第6話 いよいよステージへ
時計の針は12:30を指し、いよいよコンサートが始まった。
楽屋で着替えを済ませたKOBは、モニターを通して舞台の様子をうかがっていた。
「みんな上手いなあ。」
ツカチャンは椅子に座り、モニターをじっと見つめていた。
「いやいや、KOBも負けてませんよ!」
トミーは少し強い口調で言った。
「パフォーマンス、長官に喜んでもらえるかなあ・・・」
ミッキーは不安そうにメンバーの顔色をうかがった。
「大丈夫さ。今までのステージだって、みんなに楽しんでもらえたじゃないか。 もっと自信を持ちなよ、ミッキー。」
ヒラチャンはミッキーに優しく声を掛けた。
「伊達なKOB様、そろそろ出番です。」
ステージ担当のスタッフが楽屋の扉を叩いた。
「はい。 さあみんな、ファンが待ってるぞ。」
リーダーの言葉を聞き、メンバーはホールへと向かった。
その頃ホールでは、田中夫妻とあかね先生がKOBの登場を今か今かと待っていた。
「長官、いよいよ次ですよ。」
あかね先生は田中長官の耳元で囁いた。
「そうか。本当に楽しみだ。」
田中長官は微笑みながら、ステージを見つめた。
「さあ、続いては伊達なKOBです。 ここでメンバー紹介をさせて頂きます・・・」
司会の女性がKOBの紹介を始めた。
「みんな、今日も楽しんでいこう。」
曲のイントロが、ホール内に流れた。
「前へ進め!」
ケンチャンの掛け声を聞き、5人はステージへ進んだ。
「いい歌だね。何だか元気になるよ。」
客席にいた田中長官があかね先生に囁いた。
「ありがとうございます。 長官に喜んでもらえて、KOBも喜びますわ。」
あかね先生は嬉しそうに言った。
「本当に良い歌だわ。」
輝枝さんは涙を浮かべながら、ステージを見つめた。
パフォーマンスを終えてステージを立ち去るKOBに、客席から盛大な拍手が沸き起こった。
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