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Kの向くままにおススメ映画『ピクニック at ハンギング ロック』ネタバレあらすじ感想日記

こんにちは。自然が好きなKです。今回は『ピクニック at ハンギング ロック』。一言で表すと「美しい神隠し映画」です。



こんな人におススメ 

芸術的な映画を観たい人
ダークなファンタジーが好きな人
女学院が好きな人


要注意点まとめ 

▲Badなエンドです
▲ピクニックや登山が好きな人にはチョット重いかも


こんな映画です 

冒頭のテロップ 

1900年2月14日 土曜日
アップルヤード女学院の生徒たちが、ヴィクトリア州マセドン山近くの岩山でピクニックをしていた。午後、数人が跡形もなく消え失せた。
見えるものも私たちの姿もただの夢。夢の中の夢…。


もう少し詳しく 

ジョーン リンジー原作。上記のテロップがあらましのほぼ全てです。

まず、本作をノンフィクションと紹介している記述がままありますが…?答えは冒頭テロップに出てます。《夢の中の夢》という部分ではありません。
1900年2月14日は土曜日ではないのです。実話なら敢えて変える必要はないはずです。

そして、そのフィクションで伝えたかった事は、自然と人間の対比、崇高と俗のコントラストだと感じました。
数十年の伝統を誇るアップルヤード女学院 vs. 百万年待っていたハンギング ロック。この女学院は人間の営みを代表しているのでしょう。自然の驚異に際して無力に崩れていく女学院の短い伝統。自然に比べたら人類の知恵や歴史なんてそんなもの…。

ところで、失踪した女生徒たちはどうなったのか?神隠しなので最後まで明らかにされませんし、逆に人間の力では解明できないから神隠しなんです。
単に本作を鑑賞した場合、Kのような一般人が考察できるのはここまででしょう。

しかし!ある有名映画解説者によると、女生徒たちはアボリジニ特有の概念世界《ドリームタイム(夢の時)》に移行したそうです…??ん?ドリームタイム?それは、時の流れがなく、過去も未来もない平行世界であり、アボリジニにとってはこの《ドリームタイム》こそが現実なのだとか。
本作にアボリジニは出て来ませんが、暗示するものは出て来ます。岩山に生息するヘビやトカゲなどの動物たちがソレです。
Kもその解説に納得しました。 が、普通に観てるとそんな事思いもしない…。複数の時計が同時に止まるとか、唯一の生存者アーマが心を痛めてヨーロッパに帰るとか、オーストラリアの作品である事 など…それらを踏まえると《アボリジニ》や《ドリームタイム》というワードがうっすらと浮かび上がってくるんですね。流石、有名映画解説者だ。
※オーストラリアはヨーロッパ人に植民され、先住民である《アボリジニ》は彼らにハンティングを楽しむように大虐殺された歴史があります。

上記より、冒頭の《夢の中の夢》のくだりは、「私たちが現実だと思っている世界は、ドリームタイムの中で見る夢に過ぎない」という事でしょう。
また、登山やピクニックと称して岩山に土足で踏み入る行為は、自然を崇めるアボリジニとその地を蹂躙した歴史のメタファーであり、神隠しは侵略者がその代償を払わされる、という贖罪のメタファーだと考えられます。


観た後はこんな気分になりました 

神隠しの映画としても、アボリジニの復讐映画としても、どちらにしても納得!観た後はあまりハッピー気分になれないけれど、スリリングな展開と映像美を楽しみましょう。


心に残ったセリフ 

 マリオン :「まるでアリのようだわ。目的のない人間が何て多いのかしら。多分あの人たち、自分にも分からない役割を果たしてるの。」

山は人間に登られる時、こんな事を思っているのかもしれない。自然を甘く見てはいけませんよ…。


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