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(うつ病・リワーク日記)目標は目安だけど絶対じゃない

 2度目の休職中に書いています。リワーク通いです。

 私が通うリワークでは随時、専門職の方と面談があります。生活リズムの面談や、今の気持ちについて話す面談。
 その中で、印象に残った、大切にしたい話。


私の普通・目標設定とは

 私の勤めている組織では、期初に目標を設定して期末に振り返りを行います。設定時、振り返り時、期中に随時、目標に対する進捗面談を行います。如何に高い目標を設定し、達成するかが問われます。

 それが私にとっての普通でした。そんな私にとって、衝撃的で、最も心に残ることになる面談がありました。

リワークに通う目的と目標は

 リワークに通い始めて、初めての面談。私が正直に言ったこと。

  • 「リワークに来たのは『復職前にリワークに通うことを強く勧める』と復職条件を会社が提示した。だから、アリバイ作りのために来た」

  • 「講座が一巡する2ヶ月後を目処に卒業を目標としたい」

と、リワークに通う目的と目標を言いました。今、考えると とても失礼な私。だけど不思議と、素直な気持ちを話せる環境でした。

目安だけど絶対じゃない

 リワークに通う目的、目標を最初の段階から伝えた。そんな私の話を「うんうん」と最後まで聞いてくれる。時折、質問を交えながら。

 ひと通り、私から話を伝えた後も、対話は進む。私が伝えたことを、しっかり理解してくれた反応が、とても心地良い。

 そして、一言。こう言われた。

「目標は目安だけど、絶対じゃない。というのは如何ですか?」

 最初、何を言われたのか理解ができなかった。

 続けて補足をしてくれて。
 「リワークに通う目安があるとやり易い、はあると思います。だけど、その目標は絶対達成しなきゃいけないものではない、と思って、まずは日々を味わってみるのはどうでしょうか。」

 私は高い目標を設定し、それを如何に達成するか、で働いてきた。
 一見、無謀な目標もあった。だけど、無謀な目標だから、今までの常識に捉われない活動が生まれて成長する。そう思って信じてきた。

 そんな私にとっては、衝撃的な提案だったのです。

次第に今日に集中するようになった

 面談で言われたからといって、最初は「じゃ、そうします」とはならなかったです。その場では、”はい”と言いながらも、理解できずにいた。

 当初、リワークに通うのは週に2,3日程度。徐々に日数を増やす。講座で教わったこと、グループワークで同じ参加者から聞いたこと、日常生活で実践する日々を過ごす。

 次第に、設定した目標卒業日は近づく。でも、その卒業日は絶対じゃなくて良いことになっている。
 そう思うと、卒業日という未来のことより今日のこと。「いま、ここ」に集中する*1 ようになっていきました。

 これを実感できた時、”絶対じゃない”の言葉に救われた気がした。感謝するようになりました。

 *1 心理療法のひとつ、ACT (Acceptance and Commitment Therapy)にも出てくる。
 心が非柔軟な状態の「過去や未来にとらわれる」に対して、心が柔軟な状態の「今に集中する」。心が柔軟な状態になる変化があったのかもしれない。
 と、書いている今、思った。今更ですが。

今日が充実する

 今日のことに集中している。「いま、ここ」に集中している。この状態になっていた私は、リワークに通う日々、今日がとても充実していると感じるようになっていました。

 新しいことを学ぶ楽しさもあったのでしょう。だけど、それだけではなかった。不思議な感覚です。「今に集中する」と、こんな感情を持てるのだな、と改めて思いました。

 “目標は目安だけど絶対じゃない、は如何?”と言って頂けて本当に良かった、と感じています。


 「いま、ここ」に集中して欲しい、という意図で面談で "目標は絶対じゃない"を提案してくれたのか分かりません。
 後日、聞くと「このまま突っ走ってしまうのかな」という思いから言ってくれたそうです。

 この年齢になって、心の師匠ができるとは思いませんでした。
 あの人のような存在に、私もなりたい。

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