見出し画像

短編小説 「三匹のブタ」


オオカミコーポレーションは、都会の中心にそびえ立つ高層ビルの中にありました。朝から夜遅くまで働く社員たちが行き交う中で、三匹のブタ、ポー、ピー、パーはこの会社で働いていました。創業者で上司のオオカミは、パワハラが日常茶飯事のブラック上司として恐れられていました。


毎朝、オオカミはオフィスに入ると同時に怒鳴り声を上げ、社員たちを震え上がらせました。「もっと効率を上げろ!そんな仕事の仕方では会社が潰れてしまうぞ!」と、オオカミの声はエコーしてビルの中に響き渡りました。

ポー、ピー、パーは、それぞれ違う部署で働いていましたが、毎日のようにオオカミの怒鳴り声を聞かされていました。ある日、オフィスの休憩室で三匹のブタたちは話し合いました。

「このままじゃ、僕たちが潰れちゃうよ」と、ポーが言いました。

「そうだね。もう限界だ」と、ピーがうなずきました。

「何か手を打たないと」と、パーが決意を固めました。

三匹はオオカミに対する復讐計画を練り始めました。最初に考えたのは、オオカミの悪行を社内外に暴露することでした。しかし、それだけではオオカミの追放には不十分だと考えました。そこで、もっと効果的な手段を探ることにしました。

ある夜、三匹は密かに集まり、オオカミのオフィスに忍び込みました。オフィスは暗く、静寂に包まれていましたが、三匹のブタたちの心には希望が灯っていました。

「ここに証拠があるはずだ」と、ポーが言い、ピーとパーも慎重にオフィスを探し始めました。やがて、オオカミが隠していた機密書類を発見しました。それはオオカミが会社の資産を私的に流用していた証拠でした。

「これを公にすれば、オオカミは追放されるに違いない」と、ピーが言いました。

「よし、やってみよう」と、パーが決意を新たにしました。

翌日、三匹のブタたちはその証拠を持って、社内の監査委員会に提出しました。社内は大騒ぎになり、すぐに調査が始まりました。オオカミの不正行為が明るみに出ると、社員たちはオオカミに対して怒りの声を上げました。

「オオカミはもうここにはいられない!」と、社員たちは口々に叫びました。

ついに、オオカミは会社を追放されました。社員たちは歓喜し、ブタたちの勇気に感謝しました。オオカミが去った後、ポー、ピー、パーは新たな共同経営者としてオオカミコーポレーションを引き継ぎました。

「これからはみんなが幸せに働ける会社にしよう」と、ポーが言いました。

「そうだね。僕たちが協力して、もっと良い会社にしよう」と、ピーが賛同しました。

「みんなで力を合わせれば、どんな困難も乗り越えられるさ」と、パーが笑顔で言いました。

三匹のブタたちが経営する新しいオオカミコーポレーションは、社員たちにとって夢のような職場になりました。彼らは仲間たちと共に、明るい未来を築いていくことを誓いました。

そして、三匹のブタたちは、お互いを支え合いながら、日々の仕事に励んでいきました。




時間を割いてくれてありがとうございました。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?