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企画者は、どんなときも主語を「私」にする 〈言葉の企画2020 第四回〉

なぜ、”みんな”でなら”遠く”へ行けるのだろう。

この数週間、ずっと考えていたことだ。

If you want to go fast, go alone. If you want to go far, go together.

早く行くなら、ひとりで行け。
遠くへ行くなら、みんなで行け。


チームというキーワードで、思いだした人も多いだろうアフリカのことわざ。

私たちは、いや、「私」は、”みんな”になれたけれど、”遠く”ほどは行けなかった。

「これ、めっちゃいいねん!こんなところが、こうでああで〜」
と、無限に喋れる状態になっていない。

時間切れだった、と言ってしまえばそれまでなのだけれど、ざらりとした気持ちが残っていて。

手放しには納得できない何か。

企画書を無事に提出できた安堵と興奮が醒めてきたころから、じわじわと心に広がっていった。


***


言葉の企画第4回。
劇団ノーミーツ』や『ラジオ夜道 -140秒の物語-』の企画者である林健太郎さんのお話を聴きながら、私は共感の歓びと同時に、悔しくてたまらなかった。


あの感覚を、私は知っている。

やってきたことの規模や知名度は違えど、企画たちへの想いと地道にやり続ける熱量、そして機会や関わってくださった方への感謝の表れ方。

いろんな人たちの顔が浮かんできた。

いろんな企画を思いだした。


だからこそ。

時間が足りなかったというのは自分を納得させるための言い訳で、どこかでゴール設定を「ここまで」にしていた甘えを突きつけられた気がした。


「私」自身は、どこを目指して企画をしてきただろうか。

本当に”遠く”へ行く意志と覚悟があったか。


***


成し遂げるために、チームを組むこと。

チームになることで、成し遂げること。

一見、別物のように感じる。


チームの企画が発表されたとき、私はこれらを別物だと捉えて、今回は後者だとおもっていた。

だから、"チームになる"ことを優先し、その後に企画を作っていくんだと思い込んでいた。


林さんの講義を聴いてから、そこに違和感が残った。

「何かを成し遂げたいときに、順番なんて関係あるかな?」


今でも色褪せず、いくらでも話せる企画たちには、意地とも呼べる想いがあった。

葛藤の先に、その”意地”を伝えることが、相手と信頼関係が築かれていく最初の扉だったようにおもう。

時にぶつかることはあっても、その先に必ずジャンプできた。


今までにないものを。

誰かを幸せにするものを。

一人のこだわりから、企画は始まる。


課題が終わってから他のチームの軌跡を見せてもらって、流れを質問させてもらって、やっと分かった。

私に足りなかったのは、こだわりだ。

アイデアは出したものの、私なりのベストを描ききって提案しなかった。


はじまりは、一人から。

それを、同じ熱量の一人ひとりとぶつけ合うところから、物ごとは生まれていく。


それが「自由」。自分のベストを尽くしている状態。

「自由」とは、学び続けることだとおもっている。

「自由」な人たちが集まってこそ、”遠く”へ行けるんだ。


私は私に、もっと負荷をかけられた。

それが、ずっと心に残っていた、ざらりとした気持ちの正体だった。


今まで学んできたチームビルディングに「1.1力」という考え方がある。

今回のように5人1チームだとしたら、1.1の5乗「1.77」のパワーになるというもの。
さらに、それぞれが、昨日より「1.1」の成長をしたら、1ヶ月でものすごい数字になる。


チームが「1.1」になるよう働きかけると同時に、自分自身も「1.1」であること。

自分自身の成長に、まずは全力を注ぐことが、結果としてチームのためになる。


林さんの物語を聴いて、阿部さんの言葉を受けとって、企画生と話す中で、やっとすっきり腹落ちした。

心から「この機会を、ありがとうございます」と伝えたい。


***


会ったことのない人たちと、チームになること。

メンバーは誰もやったことがない。もしかしたら、事例もないかもしれない。

でも、林さんはヒントをくれていて。


何より、本当にやりたいことなら、そんなの上等だ。

むずかしいくらいの方が、初めてやることの方が、燃える。


だから、やっぱり悔しい。

みんなの個性の輝きを原動力に、遠くに光る星を掴みたかった。それを、表現しきりたかった。

フツフツしながら、さあここから。


この悔しさを、「しあわ生」と名付けたチームの仲間たちと分かち合える確信があるから、やっぱりこの1ヶ月"チームになる"を頑張って、よかったなあとおもう。


オンラインでも、チームになれる。

かけがえない仲間と、やりきった実感にもとづく自信は、この夏のたからものです。

photo by 写ルンです│
京丹後の海。海に飛び込むのは勇気がいるけれど、入ってしまえばとても気持ちいい。チームも、きっとそういうところな気がしている。


サポートいただき、ありがとうございます! 有料noteを読んで、学びにして、また書きたいと思っています。