見出し画像

風と潮騒の香りが呼ぶ方へ

気がついたら7月も終わって、本気の夏がやってきていた最近。
半年って、長いようであっという間だなと、毎年しみじみ感じるこの時期。
晴れた日の遠くの雲の輪郭が、はっきりしていて綺麗だ。

基本的に暑いのが苦手なので、大学も留学も北上することが多い。
けれど、そんな旅行にもいけないので、せめてもで、海へ行きたいとぎゃーぎゃー喚いていた昨今。
海行って泳ぎたいけれど、水着がないんだけどね(ぇ

そんなわけで、所用があって、チーバくんの背面が海岸、大原海岸へ行ってきた。

当初は海に行く予定はなく、ランチ後に鴨川シーワールドへ行く予定だったのだけれど、ランチ中にネットで調べてみたら、なんと日にち指定のチケットを事前購入していないと入場できない疑惑が浮上。
ペンギンを見れるし、ペンギングッズを帰るとわくわくしていた連れは、玉砕の果ての意気消沈。
予定が白紙になった午後は、ランチ場所から近かった大原海岸へ行くことになったのだ。

画像1

関東の海というと、わたしの中ではきったない東京湾のイメージしかない。
恐らくそれは、海がない県、そう埼玉県出身だからなのかもしれない。
翔んで埼玉内で、悲願の海とか言っていたけれど、そんな立地だからかなり笑えた。

外房の海はとても綺麗だった。
大原海岸は思いの外波があり、テトラポットの群れの間をサーファーが陣取って波に乗っていた。
その近くで普通に遊泳している人達もいたので、なかなかに危ない構図だなとは思ったけれども。

海といえば、冬の秋田の唸るような風がふきっさらす日本海以来だった。

学生時代、先輩に車を出してもらって、雪はまだ降ってはいないけれど、夜はめっきり冷え始めていた11月あたりの夜に、海へ連れて行ってもらった。
真っ暗闇の中、ごうごうと風が出せる音ではないような音を立てながら、海から冷たい冷気が吹き遊び、欠けた月が真っ黒く揺れる海上に弱々しく光を投げていた。

寒くて歯がガチガチなっていたのに、冬の夜の日本海は、どうも魅力的だった。

そんな海以来の海。
やっぱり海辺は風が強くて、日差しが強かったけれど、思いの外暑さを感じなかった。
足だけ浸かってばしゃばしゃしていたら、やっぱり海に入りたくなった。

水に浮かんで、そのまま流されて、どこかへ行けたならいいのにと、夏場はよく思う。

画像2

おしまい

頂いたサポートは、note記事へ反映させます! そしてそのサポートから、誰かとの輪が繋がり広がりますように...