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【備忘録】読んだ本①『脳内麻薬』

本を読んでも内容が忘却の彼方へ消えてしまうので、備忘的に残してみます。せっかくなので共有させていただきます。


『脳内麻薬』
人間を支配する快感物質ドーパミンの正体
著者:中野信子 氏


本書は快楽物質と呼ばれるドーパミンによる脳内の作用と、それが人間の行動にどう影響しているか科学的に解き明かそうというものになっています。


具体的には、ドーパミンの作用の他に、様々な依存症についてとりあげられ、依存症については約170ページ中、半分近く実に約80ページ割かれています。


本書よりドーパミンと依存性について書いてみたいと思います。

◾️内容①ドーパミン


脳内には報酬系と言われる非常に強い快感を呼び起こすしくみがあり、そのしくみを作動させる興奮性の神経伝達物質がドーパミンです。

【ドーパミンが分泌されているのはこんな時】

✳︎楽しいことをしているとき
✳︎目的を達成したとき
✳︎他人に褒められたとき
✳︎新しい行動を始めようとするとき
✳︎意欲的な、やる気が出た状態になっているとき
✳︎好奇心が働いているとき
✳︎恋愛感情やときめきを感じているとき
✳︎セックスで興奮しているとき
✳︎美味しいものを食べているとき

それを踏まえた上で、喜ばしい体験・経験があった時、まず前頭前野で受け取られ(認知)、VTA(腹側被蓋野)を刺激、VTAはA10神経を使って脳の各部位にドーパミンを送ります。そのとき快感を感じます。


そして、この好ましい経験はドーパミンを受け取って活性化された海馬(脳のメモリー)に蓄えられ、次に同じような状況が来たときにより速いドーパミン放出が起こるようになります。


(文章だけだとよくわからなかったので、視覚化で整理してみました。粗末ですみません…)

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【放出の流れ】
①前頭前野→②VTA→③各部位・海馬

図の解説
◯前:前頭前野(知的活動の中枢)
◯側:側坐核(ドーパミンを最も受け取る所)
◯海:海馬(脳のメモリー)
VTA:ドーパミン放出する所
◯ド:ドーパミン
数字:流れ
A10:ドーパミンが流れる神経(赤線)

◾️内容②依存症


【依存性のしくみ】

依存対象に接しているとき、ドーパミンが分泌されており、その働きは先ほどと同じです。


本来、ドーパミンとは逆に作用をする抑制性の神経伝達物質のセロトニンなどが過度な興奮を抑えてくれますが、依存性の人の脳ではこのバランスが崩れていると考えられています。よって、依存性は脳の病気と言えます。


また、依存対象になっている刺激を何度も繰り返していると、すぐ得られた快感が感じられなくなってきます。これはドーパミンの受容体が減少することで起こると考えられており、その結果、快感を得ようとして、頻度が増えていきます。


それが続くと、ドーパミンの放出側や受け取る側の神経細胞自体が変化し、対象への依存は脳の中に永久に記録されます。


【3種類の依存性】

①物質への依存
(ニコチン、アルコール、薬物、食べ物など)
②プロセスへの依存
(ギャンブル、インターネット、セックス、買い物、仕事など)
③人間関係への依存
(恋愛、カルト宗教、DV、虐待など)


◾️読了後の感想


依存性や、承認欲求、継続する意欲などに興味があり、本書をパラパラ開いたらヒントが見つかりそうと思い、読んでみました。

代表的な依存性については、詳しく書かれており「なるほど〜」という感じです。序盤に脳内のしくみについて書かれていますが、いちいち単語の意味がわからないので手こずりました(汗)


昨年WHOが新たな依存性として「ゲーム障害」を認定し、最近では芸能人の方の薬物使用事件など、依存性というワードは何かと世間を賑わせます。


依存性というと、どうしてもマイナスなイメージが先行してしまいますが、ドーパミンの作用を理解して、上手く行動に反映させればプラスになることもたくさんあるんじゃないかと思いました。

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