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目的(目標)は、具体と抽象のサンドイッチで作る

前回、BtoBtoCのプロダクト開発を例に、ニーズ調査のためのユーザーインタビューを実施する目標をBefore/After形式で紹介しました👇
https://note.com/sttaka3/n/n708e5f69c3a5

今回はAfter作成のポイント、手段と目的「具体抽象」を説明します。

ロジカルシンキング→手段と目的で設計

2つの例を出します。

Before〜目的(目標)の例〜

・開発メンバーが自信を持って開発/提案に当たれる
・ステークホルダーに優先して開発する理由が説明できる

After〜目的(目標)の例〜

・エンドユーザーのLTVが大きく改善する、新サービスのニーズを明らかにする
・次に、導入のセールスを高めるために、導入を見送る層(N1分析)のユーザーペインを深掘りする
・ユーザーペインの解決策を見出すことで、プロダクトの方向性とコアバリューを明確にしビジネスチャンスを高める

次にこの2つの目的(目標)を図解します👇

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このイメージはAfterの目的を例に設計しました。黄色の付箋はBeforeの目的を表しています。このイメージはツリー状になっており、上から順に見ていくと「手段と目的」をサンドイッチしています。さらに横軸で見ると、左から右へプレゼンに向けてのロードマップにも見え、プロダクトの価値とプレゼンへの目的に向かってやるべきことが見えてきます。

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お次は、Beforeの例をツリー状にしてみました。自信と納得させるの部分はツリー状になっています。しかし、開発優先度の箇所はスカスカになってしまいロジカルから程遠くなってしまいました。

お気づきかもしれませんが、これらはロジカルシンキングの概念を元に作成しています。ロジカルシンキングとは物事を結論と根拠に分け、その論理的なつながりを捉えながら物事を理解する思考法です。

具体⇄抽象のサンドイッチ

具体⇄抽象とは、文字通り具体と抽象を行き来することを指します。
例えば職場の先輩に「今の時代、個性が大事だよ!」と言われたとします。しかし、「個性って一体なんだろう・・🤔」となるように、個性は人それぞれ捉え方で何通りにもなってしまいます。

それでは、Beforeの例で抽象的な箇所をピックアップしていきます。

・開発メンバーが自信を持って開発/提案に当たれる
・ステークホルダーに優先して開発する理由が説明できる

自信を持って
上記で説明した「個性が大事だよ!」とニュアンスが似ています。
これでは「何を持って自信がつく」のかが不明確ですね。こういう確証が得られたら自信がつくのでは?と想起できる一文もありません。

優先して開発する理由
こちらも優先する理由(動機)が不明確です。プレゼンのシナリオを考えた上でステークホルダーを納得させる材料が何なのか(仮説)を用意した上でリサーチ依頼を出してもらう方がスムーズです。

目的が対にならない
よく見てみると、2つの目的は相互補完になっていません。それどころか、「自信が持てない=ステークホルダーに説明できない」と捉えかねません。
順序を逆にし、「よって」という一文を付け加えれば準備の余地はあります。

リサーチ目的がMVVにかかっていない
そもそも論ですが、このリサーチ目的の背景にMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の要素が含まれていません。軸が明確ではないので、三者三様の捉え方ができてしまいます。例えば、

・背景1→開発メンバーが気持ちよく仕事ができるようにしたい
・背景2→ステークホルダーを説得でき、プロジェクトを進めたい
・背景3→よいサービスを届けたい

など、少なくとも3パターン出てきます。

今回はAfter作成のポイント、手段と目的「具体抽象」について説明しました。
同じテクニックを使っても、
・出発地点が手段に変わっていたら
・抽象的なことばかり書いてあったら
その後の進め方に大きく差が出てしまうことをイメージを元に説明できたかと思います。

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