マガジンのカバー画像

写真の引き出しの結果論

10
ノウハウではない撮った写真の結果論
運営しているクリエイター

記事一覧

2021年総括 -アイドルカメラマンの2021年-

2021年総括 -アイドルカメラマンの2021年-

新しい生活様式と言われ2年近くなり、そんな時間の進み方・スピード感への違和感はずっとある。早くもなく遅くもなく、気がついたら進み気がついたら止まっている。そんな時間の中で毎日写真を撮ってきました。

今年もたくさんのアイドルたちの撮影をさせていただきました。
メディアにたくさん出るわけではないが、それでも毎日笑顔を見せ続けてくれる彼女たちの魅力を出すお手伝いを少しでも出来たのなら非常に嬉しく思いま

もっとみる
クリーントーンがうまくなれたらどんなに楽かという写真の話

クリーントーンがうまくなれたらどんなに楽かという写真の話

「いい写真」とはなんだろう。とどのつまりその定義は写真家ごとにあるだろうし、ポリシーや美学の話にまでなるとややこしい。オジサンが語りだすとそれはそれは鬱陶しい。

近年のミラーレス時代ではフランジバックの都合か、非常に高性能なレンズライナップが多い。そこでいう「高性能」とはピクセルピーキングでフラットな、MTF曲線がてっぺんにへばりついたもの。センサーやエンジンの処理も合わせて収差を極限までなくし

もっとみる
ギュンギュンのライブハウスでまた撮れることを願って、アイドルライブの撮り方の話

ギュンギュンのライブハウスでまた撮れることを願って、アイドルライブの撮り方の話

以前、アイドルライブを撮影するコツの取材を受けたことがある。ただ、正直記事に出来ることがなくて内容を変えてもらった。
撮影許可の出ているアイドルライブを撮ることを趣味とする、いわゆるカメコ向けの記事であったのだが、僕の撮影に関しては「正直参考にならないと思う」と。

なぜそんなことになったかというと、ドラマティックなライブ写真を撮影する一番のコツは「ポジショニング」だからだ。カメコは撮影場所が限定

もっとみる
男は「一度俺に惚れた女は、死ぬときに絶対俺のことを思い出す」と勘違いしている

男は「一度俺に惚れた女は、死ぬときに絶対俺のことを思い出す」と勘違いしている

写真は非常にパーソナルなものである。特に女性を撮る写真は、語弊満点の書き方をすれば、ほぼ性癖の露呈である。

写真家としての仕事の立ち位置はいろいろあって、職業カメラマンというのはバンドで言えば作詞作曲もするマスクもいいフロントマンのような人もいれば、作曲をしないベーシストのような人もいる。
どちらか言えば自分は後者。ただアンサンブルの肝を握る屋台骨ではいたいと思う。

超絶技巧の速弾きギタリスト

もっとみる
人を撮るカメラマンは人に会わなければ撮れないという外出

人を撮るカメラマンは人に会わなければ撮れないという外出

東京の緊急事態宣言も解除になりそうなニュースが出て、元の暮らしに戻りそうな雰囲気もあるが、不要不急の外出自粛や感染リスクを避けることは今後ももう習慣とするべき形になっていくだろう。

人を撮ることを生業とするカメラマンは、カメラに写る人に必ず会う必要がある。会わずしては撮れない。
できればドアトゥドアで車移動をして、スタジオでソーシャルディスタンスをとって撮影すれば何ら問題のない話。
外で撮影する

もっとみる
コントラストの妙

コントラストの妙

コントラストが高いとか低いとか、彩度が高いとか低いとか。
収束点をどこにするかは結局好みのフィルムになる。デジタルで撮っていても現像ソフトは暗室作業を元に作られているから自然にそうなる。
結論、ただの好みの話だ。

デジタルは所詮アナログシミュレーションの域なので、人それぞれ好き勝手やればいい。

マッチレスDC-30とマーシャルのJCM800とVOXのAC30との違いをわかってアンプシミュレータ

もっとみる
How toのドヤ顔

How toのドヤ顔

いざ写真のことを書こうとすると、How to然としたことを書き始めてしまう。そんなことを書きたくて始めたnoteではないので自分の発想力のなさに嫌気が差す。
何が嫌だって、How to的なことを書いている記事を読むとその筆者のドヤ顔が思い浮かぶから。
誰かがどこかで書いていた薄っぺらい技術論を掻い摘んでみたところでどうでもいい。俺より詳しい人なんて山程いる。40代も半ば、人にドヤれることなど何もな

もっとみる
逆光は勝利というけれど

逆光は勝利というけれど

屋外での撮影は太陽の位置取りを逆光にすることが多い。
特に光源をまともにレンズに入れてフレアやゴーストを意図的に起こさせて撮る表現。
しかし、デジタルカメラにおいては最も条件の悪い状態。
コントラストは落ちるからAFは合いにくい、強い光がレンズに入るためカラーノイズが出やすい、良いことない。

ただそれでも、写真の表現のひとつとして逆光で撮影する。
デジタルカメラでフレア・ゴーストを表現に使用する

もっとみる
ナチュラルな写真は足で撮る

ナチュラルな写真は足で撮る

僕の撮影スタイルを知っている人はよく「ワタナベさんの撮影は歩かされる」と言う。
決していい意味ではないだろうが、確かによく歩く。
今日は「ナチュラルな写真」というジャンルのものを撮るときの話。
屋外で、決められたカットはなくフリーに点数を撮るという場合。
若い女の子を撮るということに限定して書く。

レンズ選択の話「写真を足で撮る」とは、本来レンズの話である。
ズームレンズを使わずに単焦点レンズを

もっとみる
天気と季節を作って撮る写真

天気と季節を作って撮る写真

撮影日に自分の思う天気であるとは限らない。曇天・雨天だけでなく、柔らかい光がほしいのにピーカンとかも。
仕事での撮影では季節感なんてまる無視なので、太陽がどんな状態でも欲しい光のイメージを作れる必要がある。

思ったとおりの写真を撮るためのひとつの引き出しとして「太陽を観察して知る」ことはかなり重要。
太陽が、どんな季節にどんな天気だとどんな影を作るとかを注意深く知っておかないと光は作れないので、

もっとみる