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気づけば1年すぎていた

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「クリスマスに食べるね!」

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そう言って、あの人がお菓子を受け取ってくれたのは、

もう一年も前のことでした。


遠い距離、個人的な連絡先も知らず、

もうながいことお会いする事もなかった、

憧れのあの人。

思い切って、去年の夏、10年ぶりにお会いする事ができ、

冬には2回目の再会に漕ぎつけました。


季節はちょうどクリスマス前。

お食事などもお誘いしてみたいけど、

玉砕するのが目に見えていたから、

気持ちを抑え

せめてもの、お差し入れ。

選んだのは、クリスマス限定パッケージの、

小さなチョコレート。


クリスマスなんて、嫌いそう。


そんな考えが頭をよぎりもしましたが、

「チョコレートは多分好きだった筈…パッケージに罪はない!」

そう思いなおし、渡す事に決めました。


「お〜!可愛い!こういうの、可愛いと思ったりしますよ〜!」


予想以上にきらきらした反応で、びっくり。

あんなに大人で、いつも冷静に見える人でも

こういう反応するんだなぁ、と私の胸も高鳴る。

私も月並みな言葉しか浮かばなくて、

一生懸命に絞り出した

「糖分足りなくなったら食べてください」

の言葉。


喜んで貰えたのは嬉しいけれど、

どうせこの時は一瞬に過ぎないから、と。

まあ、

中身は気軽に口に入れて貰って、

可愛い箱もポイと捨ててくれたらいいや、

私が今日あなたを訪ねて、渡した事も、

全てあっという間に忘れてくれたら、

そっちの方がいい…。

そんな気持ちでした。


「もったいないなぁ〜。

 …クリスマスに食べるね!」


(えっ…)


予想もできなかった言葉に、

ただただ動揺する私の心。

そのあと、あの人は何かを言ってくれていたけど

動揺しすぎて、あまり覚えていません。

けれど、

「クリスマスに食べるね」と、

もう一度言ってくれたのは、しっかり記憶しています。


そして嬉しいことに、

この日初めて、私もあの人から

紙類とお菓子以外のプレゼントをいただきました。

(ご本人は、お土産物だか家での不用品と話していた)

家の不用品であっても、私のために包み、用意して下さったなんて

…信じられない程嬉しかったです。



今でも、あのやりとりを思い出すと、

カッと頬が熱くなります。

全てのやりとりは、所詮ただの、女子の戯れであろうけれど。

でも、あの人は本当に

クリスマスに食べてくれたのだろうか?

なんて、想像すると、少し胸がときめくのです。


あれから、もう一年経ちました。

去年の、今日、でした。


今年は、予定していた訪問も、日程が合わず

そうこうしているうちに、

疫病のせいで都会への旅行は出来ないようになってしまいました。

一度もお会いできないまま、一年が過ぎました。


来年こそは、お会いできる機会が巡ってくると信じています。

だからその時まで、

私ももっと成長できるよう、

日々精進。

目指すは、

憧れの人。



というわけで、今日は

プチ小説風でした。

私のnoteでは初の試みでしたね。


今回も最後までお読みいただき、

ありがとうございました!












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