止まない雨はない、でもまた雨は降る。
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「寝ている間に夢を見てないってことは、ぐっすり眠れてる証拠」
よく母親に言われた言葉である。
普段あまり夢を見ない私は、夢を見た時はだいたい覚えている。そしてそれらの夢はあまりいい夢ではなかった。
「夢だったのか、よかった〜」心臓の心音が若干早いのを感じながら朝方の四時とか、五時とかに目を覚ます。その日の夢は、母親が誰かに連れ去られる夢だった。
夢の中で音は存在しなかった。まるで無声映画のような、ただ確実に自分もその映画の中にいるような感覚で。母親が連れ去られ