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【英訳】侏儒の言葉1:侏儒の言葉の序

本稿は芥川龍之介『侏儒の言葉』を英訳してみようという、連続企画です。もともと日本文学の作品を英語やドイツ語などの外国語で読みなおすのが好きだったのですが、芥川龍之介でいちばんお気に入りのこの作品には翻訳が見当たらなかったのがこの企画を思い立ったきっかけです。
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<Words from A Nobody>
by Ryunosuke AKUTAGAWA

Foreword to "Words from A Nobody"
"Words from A Nobody" is not necessarily a work that conveys my own thoughts to the reader, but it only hints changes sometimes that take place within my philosophy. It is more like a vine than a blade of grass - what is more, from that plant might grow so many vines.

「侏儒の言葉」の序
 「侏儒の言葉」は必ずしもわたしの思想を伝えるものではない。ただわたしの思想の変化を時々窺わせるのに過ぎぬものである。一本の草よりも一すじの蔓草 ― しかもその蔓草は幾すじも蔓を伸ばしているかもしれない。

夜な夜な文字の海に漕ぎ出すための船賃に活用させていただきます。そしてきっと船旅で得たものを、またここにご披露いたしましょう。