くらいジャンプしちゃいました。


③『ダメな私に恋してください』(中原アヤ)

べしゃり暮らし以来、だいぶマンガが好きになってきた私が次にハマったのは、コレ。ようやく来た、恋愛・少女マンガである。

恋愛モノは苦手だ。男と女がくっついたり離れたりする作品を楽しめない。「おうおう、やっとんのう」と冷めた目で見てしまうのだ(本当にクソ女だと思う)。でも、これは違った。

(1)絵のタッチが可愛い。

(2)そこそこ挟まれてるギャグが丁度いい。

(3)とにかく主任がイケめてらっしゃる〜っ…!

そんな訳で、私は大学生にしてようやく、少女マンガのヒーローにときめくというスタンダード青春タイムを満喫することになる。その1ヶ月後にはドラマ版のディーン・フジオカにのたうち回ることになるのだが、それはあまり書きたくない。もう書いてるか。けっ。


④『窮鼠はチーズの夢を見る』&『俎上の鯉は二度跳ねる』(水城せとな)

長くなってきたから次に行こう。これはいわゆる女性向け作品で、近々映画化するやつ。私は関ジャニ∞が好きだ。その大倉くんが主演だと言うので、kindleで読んだのだが、これは衝撃的だった。

そもそも男×男に耐性が無かったので、そこの衝撃もあった。でも一番大きかったのは、「うわ、この恋愛、強ッ!!!」ということ。

中学生はなんとなく付き合う。大人は流れで付き合う。ならばわ人はいつ、本気の恋愛をするのだろう。この作品の、2人は、とにかく、強い。

ドキドキ…トキメキ…なんて生易しい恋愛じゃないのだ。今ヶ瀬が大伴に「あんたなんかに愛想尽かして帰るって言ってる俺を、力尽くで朝まで抱いて引き止めてくださいよ!!!」と激昂するシーン、私は、あまりの衝撃に、一瞬iPhoneを落としそうになった。

いやー…なんと強いセリフ。なんて激しいメッセージ。こんな言葉、私は誰かに言えるだろうか。声の限りそう叫べるほど、誰かを求められるだろうか…なんてことを考えてしまい、無駄にしみじみとしてしまいました。間違った楽しみ方だったらごめんなさい。

でも、本当に本気の熱烈な恋愛って、こういうセリフが自然に口からついて出るのかな…なんて思ったり。


⑤『来世ではちゃんとします』(いつまちゃん)

ラスト。これはドラマから。だーりおが好きで見てみたところ、作品自体にもハマり、マンガへと辿り着いた。これはある意味、④の窮鼠シリーズと真逆かもしれない。

・全てを捧げるような、情熱的な恋愛じゃない。他の人に抱かれたりもする。でも好き…とか。

・お店でだけの関係。お金ありきの関係。でも好き…とか。

・性別が想像と違った。どうしていいかわからない。でもつい惹かれちゃう…とか。

「好きです」は言えない。好きな人はいない。そんなリアルな大人たちが、ちょっと勇気を出してみたり、侘しくなったり、楽しく飲んだりする日常が、すごく良かったです。4コマだからサッと読めるし、だから重くなりすぎないのかも。


そんな訳で、#私を構成する5つのマンガ でした。

書き終えて気付いたんですが、少年だったり恋愛だったり…私を構成するっていうより、私が無節操に読みまくったマンガですね。

でもまあそんなもんじゃないかな。「私の信念はこれで、どのマンガもそれが…」とか、「◯◯を基準にマンガを選んでて…」とか、語れるような崇高な人間じゃない。系統あるのかないのかわかんない、微妙に掴みづらいくらいのもので、私は構成されているということなのですよ…とそれらしいことを言って誤魔化しました。本当はマジで無節操なだけです。

えー、最後にワタクシ、マンガを禁止されていた身であり自身もその論法に賛同しておりましたが、マンガはめちゃめちゃ良いし、人はいずれマンガにハマります。少女漫画のトキメキや少年漫画のゾクゾク、人生で一度は誰しも味わえたらいいなと思う。

今は禁止されている子もいるかもしれないが、みんな、全力でトキメキ・ゾクゾクしていこうな。大人になっても、余裕で間に合うから。

※最近読もうと思っているのは、極道めしです。泣きながらご飯を食べる作品みんな大好きです。

自分の文章にお金を出してもらうなんて夢のよう!死ぬまでに1回来たらミラクルだね!頂いたら文章読本を買って読んでもっと良い文章を書きます、そして何か可愛いものを食べます