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フランスベッドを家に迎えるまでの3か月間の話

こんな話を聞いたことがある。
"人生の1/3は睡眠時間。90年の人生ならベッドで過ごすのは27年。"

社会人になってから、ずいぶん長いこと、いわゆる「煎餅布団」で寝ていた。よく私の重みだの汗だのなんだのを我慢してくれたと思う。非常にありがたい。

だが、煎餅布団のコンディションが限界を迎え、悲鳴を上げているのが聞こえた。いよいよ潮時か。寝具の新調を検討しなければ。

その頃、私たち夫婦は眺めがとても良い場所に住んでいた。社宅として借りた部屋からは、東京ディズニーランドや房総半島あたりを眺めることができた。せっかくなので、窓の外の景色を眺められる、背の高いベッドを買ってみようかという話になった。

この記事では、ベッドを選ぶ3か月について、お話してみたいと思う。ここでの体験談や感想は、あくまで個人的なものであり、このメーカーが良い、あのメーカーが悪いといった話ではないことをあらかじめお伝えしておきたい。

まずは、ベッド界隈の情報を収集

知らないことには始まらない。何年も布団で寝続けた私は、ベッド界隈の情報に疎かった。「シモンズベッド」ぐらいは知っている。ニトリがベッドを販売していることも知っている。でもそれぐらいだ。主にインターネットを利用し、さまざまなベッドの情報を調査した。

世間には、シモンズベッドやニトリの他に、「サータ」、「シーリー」、「日本ベッド」、「フランスベッド」、「テンピュール」、「マニフレックス」、「エマ・スリープ」、「コアラマットレス」などたくさんのマットレスのメーカーがあり、それぞれに特徴や強みがあることが分かった。購入者の口コミも漏れなくチェックした。

実際に寝転がりに行ってみる

これこそがベッド選びで最も大事な工程だと思う。私たちも、実際にこの工程に3か月弱ほど費やすことになる。

近所のニトリへ

事前に集めたベッドの資料を握りしめ、近所のニトリを訪れた。たくさんのベッドがずらりと並んでいる。気になるベッドをピックアップしておいたので、それらを一つずつ試して回った。

あいにく、ニトリのベッドでは、車酔いをしたような感じになってしまった。私だけなのかと思ったが、夫もベッドで車酔いをしていた。隣にいたカップルは、ベッドを試した後「これに決めよう」と即決していたので、やはり相性がモノを言うんだなと思った。

東京ドームの家具展示会へ

日を改めて、東京ドームで開催される家具展示会に足を運んだ。この展示会では、ベッドだけでなく、テーブルやソファ、棚などさまざまな家具がディスプレイされており、大勢の人々でにぎわっていた。

ベッドコーナーに行くと、「シモンズベッド」、「サータ」、「シーリー」、「日本ベッド」、「フランスベッド」などが展示されており、寝転がって回らせてもらった。

中でも私たち夫婦が特に気に入ったのは「サータ」と「フランスベッド」のマットレスだった。

この二つのマットレス、中の構造がまったく異なっており、寝転がった感じも完全に別物なのだが、それぞれに良さがある。言うなれば、「サータ」はブレがなく絶対的安心感のある「白鵬」、「フランスベッド」は甘く、柔らかく、優しく包み込んでくれる「琴欧州」だ。

結局、その日には決めきることができず、クタクタになって帰宅することとなった。

後日、ショールームを複数回訪問

白鵬にするか、琴欧州にするか。時間をかけて悩んだが、私も夫も「琴欧州(フランスベッド)」に気持ちが傾きつつあった。その優しく柔らかい寝心地をもう一度確かめるため、今度は赤坂にあるショールームを訪れた。

お目当てのベッドに横になった途端、ストンと眠りに落ちてしまいそうだった。極上の寝心地だ。これにしよう。ブルガリアの愛に包まれて毎日眠ろう。

帰宅後、インターネットで注文を入れようとしたが、合計額がとんでもない額となっており、大きな買い物をするのだということを改めて思い知った。

注文ボタンを押す前に「本当に大丈夫?本当にいい?」と夫婦で話し合い、最後の最後にもう一度だけ寝心地をしに行こう、という話に。

翌週、再び赤坂のショールームを訪れた。前回同様、ベッドに横たわると一瞬で寝てしまいそうになる。このうえなく、柔らかく、優しい寝心地だ。これしかない。これに決めた。二言はない。

ショールームでのフェアを有効活用し、お得に購入

この日、ショールームでは、たまたま近くの家具屋さん(?)によるフェアが行なわれていた。営業さんが「定価よりもお安くしますよ」とアツい。

その場でお見積もりを出してもらったのだが、サイズをキング(シングルマットレス×2)にしたいこと、ベッドシーツや敷パッドなども一緒に買いたいことを伝えると、インターネットでの注文額よりも、ずいぶん安い金額を提示してもらえた。

なんということだ。今日ここで決める以外の選択肢がない。思ったよりも安く購入することができ、御の字である。購入の契約を交わし、二人でニコニコしながら家に帰った。

ベッドが我が家にやって来る

10日ほどして、ベッドが我が家にやって来た。二つのシングルサイズのマットレスと敷パッドやベッドシーツが運び込まれてきた。とても丁寧に運んでいただき、設置までしてくれた。ディズニーランドのシンデレラ城を眺めながら、琴欧州に抱かれて眠る日々が始まる。バラ色だ。

ベッドは、きちんと手入れをして使用すれば20年ほど使えることもあるのだという。モノグサな性格だが、こまめにケアをしていきたいと思う。

これまでお世話になった煎餅布団は、そのまま引き取ってもらえることになった。長い間、世話になったね。必ずまたどこかで、別の形で会える気がするよ。

さいごに

ベッドを選ぶのに3か月費やすこととなったが、それくらい時間をかけて品定めして良かったと思う。睡眠は、毎日のことだし、とても高いお買い物なので、妥協するべきでないことを強くお伝えしたい。何より、こうして一生モノのベッドに会えたことで、人生が豊かになった気がする(買い替えるとしても、また同じフランスベッドにすると思う)。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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