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カオスを手放し、秩序が台頭しつつある中国

松井博さんのマガジンが面白かったです。

シリコンバレー、あるいはそれに代表されるアメリカという国がいかにハチャメチャで、カオスと秩序が混在する不思議な場所なのかをさまざまな例から論じています。そこには世界有数の切れ者と、本当にどうしようもない人が同時に集まってきます。

そして、おそらくはそういう場所であるからこそ、アメリカでは世界の先端をゆくようなイノベーションが生み出されているのだろう、というお話です。カオスを排除するのではなく、むしろ内包してしまうような場所でしか、尖ったものや面白いものは生まれないのだということなのでしょう。

その点で言うと、日本にはあまり見込みはなさそうです。松井さんは電動キックボードの例を挙げていますが、日本はこういう「新しくて便利かもしれないけど、リスクももたらすもの」をことさらに叩き、排除するようになってしまいました。

そこは安全で秩序が整っているものの、一切のカオスは含まれません。つまり、安心で快適に暮らせる代わりに、世界を驚かせるようなイノベーションも起きにくい社会になってしまったということになります。

どちらがいいのかという話ですが、日本はそうしたゼロリスク志向を続けすぎた結果、ゆるゆると持続可能性を失っているような気がするので、やっぱり適度にカオスを内包するぐらいがちょうどいいのでしょうね。

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さて、僕の住む中国はどうなんだという話です。

中国はちょうど、カオスを失いつつある時期に来ているんじゃないか、というのが個人的な所感です。

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