オンライン取材中の写真どうしてる? うまいことやってる事例4選
コロナ禍以降、会議ツールを使いオンライン環境でのメディア取材に立ち会うことが多くなりました。しかし、オンラインで何とかインタビューは出来ても、記事の中に使う写真はオンラインで手配しにくい…というのが最近の悩みです。
プロフィール写真で代用しようにも、クライアントによっては用意が無いという方もいるし、逆に、予め用意された宣材っぽいプロフィール写真では、取材をしたリアリティが損なわれるので使いたくない、というメディアもいます。広報担当者としてはクライアントやメディアによって違う様々なニーズに応えられるよう、対応策を考えておかなくてはいけないところです…。
巷で目にする大抵の記事が、取材中の会議ツール画面キャプチャを使うという手法でこの状況を乗り越えているのをよく目にします。しかし一方、独自のアイディアで取材写真を用意し記事の掲載に繋げている、逞しすぎる事例をいくつか発見しました。というわけで、今回はぜひ私たちも参考にしたいと思う斬新な取材画像手法を、勝手ながら厳選し、まとめてみようと思います。
①画面越しの話者をモニターごといい感じに撮る
まず、会議中のモニターそのものを撮影するというパターンがこちら。色んな角度からモニターを撮影してるだけなのに、よく見る画面キャプチャとは違った印象で、なぜだかいい感じ。これならすぐ実践できそう!
先ほどと類似する事例ですが、こちらの写真はどことなく質感が感じられて素敵です。コップや、さりげなく開かれたノート、そしてそっと置かれたペン、極めつけに、手前には素敵なステイホームを彷彿とさせる純白のカーテン…。あらゆるギミックが効いていて、よく見れば見るほど、実は結構ハードルが高そうです。デスク周辺の印象が写真の良し悪しを決めてしまうから、撮影者はカメラの腕だけでなく、デスク周りの演出に自信のある人物に任せる必要がありそうです。
これはぜひ実践してみたい、と言うことで筆者も早速自宅で再現した例がこちらです(笑)。
この時のモニター内の話者のポーズはやはり「ろくろポーズ」が良いですね。今回は完全に自作自演ですが、熱く語っている感じになりました。なお、撮影とレタッチは全てiPhone11 Proで行ったので、テーブルのセッティングとあわせて、所要時間は約10分でした。
②元々あった素材をオリジナルイラスト風に加工する
手元に用意のあったプロフィール写真を絵画風に加工している例がこちらのBiz/zineさんの事例。写真を加工しているだけで、統一感がありオリジナルな表現になっています。
これはぜひ真似してみたい!と思い、勝手に筆者とこのnoteの編集長の写真をPhotoshopで加工してみたものが下の画像です。「フィルターギャラリー」という機能を使うと、なんとなく同じようなものが簡単にできることが分かりました。明るさや背景調整などをし、作成に掛かった所要時間は5分くらい!
どことなく「梨泰院クラス」のオープニング映像を想像してしまうのは私だけでしょうか。いつかどこかで激しい絵画風の梨泰院バージョンに寄せた表現にもぜひ挑戦してみたいです。
③相手側をうまいことディレクションする
こちらはイラストレーター・パントビスコさんのインスタグラムで見つけた、とある日の投稿です。オンライン取材後、記者がパントビスコさんに向け送ったLINEメッセージだそう。
ぜひ1枚目をスワイプして、2枚目の写真を見てください。自撮りなのに、さりげなく?熱い感じに撮れている……!記者の「騙されたと思って、私の言う通りにしたら大丈夫です…」という謎の言い回しも秀逸です。
画像提供:株式会社 On'yomi
こちらは先ほどの発展型とも言えそうな事例。PR会社のOn'yomi(オンヨミ)さんが、メディア取材で実践している手法です。まず、あらかじめ用意したメニュー表を使い、「目線有り/無し」あるいは「正面/横顔」の中から、記者と必要な写真のカット数とアングルの擦り合わせをします。次に、取材対象者の自宅に撮影スタンドを郵送することで、取材対象者が自ら撮影することが可能になる、というもの。メニュー表があることで、完成品のイメージの擦り合わせができるため、お互いの期待値コントロールができるという点も肝です。
④会議ツールを使った自撮りスキルはここまで進化した
ステイホーム中に会議ツールを使った自撮りがついに芸術の域に達してしまった例がこちらです。知らないうちに「zoomグラフィー」という言葉が誕生している。取材対象者にこのクオリティを求めるのは、なかなか相手を選びますが……こだわり派の方はぜひ、時代を映し出したオリジナル表現に挑戦してみてはいかがでしょう。
この手法を応用した取材事例を見つけました。こちらの記事に使われている写真は全て、プロのカメラマンが会議ツール越しに遠隔で指示を入れながら、でんぱ組.incの古川未鈴さんご本人が部屋の中でカメラセッティングを変えながら自分で撮影をしているそうです。カーテンの掛かった窓際に寝そべり頭上から撮影したカットなど、普段あまり見たことない写真が多く、新しさを感じますよね。
まとめ
取材と言えば対面、とは必ずしも言いきれない状況になりました。遠くに暮らす人にも取材がしやすくなり、悪いことばかりではないと思っています。制限された環境で花ひらくアイデアの数々も、楽しいですよね。いろいろな人が逞しく工夫を凝らしていることがわかりました。個人的にはオンヨミさんが実践しているメニュー表と自撮りツールの活用は、広報担当者が始めやすい方法だと思いました。メディアにも「お、この企業は気が利いているな」と前向きな印象を与えられるはずです。我々もぜひ実践してみたいと思いました!
(文:Story Design house 田邊都)
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