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ストレスとは?あなたがガチで知らない本当の話

「胃が痛い !!」「頭が重い !!」など、強いストレスを感じると体に異変が起こります。辛いですよね。

その結果、体がだるくなり、疲れやすくなって、ちゃんとした判断ができなくなります。夜寝れないことも。


私達はストレスを健康に悪いもの、つまり害として教わってきました。でも、はたして本当にそうなのでしょうか?

ストレス研究の第一人者であるハンス・セリエ博士はこう言いました。

"ストレスは私達を守ってくれるのです。"

え、って思いませんでしたか?だって、ストレスが我々を守ってくれるなんて、そんな話は聞いたことがないわけですから。

そうなんです。実は今まで教わってきたことが間違っていました。というか、半分しか伝わっていなかったというのが正しいところです。


ストレスとは?

普通ストレスと言うと、外部から刺激を受けた時に生じる緊張状態のことを指します。もちろん感じるストレスの大きさも、その時々によって違います。

また瞬間的、一時的なストレスならまだしも、慢性ストレスになる場合だってあります。これはボールを例に考えるとわかりやすいです。

通常、圧(ストレス)を加えるとボールは潰れますが、反作用の力が生じるので、すぐに元の状態に戻ります。これをホメオスタシスと言います。もともと人間に備わっている自然治癒力のことですね。

ですが、強い力でずーっと押さえ続けると、あるところでボールが元に戻らなくなってしまいます。この状態を「慢性ストレス」といい、こうなると厄介なんです。

生理学的に説明すると、ストレス緩和ホルモンであるコルチゾールが出っぱなしになってる状態です。しばらくすると制御不能となり、体に異変が生じるようになります。


これが、私たちが生まれてからずっと聞いてきた「ストレス」です。しかし、セリエ博士は、そういった徴候はあくまでストレスの断片的な部分に過ぎず、その本質は体の防御反応であると言っています。

では、そもそもなぜストレスが起こるのでしょうか?


ストレスが存在する本当の理由とは?

前章でストレスが発生すると、自然治癒力のホメオスタシスが働くと書きました。するとインスリンが分泌され、ストレスが緩和されていきます。

つまり、よほど強いストレスでなかったり、一時的なストレスである限りは、ホメオスタシスの力で元の状態に戻るようになっていると言うことです。


では、なぜストレスを感じるのかわかりますか?

これは先に言ったとおり、「自分の体を守る」ためです。人間はストレスを感じることで、自分を守ります。

たとえば、不安を感じるから、それが信号として発信されストレスになる。もしストレスがなければ、それが不安だとわからずに危険な方向に進んでしまうでしょう。

また、恐怖を感じた時にストレス信号が発信されなければ、恐怖心が沸かないので、ロープ無しでバンジージャンプができたり、野生のライオンをなでなでしに行くかも知れません。

怪我で出血してるのに、痛いという不快感情がストレスとして発信されなければ、そのまま治療もせずに行動し続けるかも知れません。傷跡からばい菌が入り放題になります。


正直、大変危険な状態です 。
その先どうなるかも わかると思います。セリエ博士は、こんな言葉を残しました。

"ストレスというものが存在しなければ、人間は滅んでいただろう。ストレスが私たちを殺すことはありません。それは、私たちのただの反応なのです。"

また、こんな言葉も残しています。

"すべてのストレスは、私たちに傷跡を残していきます。でもそれは、同じようなストレスに襲われた時に、今度は私たちを守ってくれるのです。"

だから私たち人間は、苦難を乗り越えて、立ち直ることが出来ます。そんなふうに出来てるんです。

最初は薄いバリアーかも知れません。しかし、何度も同じストレスを受けることで、バリアーが少しずつ厚くなっていき、感覚が慣れていきます。

最初は冷や汗がでるほど大変なことだと思っていたのに、何度か繰り返すうちに「あれ、大したことないな」と感じた経験はありませんか?


そうです。このように、人間は生まれつき素晴らしい力を持っているんです。

ではなぜ、こんな素晴らしい力が私たちに教えられなかったのか、次の章で一緒に見ていきましょう。

タバコ産業がストレスという言葉を広めた

ハンス・セリエ博士はオーストリア出身ですが、1931年にはロックフェラー財団の資金提供を受けるためにカナダ国籍を取得し、米国ジョン・ホプキンス大学へ移っています。

そして、ストレスを研究し、「ストレス学説」を発表したわけです。ですが、「ストレス」という言葉を広めたのはセリエ博士自身ではありませんでした。以外ですが、米国タバコ産業です。


なぜタバコ産業は「ストレス」という言葉を必要としたのか?

ちょうどその頃、世間ではタバコの健康被害が問題視されるようになっていました。そこへ飛び込んできたのが、ストレスという言葉です。この言葉は、タバコ産業側にすると、とても都合のいいものでした。

本来、セリエ博士の理論は「ストレスは体の内的な平衡状態を乱し、その結果多種多様な病気を生み出す」というものです。  ただ、タバコ産業がこの言葉をうまく利用したことで、人はタバコを吸うとストレスが解消されると錯覚させられたわけです。

セリエ博士も最初は乗り気でなかったようですが、そのうち資金提供も受けるようになり、広告にも登場し、最後にはフィリップ・モリス社が開催した国際会議にも協力したようです。

こうして、タバコの歪んだ正当性と同時に、「ストレス」という言葉も体に害を及ぼすものとして世に広がっていきました。おそらく後になってセリエ博士も悔やんだんじゃないでしょうか。唯一の汚点です。

補足しておきますが、タバコは決してストレスを解消しません。ここは勘違いしないで下さいね。タバコを吸うと、瞬間的にニコチン欠乏によるイライラが解消されたように感じるので、それをストレスが解消されたと勘違いしてるだけです。

もう一度言います。ニコチン欠乏によるイライラが、一時的に解消されたに過ぎないのが喫煙です。

尚、後からストレスのメリット部分がセリエ博士から公表されましたが、その時はデメリット情報が世を埋め尽くしていたので浸透することはありませんでした。


最後に

どうでしょうか?
ストレスにはメリットもデメリットも、両方あるということがわかって頂けたでしょうか。

確かにストレスにはデメリットもあります。しかし、隠されていたメリット部分を知ることでストレスのイメージは大きく変わります。

一見厄介者と思われがちなんですが、人間が生きていくためにストレスは必要な存在なんですね。問題は慢性化させないことです。それさえわかれば、ストレスはどうとでもなります。


さて次は、ストレスの種類について学習していきましょう。ストレスを分類することで、普段自分がどんなストレスを多く感じているのか、理解できるようになります。


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