もし日本が中国の自治区になったら

野本響子さんがこんなnoteを書いていました。

日本の人口減が進み、いよいよ消滅の危機に瀕した時、何が起こるのかということをいくつかのシナリオとして考察するものです。どれも面白かった(面白がっている場合ではないのですが)です。

その中で、一つのシナリオとして野本さんは「日本が大国の自治区になる」ということを挙げています。

中国か米国かロシアあたりに吸収合併され、1つの自治区みたいになる道です。

上掲記事より

これを見てしまってから、僕は日本が中国に吸収されたらどうなるのか? という、さらなる妄想を書かずにいられなくなってしまいました。

ということで、「20XX年。人口減少が進み、インフラ等が維持できなくなった日本。進退極まった日本は、隣国である中国の傘下に入り、中国の民族自治区(日本大和族自治区riben dahezu zhijiqu)となることを決意した」という架空のシナリオについて、果たしてどんなことが起こるのか、予想して書いてみたいと思います。

あくまで地政学や歴史、その他諸々について何の見識も持たない、無学な人間の妄想とご理解いただいた上でお読みいただければと思います。もちろん野本さんのnoteと同じくツッコミ歓迎ですが、あんまり強い言葉で罵ったり、どっかに通報するのはやめてね! 愛国日本人も、愛国中国人もどっちもだぞ! マジで!

では、始めていきます。

一変する町の風景

日本が中国の自治区になると、まず町並みが大きく変わることが予想されます。これは民族自治区に限らず、中国においてはいつでもどこでも党のプロパガンダを見かけることになります。

街には塔を讃えるオブジェが置かれ、そこにちょっと怪しめの日本語訳がつけられます。「不忘初心 牢記使命」というデカデカとした文字の下に、「初心を忘れないようにする 使命を心に刻み込もう」という、微妙に語呂の悪い日本語訳が配置されるでしょう。いたるところの電光掲示板には、24文字の「社会主義核心価値観」が定期的に流れるようになります。

そして街中にはヤケクソ気味に中国の国旗が飾られ、これまたヤケクソ気味に「社会主義核心価値観」のポスターなどが貼られます。清水寺や明治神宮など日本の伝統建築の周辺にも中国の国旗がブッ刺さっているという、異様な光景になるかもしれません。

これに関しては、新疆ウイグル自治区の光景が参考になります。ぜひ砂漠さんの名作noteでその一端を垣間見てください。

そのほか、東京スカイツリーのライトアップは基本的に真っ赤、たまに違う色になったかと思えば真っ青とか真っ黄色みたいなド派手な原色です。大阪通天閣のネオンサインにも「社会主義核心価値観」のほか、「私は祖国を愛する」(我愛祖国)とか「永遠に党とともに歩く」(永遠跟党走)みたいな、若干怪しめのメッセージが流され続けます。

……なんだか、それはそれで面白そうだと思ってしまった。

あらゆるところに党の影響力が見られるようになる

プロパガンダだらけで楽しそうな街並みは置いておいて、ここからは具体的に制度的なことの変化や、そこから庶民の生活がどう影響を受けるのかについて予想してみたいと思います。

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