珈琲の世界史 【読書メモ】

この本の魅力は、身近な題材からスケール感のある話へ飛躍できることです。

ブルーボトルコーヒー(コーヒーチェーン)の由来になった「オーストリアVSトルコ帝国の戦いでの伝説」など、ちょっとしたエンタメな歴史話として楽しいものの1つだと思います。

夏のアイスコーヒーでは「水だし(滴下式)」が美味しいですが、この方法は「メイド・イン・ジャパン」で日本からアメリカに広まった方法だったことは初めて知りました。コーヒーというとアメリカ的なイメージがありますが、文化の相互交流が起きているのは珈琲の世界でもそうなようです。

無駄に細かい情報がたくさんあると楽しさを感じる人向けの本です。「入れ方のコツ」みたいな実用本位な話は他の本をあたってください。

(このノートは、紙でメモしたものを共有用にテキストで起こしたものとなります。本文の中身は最後まで無料ですが、元画像は有料公開となります。)


(このシリーズでは「クリエイターは見開きノートに読書結果を図解せよ」を実践中です)



※今回の読書メモ紹介対象の本
珈琲の世界史
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※紙でメモした図を共有用にテキストに起こしたものとなります。本文の中身は最後まで無料ですが、元の紙の画像は後日に有料公開予定です。




A.矢印(フロー)を書き出す

矢印1
エチオピア(原産)→ イエメン(モカ) →地中海
矢印2
トルコ→オーストリア トルコ→フランス
矢印3
イギリス→ヨーロッパ大陸→インドネシア
矢印4
ヨーロッパ→南北アメリカ大陸(ブラジルなど)
矢印5
政府の規制→代用品が生まれる 
矢印6
300/50万人 → 1800/60万人 (パリ18世紀のカフェの数)
矢印7
山中で見つける→広まる  (起源伝説 )
矢印8
持ち出し禁止の品→盗まれて世界に広がる (お宝を盗む英雄)
矢印9
カフェに入る→世俗の身分差がなくなる
矢印10
似た店が増えすぎて飽きられる→味で差別化する店が現れる
矢印11
コーヒーが疫病で全滅→リプトンが紅茶を栽培しだす (セイロン島)
矢印12
売れなくて困ったら→ライフスタイル提案 (「コーヒーブレイク」はマーケティングから生まれた言葉)




B.対比(比較)を書き出す

対比1
対話や交流の場としてのコーヒーハウス
美味しい飲み物を楽しむためのカフェ

対比2
グループ時間
1人時間

対比3
代用コーヒー
本物のコーヒー

対比4
生産国
購入国

対比5
スーフィーとコーヒー
禅とお茶

対比6
高級な貴族のコーヒー
勤勉な労働者のコーヒー

対比7
仲介会社経由
生産者直接買い付け

対比8
おうちカフェ派のドイツ
外カフェ派の英仏

対比9
輸入物に価値がある
自国風に価値がある

対比10
眠気覚まし
味を楽しむ

対比11
カフェインは健康にいい
カフェインは健康に悪い




C.インパクトがあったことにコメント

※矢印5
プロイセンで政治的な規制で「コーヒーが飲めない」時代があり、そこで代用コーヒーが発明されたそうです。現代日本だと、税制のせいで第三のビールが生まれたみたいな話です。

マルクスによると「ナポレオンの帝国が崩壊した理由の1つは、コーヒー」だったとか。大陸封鎖令でイギリスとの貿易を禁止したらコーヒーと砂糖の輸入ルートがたたれ、ヨーロッパ全土で大ブーイングだったらしいです。

確かに、悪い政治のせいで「コーヒー紅茶お茶がなくなった」がおきたら、不支持の声は強い感情と共に広がりそうです。

世界史の授業でこういうエピソード入れてくれると分かりやすかったかも、と思いました。ボストン茶会事件とか「嗜好品への規制」がキッカケで起きた事件って他にもありますし。タバコ規制もやりすぎると、内乱のキッカケになるかもしれません。

※矢印12
コーヒーブレイク(英語)が、珈琲を売る側のマーケティングから生まれた言葉という話も興味深かったです。平賀源内の「土用丑の日(うなぎの販促)」やエジソンの「1日3食(トースターの販促)」と一緒で、いつの時代もセールス側からはじまるライフスタイル提案はあるもののようです。

※対比1
酒場も「語り合う場所」としての酒場と「お酒そのものを楽しむ場」としての酒場がある。珈琲(コーヒー)のお店は「対話の場所を提供する」が最初で「コーヒーそのものを楽しむ」店ができるのは後というのが興味深かった。

初期のコーヒーは、キャンプファイヤーの焚火(たきび)であって、料理ではなかったということ。

1人になれる場所としてのカフェと、みんなとつながる場所としてのカフェの違い。スタバは「気軽に1人になれる作業部屋」みたいな要素が入ったのが新しかった気がします。

※対比5
スーフィーというイスラム神秘主義の宗派でコーヒーが活用されたという紹介があったことから、日本仏教とお茶という話を思い出しました。(お茶を飲む習慣を日本に持ち込んだのは栄西という鎌倉時代の僧侶と言われています。)

お茶やコーヒーに含まれるカフェインには「覚醒効果」があるので宗教的修行との相性はよかったのかもしれません。霊薬みたいなところから入ってきて、みんなの嗜好品に変っていくという流れが似ていると感じました。




D.拾ったキーワードリスト

モカ
サビ病
モノカルチャーの害 
新種
ブルーマウンテン
フェアトレード
カフェー・純喫茶
差別化
居場所
山羊飼いカルディ (珈琲の起源伝説)
青い瓶の下の店 (ブルーボトルの元ネタ)
第一次、第二次、ウィーン包囲
大国トルコVS小国フランス
正しくても無視される専門家の意見
植物の病気
生産者組合
ネガティブキャンペーン

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