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 今回も、管理者の同時期に留学されていた方の留学体験記を掲載させていただきます。執筆いただきありがとうございました!
 今回は、カイロ・アメリカン大学についてです。カイロ・アメリカン大学は、アメリカの宣教師団によって1919年に創設された私立大学です。エジプトの国公立大学が慢性的な定員過多(カイロ大学だと約25万人の学生)に悩まされているのに比べて、6千人ほどで、英語による質の高い教育で有名です。一方、ほぼ無料の国立大学と比較すると、その学費は非常に高いため、生徒は上流階層出身者に限られています。メインキャンパスはもともとタハリール広場にありましたが、現在はカイロ郊外のニューカイロに移転しています。

留学の契機・目的

 以前より、近代化からみる中東、イスラム教とジェンダーというトピックに興味があり、留学では学問とともに、現地の人々と直接触れ合いながらこのトピックを学びたいと考えていた。カイロアメリカン大学はエジプト、中東の中でも随一のジェンダー学を学べる大学だったのでこの大学を選んだ。
また、今まで全く行ったことのない国、文化に飛び込むことでもっと自分を成長させたいと思った。

留学の体系(私費or交換など)・費用と工面方法

AUCカイロアメリカン大学交換留学(自分の大学からは一期生でした)

留学でかかった費用はトビタテ奨学金で工面した。
(個人的にエジプト留学の際にトビタテ奨学金を使う際に注意点があるので、申し込むか悩んでいる人は個別に連絡ください)

住居について

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 AUCのニューカイロキャンパスで学んでいたのでAUCの寮に住んだ。
 最初のセメスターはoff campusでエジプト人の子とルームシェアをした。
また、次のセメスターはon campusで一人部屋だったが、キッチン、バスルームなどは4人で共有だった。
 Off campusの寮は昨年できたこともあり、とても綺麗で過ごしやすかった。キッチンも広く、コンロも四つあった。しかし、個人部屋がなく一人の時間が取れない、生活リズムがルームメートと合わないなどの問題があった。
 On campusの寮は、個人部屋は十分に広く、また静かで勉強机が備えてあるのでとても快適に過ごした。しかし、キッチンなどの共同スペースなどがあまり衛生的ではないなどの問題もあった。
 どちらの住居も水や電気などは安定しており、Wi-Fiも強く、特に困ることはなかった。申し込み方法は、住居する予定の前のセメスター(住居する1ヶ月前くらい)にoffice of residential lifeからメールが送られてきて申し込みフォームを送信する形となっている。

 AUCの留学生の中ではダウンタウンに住む学生とキャンパスの寮に住む学生の二つのタイプがいた。ダウンタウンに住む学生は、往復2時間以上かけてニューカイロのキャンパスに通っていた。しかし、ニューカイロと違ってローカルな雰囲気が味わえてアラビア語の練習にもなり、楽しいと友達は言っていた。大学付近に住む留学生は、あまり平日はローカルな雰囲気などは味わえず、遊ぶような場所はあまりないが、平日は勉強し、週末にダウンタウンに出ている人が多かったように思える。また、寮では現地の学生、留学生と仲良くなることができる。なかなかエジプト人の友人と寮生活をする機会はないのでとても貴重な機会であった。

 ここでAUC(ニューキャンパス)から移動する際の移動手段について記しておきたい。移動手段は主に、
1Uber
2 AUCのバス
3公共のバス

である。

 比較的に簡単に利用することができたので慣れないうちはUberを使うことがおすすめだと思う。しかし、ダウンタウン(タハリール)に行くまで100ポンドかかるなど高額、またドライバーによってはぼったくられる(Uberなのに)ケースもあるので注意が必要である
2 A U Cには1時間に一本ほどタハリール、ザマーレク、ドッキ間などを運行しているバスがあり、時間通りに運行しているのでとても便利でよく利用していた。
 昨年の秋からできたニューカイロとダウンタウン(私の知っている限りではタハリール、カイロ大学、マアーディーですが、8ラインくらいあるはずなのでもっとあると思う。)間を15ポンドで利用できるバスがあり、よく利用した。A U Cの前のGate 4 からバスに乗り終点のLotus terminalに行き、自分が乗りたいバスに乗ることができる。(Gate4からLotus terminalはとても近くなので無料で乗ることができる)Google mapで最近は運行状況を見ることができたのでとても助かった。しかし、バス停がなくバスが止まるところが予測できず乗り損ねる場合が多い(バスを見つけたら全力で運転手に手を振れば止まってくれる)、また絶対に時間通りに来ない、またいつ来るか予測できないということで急いでいる時、誰かと約束がある時(特に日本人と)はおすすめしない。


エジプトでしたこと(勉強した内容/教材・旅行etc)

 前期の授業ではEnglish0210という授業を午前中履修した。学部の授業としては、文化人類学、社会学からジェンダーを学んだ。具体的にはWomen, religion and state と Gender, sexuality and social change を履修した。
 後期は、アラビア語(エジプト方言(アンミーヤ))、Arab society, Arab family and dynamics, Social problems of Middle East を履修した。
 どの授業も日本では学ぶことのできないアラブ、中東、エジプトの姿を学ぶことができて大変楽しかった。また、エジプト人のクラスメイトの意見がとても興味深く、日本と比較した話などをすると教授、クラスメイト共に喜んでくれたのでとても嬉しかった。毎回宿題として出されるReadingも量は多いが内容はとても興味深く大変勉強になった。しかし、A U Cは課題が大変多く、毎週エッセー、テスト、プレゼンに追われ、正直あまり遊ぶ時間がなかったことが悔やまれる。

 旅行はアレキサンドリアとダハブに行った。やはり、大学に通うとなるとなかなか時間が取れず、あまり多くの場所を訪れることはできなかったが学問としっかり向き合った時間は貴重な時間であった。

普段の1週間のスケジュール


日・月 授業
(空き時間課題)
火   休み 課題
水・木 授業
(木曜の夜友達と外食など)
金土  外出・勉強

留学に行く前にした方が良かったなと思ったこと

私はアラビア語の勉強をしていかなかったので特に方言(アンミーヤ)を少しでも勉強しておいたらより現地の人々と会話を楽しむことができたり、生活がしやすかったと思う。

留学してみて良かった経験、嫌だった経験

 留学して今思うことは本当にエジプトに、A U Cに留学して良かったということだ。アジア出身の人がほとんどいない中での留学生活は最初、エジプトの文化に馴染むこともできず友達もなかなかできず最初は本当に悩む日々であった。しかし、負けじと1日1日自分ができることをやっていく中で徐々に友達もでき、本当に後悔のない留学にすることができた。何より、全く価値観の違う友達といろんな話をする中で友情を築き、また同じ人間として繋がれる喜びを感じることができたことが留学して一番良かったと思える経験である。
 嫌だった経験は、アジア人差別、女性差別である。ニューカイロはアジア出身の人がほとんどいないので道を歩いているだけで叫ばれることや、後をつけられる多々あり、精神的に辛かった。また、エジプトの友人の友達との距離を掴むのがなかなか大変でストレスになることもあった。

 しかし、今考えると嫌だったことも良かったことも全て自分の貴重な人生経験で、それをどう乗り越えるか、どうプラスに考えるかということを学ぶことができた大切な経験であった。

後輩にメッセージ

 エジプト留学は日本であまりまだ人気ではないため、留学に来る際、多くの不安があると思います。しかし、そんな中で勇気を出してエジプトに来ようと決めたその勇気が素晴らしく、その決意が必ず次の後輩につながっていくと思います。また留学して見た本当の中東・エジプトの姿を伝えていくことが、この地に留学にきたものの使命なのかなとも考えます。エジプト留学は誰にもできることじゃない。だからこそ大変なこともたくさんあると思いますが、どんなことも笑いに変えて、波乱万丈のエジプト留学を楽しんで行ってください。どんな時もオープンマインドの精神でいれば必ず道は開けてくると思います。陰ながら皆さんのことを応援しています。

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