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天気と季節を作って撮る写真

撮影日に自分の思う天気であるとは限らない。曇天・雨天だけでなく、柔らかい光がほしいのにピーカンとかも。
仕事での撮影では季節感なんてまる無視なので、太陽がどんな状態でも欲しい光のイメージを作れる必要がある。

思ったとおりの写真を撮るためのひとつの引き出しとして「太陽を観察して知る」ことはかなり重要。
太陽が、どんな季節にどんな天気だとどんな影を作るとかを注意深く知っておかないと光は作れないので、普段の生活から光と影を観察しておくと撮影に役に立つ


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この写真はサンミュージック所属のアイドルユニット「さんみゅ〜」(当時)が2018年8月8日にリリースしたCD「真夏のファンタジー」のジャケット用に撮影した写真。
タイトルどおり必要な写真は「真夏」。ただ撮影日は、前日に台風が通過して次の台風が近づいている分厚い曇天。絶対に曇天の写真を撮るわけにいかない。

太陽は「世界一の光量の最大の拡散光で指向性のない点光源」
これを作ればいい。
モデルの真横の少し後ろ、高さは2mオーバーからストロボを打つ。屋外のため小型のバッテリーモノブロックを使用。ポイントはリフレクターもすべて外してガラスグローブ剥き出しの、指向性のない大光量。これによって強い夏の日差しを作ることができる。ストロボ光と夏の日差しは色温度の雰囲気を合わせやすいが、影側に曇天感がでるため大型のレフ板をストロボの対角線上に置く。夏の日差しの影と曇天との違いは色温度。それをレフ板でカバーする。

余談だが、この撮影日はMV撮影も同時進行だった。


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この写真は薄暗い白いスタジオ内で撮ったもの。
モデルのイメージ的に柔らかい春の光が欲しい。カーテン越しの光がイメージ。

モデルの足元ギリギリにサブロクのカポック。それに向けて小型のモノブロックストロボ。設置する高さは窓からの春の光がイメージなので1.8mくらい。やはり太陽光の再現なのでガラスグローブ剥き出し。光を柔らかくするために、指向性のない反射光にする。カポックで壁を意図的な場所に作った「壁バン」。カメラに向かって反射光がくる、いわゆる逆光状態を作る。
家の中に入る自然光はいろんなところに反射した複雑な反射光なのでこれを再現する。


特にストロボアクセサリーを使わないことで作れる表現もある。そしてモデルに直接ストロボを当てないから作れる表現もある。

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