短編小説 「この世界にごきげんよう」③
バスを降りて建物の前に四列に整列させられた。
「皆さん、ごきげんよう。」四十代くらいのドレスを着た女性の先生と見られる人が挨拶をしてきた。
わたしたち生徒はバラバラな挨拶をした。
「わたしはこの養成所の教師を務める、アリータと申します。以後わたしの事は先生と呼んでください。」
「あなたたち女性は美しい人になる為に、この養成所で美を学んでもらいます。美を学び、最終試験に合格すれば、晴れて美しい人として街を歩く事ができます。」
「あなたたちはまだ養成所の生徒ではありません。これから一週間この養成所のルールを学んでもらいます。それが終われば養成所の生徒して美を学んでもらいます。以上です。質問は受け付けません。」
「では、一週間生活する建物に案内します。付いてきてください。」
わたしはこの目の前にある大きな城で過ごすのかと思ったが一週間は違う建物で過ごすみたいだ。
移動する際に城の周りを見ると、とても綺麗な薔薇がそこら中に植えられている、街と同様で棘はすべて刈られている。
城の窓を見ていると生徒らしき人たちが時折窓際からわたしたちを見ている。
三分ほど歩くと建物が見えてきた、木造の建物が四棟並んでる。
「皆さん、ここで止まって先程と同じように一列十五人、四列に整列してください。時間はありません急いで整列してください。」
「整列が済みましたね。では説明します。目の前にある四棟の建物があなたたち生徒準備生、総勢六十名が一週間過ごす建物になります。」
「詳しい説明は中でします。前ニ列の準備生は一番右の赤い薔薇模様が描かれた建物に移動してください。後二列の準備生は一番左の紫の薔薇模様が描かれた建物に移動してください。」
わたしは三列目にいたから紫の薔薇模様の建物になった。
建物中はどうなっているのだろうか、わたしは興味が湧いてきた。
続く。
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