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[欧米では当たり前!?]新しい働き方『ABW』って何?取り入れるメリットとデメリット

この記事は【約5分】で読めます。
記事作成|Naoto Takai

ABW聞いたことありますか?

さてみなさん、ABWって聞いたことがありますか?私たちオフィスデザイン業界にいると数年前からホットな働き方として提案などでも、よく盛り込んでいる会社さんが多いです。ABW(読み方|エービーダブリュー)とは、「Actibity based working」の略称で、簡単にいうと『働き方に合わせて、自由に働く場所を選択できるワークスタイル』です。

オランダ発祥のこの働き方は、一般的に普及している「フリーアドレス」の中の1種だと考えて頂いても問題ないです。いわゆる固定の席から、自由に選択できることが1つの目的です。ただし、この背景や導入する目的を「フリーアドレス」と一色担にしてしまうと、その効果が十分に活かせないことがあります。本日は、今注目されている欧米の働き方「ABW」について、フリーアドレスとの違いから、メリットデメリットを紹介させて頂きます。

●フリアドが導入された背景と目的

そもそもフリーアドレスを簡単に説明すると、名前の通り「自席のような固定席」ではなく「毎日自由に席を選べる」働き方です。グループごとに、数ヶ月〜半年単位でエリアが指定されて、そのエリア内の席をグループメンバーで自由に選択する「グループアドレス」という働き方もフリアドの一種です。簡単に、ここ30年の働き方の一覧を作ってみました。

いかがでしょうか。知らない言葉も多いですかね。
一般的に使われるのは「フリアド」「グループアドレス」「テレワーク」「リモートワーク」「コワーキング」「ウェルビーング」あたりでしょうか。ちなみにWell-beingに関しては以前に記事にしましたので、知らない人はぜひこちらもご覧ください。

●日本のフリアドは検討ちがい!?

さて、イラストでも紹介したように実はフリアド発祥のアメリカでの当初の導入目的と、それを輸入した日本では元々導入する背景が全く違いました。これが日本が10年以上も、働き方改革に遅れをとってしまった所以だと考えています。

アメリカ|
自席を持たず、毎日席が入れ替わること
→ 他部署の多種多様な人との会話や、コミュニケーションが生まれ新しいアイデアの発想、社内での円滑なコミュニケーションにつながり創造性がUPする働き方

日本|
在席率の低い営業マンたちは自席が人数分必要じゃないのでは?
→ 空間効率が良くなり、一回り小さなオフィスに縮小でき家賃が削減できる!

つまり、創造性やコミュニケーション向上のためにフリアドを提唱していたアメリカとは異なり。従来、日本では空間効率による経費削減を理由にフリアドを導入していました。そのため、本来の目的に合わない形でフリアドは浸透していかなかったと考えています。

ABWを取り入れるメリット

さて、そんな背景で導入されるのが遅くなったフリアド本来の意味ですが。近年ではABWなどの考え方も加わり、本来あるべき働き方に変容しつつあります。ちなみにABWは、フリアドとは異なり「個人の働きやすさ」により重点を置いています。これは、コロナウイルスなどによるテレワークの導入や、1人1人の働き方に対する価値観の更新によって「もっと自由で、自分に合った働き方を選択したい」と思う人が増えたことが要因にあります。

フリアドは、社内での交流を軸に「会社としての成長」につながるものでしたが、ABWは「個人の働きやすさ」にフォーカスすることで社員1人1人の心と身体の健康(Well-being)を実現し、そして会社に対する愛着も深まり、生産性も向上するというメリットがあります。以下では、ABWの導入メリットを5つ紹介しています。

1|生産性の向上

業務によって働く場所を変えることで、リフレッシュすることができたり必要なコミュニケーションが取れることで集中しやすい環境づくりができ、生産性が上がります。

2|社員のエンゲージメントUP

働く場所の自由な選択は、多くの社員にとって「管理されすぎずある程度自身の働き方に寛容である」印象を受け、結果的に会社への愛着心が高まります。離職率の低下もつながります。

3|コスト削減

日本でフリアドが導入された背景であるコスト削減も、結果的には大きなメリットになります。社員数に対して50〜80%程度の席数で、設計する会社も多くその分、賃料は安く抑えられます。また社員が健康的になることで、社員の病気などのリスクも抑えられ、労災などのコストも抑えられます。

4|クリエイティビティの増加

日々、新しい環境での仕事で刺激を受けたり、他部署の多種多様な人財とのコミュニケーションによって、よりクリエイティブに新しいアイデアが溢れるようになります。

5|優秀な人財のリクルート

また、ABWを取り入れている多くの会社が、その働きやすさ故に優秀な人財が定着しやすく強い会社へ成長しやすい傾向があることもわかっています。

ABWのデメリットはあるの?

これだけメリットの多いABWですが、リスクももちろんあります。実際は、導入することによるデメリットは少ないです。どちらかというと、社員全員が効果的にABWを活かすまでの仕組みづくりや、体制を整えることが非常に難しいと言われています。

1|ABWが適さない職種

そもそも毎日席の変わる働き方ができない職種の方が多い職場では、導入することが難しいと言われています。例えば経理や、エンジニアなど書類が多かったり、特別のPCなどの設備が必要な場合は固定席をオススメします。

2|新卒や中途メンバーの育成

根掘り葉掘り、教えたり研修する対象の人。また中途採用で、まずは社員やチームメンバーと仲を深めたい人からすると毎日「あの人はどこにいるのか」と悩むことはストレスになりやすいです。

3|新しい仕組みとルール作り

実際にフリアドやABWを導入する際には、従来の働き方と大きく変わりますので新しい仕組みやルールが必要になります。管理本部などが、それを一手で担うのはかなりの重労働になります。

4|怠慢な社員の管理

自由な働き方にすることで、毎時その人の働きぶりを確認することが難しくなります。ある程度仕組みで解決はできますが、サボり癖のある社員の管理が問題視されることも多いです。

働き方を変えるなら、空間から変えよう


フリーアドレスなら家具を変えて運用ルールを作ればある程度実働することは可能です。ただし手軽な分、生産性や創造性などの結果にはつながりにく可能性が高いです。もし働き方を変えて、結果にもコミットするならレイアウトリノベーションをオススメします。

しかし、ただ家具を買い替えて、見よう見真似で実現しにくいのも現実。なので、もし今オフィスのレイアウトやリノベーション、移転などでお悩みの方がいましたら弊社にお気軽にご相談くださいね。

2023.5.11

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