企画者は、どんなときも主語を「私」にする 〈言葉の企画2020 第四回〉
なぜ、”みんな”でなら”遠く”へ行けるのだろう。
この数週間、ずっと考えていたことだ。
If you want to go fast, go alone. If you want to go far, go together.
早く行くなら、ひとりで行け。
遠くへ行くなら、みんなで行け。
チームというキーワードで、思いだした人も多いだろうアフリカのことわざ。
私たちは、いや、「私」は、”みんな”になれたけれど、”遠く”ほどは行けなかった。
「これ、めっちゃいいねん!こんなところが、こうでああで〜」
と、無限に喋れる状態になっていない。
時間切れだった、と言ってしまえばそれまでなのだけれど、ざらりとした気持ちが残っていて。
手放しには納得できない何か。
企画書を無事に提出できた安堵と興奮が醒めてきたころから、じわじわと心に広がっていった。
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言葉の企画第4回。
『劇団ノーミーツ』や『ラジオ夜道 -140秒の物語-』の企画者である林健太郎さんのお話を聴きながら、私は共感の歓びと同時に、悔しくてたまらなかった。
あの感覚を、私は知っている。
やってきたことの規模や知名度は違えど、企画たちへの想いと地道にやり続ける熱量、そして機会や関わってくださった方への感謝の表れ方。
いろんな人たちの顔が浮かんできた。
いろんな企画を思いだした。
だからこそ。
時間が足りなかったというのは自分を納得させるための言い訳で、どこかでゴール設定を「ここまで」にしていた甘えを突きつけられた気がした。
「私」自身は、どこを目指して企画をしてきただろうか。
本当に”遠く”へ行く意志と覚悟があったか。
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成し遂げるために、チームを組むこと。
チームになることで、成し遂げること。
一見、別物のように感じる。
チームの企画が発表されたとき、私はこれらを別物だと捉えて、今回は後者だとおもっていた。
だから、"チームになる"ことを優先し、その後に企画を作っていくんだと思い込んでいた。
林さんの講義を聴いてから、そこに違和感が残った。
「何かを成し遂げたいときに、順番なんて関係あるかな?」
今でも色褪せず、いくらでも話せる企画たちには、意地とも呼べる想いがあった。
葛藤の先に、その”意地”を伝えることが、相手と信頼関係が築かれていく最初の扉だったようにおもう。
時にぶつかることはあっても、その先に必ずジャンプできた。
今までにないものを。
誰かを幸せにするものを。
一人のこだわりから、企画は始まる。
課題が終わってから他のチームの軌跡を見せてもらって、流れを質問させてもらって、やっと分かった。
私に足りなかったのは、こだわりだ。
アイデアは出したものの、私なりのベストを描ききって提案しなかった。
はじまりは、一人から。
それを、同じ熱量の一人ひとりとぶつけ合うところから、物ごとは生まれていく。
それが「自由」。自分のベストを尽くしている状態。
「自由」とは、学び続けることだとおもっている。
「自由」な人たちが集まってこそ、”遠く”へ行けるんだ。
私は私に、もっと負荷をかけられた。
それが、ずっと心に残っていた、ざらりとした気持ちの正体だった。
今まで学んできたチームビルディングに「1.1力」という考え方がある。
今回のように5人1チームだとしたら、1.1の5乗「1.77」のパワーになるというもの。
さらに、それぞれが、昨日より「1.1」の成長をしたら、1ヶ月でものすごい数字になる。
チームが「1.1」になるよう働きかけると同時に、自分自身も「1.1」であること。
自分自身の成長に、まずは全力を注ぐことが、結果としてチームのためになる。
林さんの物語を聴いて、阿部さんの言葉を受けとって、企画生と話す中で、やっとすっきり腹落ちした。
心から「この機会を、ありがとうございます」と伝えたい。
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会ったことのない人たちと、チームになること。
メンバーは誰もやったことがない。もしかしたら、事例もないかもしれない。
でも、林さんはヒントをくれていて。
何より、本当にやりたいことなら、そんなの上等だ。
むずかしいくらいの方が、初めてやることの方が、燃える。
だから、やっぱり悔しい。
みんなの個性の輝きを原動力に、遠くに光る星を掴みたかった。それを、表現しきりたかった。
フツフツしながら、さあここから。
この悔しさを、「しあわ生」と名付けたチームの仲間たちと分かち合える確信があるから、やっぱりこの1ヶ月"チームになる"を頑張って、よかったなあとおもう。
オンラインでも、チームになれる。
かけがえない仲間と、やりきった実感にもとづく自信は、この夏のたからものです。
photo by 写ルンです│
京丹後の海。海に飛び込むのは勇気がいるけれど、入ってしまえばとても気持ちいい。チームも、きっとそういうところな気がしている。
サポートいただき、ありがとうございます! 有料noteを読んで、学びにして、また書きたいと思っています。