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短編小説 「アメリカンドッグ」


私、ユイカ。仕事を終え、深夜の街を歩いている。ふと、無性にアメリカンドッグが食べたくなった。コンビニに寄ればいい、簡単なこと。そう思って、近くのコンビニに足を運んだ。

だけど、レジ前の揚げ物ショーケースを見たら、なんと空っぽ。アメリカンドッグの姿はどこにもない。食べられないとなると、なぜかさらに食べたくなるもの。私は諦めきれず、別のコンビニへ。

しかし、そこにもアメリカンドッグはない。さらに別のコンビニへ。でも、やっぱりない。私のアメリカンドッグへの思いは、深夜の街を彷徨う冒険へと変わっていった。もはや、アメリカンドッグを見つけることは、伝説の宝探しのよう。

「こんなに探しても見つからないなんて、アメリカンドッグって、幻の食べ物だったのかも…」ほぼ諦めかけたその時、遠くのコンビニに灯る光が目に入った。

「あと一軒だけ!」私は足を速める。

そのコンビニに着くと、ドアを開け、すぐに揚げ物ショーケースへ直行。そこには…まさかのアメリカンドッグの姿が!私の目は輝き、心は躍った。まるで宝物を見つけた冒険家のよう。

レジでアメリカンドッグを手にした時、私は小さくガッツポーズ。店員さんも私の喜びを察してか、微笑んでくれた。まるで深夜の街が私の勝利を祝福しているよう。

家に戻り、待ちに待ったアメリカンドッグをひとくちかじると、その味は格別。深夜の冷えた空気、歩き疲れた足、そして何店舗ものコンビニを巡った冒険。すべてがこの一口に詰まっているようだった。

私の深夜のアメリカンドッグ探求は、無事に幕を閉じた。この経験を通じて、何か大切なことを学んだ気がする。それは、どんな小さな願いでも、追い続ければいつか叶うということ。

そしてもちろん、アメリカンドッグの美味しさも!




時間を割いてくれて、ありがとうございました。
月へ行きます。

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