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アンチエイジングをするにはまずは活性酸素を理解しよう


アンチエイジングという言葉がメジャーになり、若々しさを保つポイントとして「酸化」「抗酸化」というキーワードをよく耳にするようになりました。

このことに大きく関係する物資が“活性酸素”です。




【活性酸素って何?】

活性酸素(Reactive Oxygen Species : ROS)は、原子状態の酸素や電子状態が不安定な酸素分子のことで、酸素よりも化学反応をしやすく、とても反応性が高い特徴があります。

呼吸で取り入れた酸素の一部は体内で食物を代謝してエネルギーを産生する際に約96~98%が水になりますが、残りの数%は処理されずに活性酸素として残ります。

酸素が生命活動に必要不可欠であるのと同様に、活性酸素もまたその酸化力による殺菌作用で身体を守るために必要です。

しかし、過剰な活性酸素はその殺菌力の強さ故に、正常な細胞にも誤って攻撃してしまい、このことが問題になります。




【酸化が身体にもたらす影響】

活性酸素は、身体の中に存在するタンパク質、炭水化物、脂質とほぼすべての有機物と反応して酸化させます。


活性酸素によって酸化された有機物は機能しなくなり、中には毒性を持つものも存在します。




タンパク質との反応

身体の構成成分である筋・骨・内臓・皮膚が酸化され、破壊されたタンパク質は異常タンパク質と呼ばれます。
これが蓄積すると老化が進み、更には高血圧や糖尿病の原因ともされています。
また、代謝機能も低下します。



脂質との反応

1.細胞膜

細胞膜中の不飽和脂肪酸が過酸化脂質に置き換えられ、細胞膜本来の有害物質が細胞内に取り込まれるのを抑制する機能が低下します。



2.低比重リポタンパク質(LDL)


低比重リポタンパク質(Low Density Lipoprotein:LDL)と活性酸素が反応すると酸化LDLとなり、動脈硬化の原因になります。

マクロファージが異物である酸化LDLを処理しようとして飲み込みますが、酸化LDLの量が過剰になると、酸化LDLを食べ過ぎたマクロファージは泡沫細胞と言われるものになり、血管壁に積み重なって動脈硬化が進んでしまいます。




※マクロファージ(大食細胞、貪食細胞)

体内に侵入した細菌などの異物を捕らえて細胞内で消化するとともに、それらの異物に抵抗するための免疫情報をリンパ球に伝える。



DNAの損傷

活性酸素によって細胞膜が破壊され、細胞核にある遺伝子(DNA鎖)が切断されることで、老化・悪性新生物(癌)・生活習慣病などの原因になります。



【活性酸素の種類】

通常の酸素分子は2つの酸素が2つの電子を共有し、各々の酸素が1つずつ不対電子を持っている状態です。



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通常、原子や分子ごとで、電子は2つで対をないしていますが、対を作れていない電子のことを不対電子と呼びます。
不対電子を持っている原子や分子のことをフリーラジカルといい、不対電子を持たない原子や分子のことを非ラジカルといいます。

対をなっていない電子は不安定で、安定させるために、対となる電子を求めようとします。

その結果、近くにある他の原子や分子から電子を奪おうとするために反応性が高くなり、様々な原子や分子と酸化還元反応を起こしやすくなります。



フリーラジカルは運動をしたり、食べ物をエネルギーに変えたりする時に体内で作られます。

たばこの煙や大気汚染、日光などの環境要因からも体内にフリーラジカルが生じることがあります。

フリーラジカルは細胞損傷を起こす“酸化ストレス”の原因です。

酸化ストレスは癌、心血管疾患、糖尿病、アルツハイマー病、パーキンソン病、白内障や加齢黄斑変性症など目の病気など、様々な疾病の原因の一つであると考えられています。




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【活性酸素発生の原因】



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【まとめ】


活性酸素は私たちが生きていくうえで必ずついて回る問題です。不摂生な食習慣や生活習慣は活性酸素を増加させる原因になります。運動を行うと活性酸素が生じますが、その一方で抗酸化酵素の活性も高くなることが分かっています。

適度な運動、ビタミンやカロテノイド、ポリフェノールなどを積極的に普段の食事から摂るようにして、活性酸素の量をコントロールしましょう!

それでは、良いトレーニングライフを~




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