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ひっそりとした部屋に、ふと梅が香る

書き留めておきたいことは山ほどあるのだが、優先事項が多くて間が空いてしまった。

このごろは普通でないことばかりだったが、気がつくと、いつもと変わらず梅の季節はやってきていた。

そんな自然や季節の巡りの、揺るぎなさにはほんとうに安心する。

梅が好きだ。
好きで好きでしかたない。
毎年梅仕事をしているけれど、毎年飽きもせずうっとりしている。
なんといってもこの香り、このかたち、色、触感、すべて好きで、
またそれが絶対続くことのない、ああ終わってしまう、とどめられない、とどこか焦るような、そういった刹那な感じも、魅力をいっそう際立たせている。

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ああ美しい。
なんてきれいなんだろう。
泣きたいくらいきれいだ。


今、いもうとが完全にいやいや期だ。
なかなかに手を焼いているけれど、昨日はなにかコツを掴んだような気もした。

コツというよりも当たり前のことで、どんな育児系の文章にも書いてあるし、そんなこと誰でもわかっていることかもしれないが、大事なのは「無理やりさせない」「無理やり止めない」ことだと改めて実感しているこのごろ。
シンプルに、尊重する、ということ。

振り返ると、できていなかったのは自分だ。
彼女は、至極当然のこととして、尊重してと主張しているだけなのだった。
いまになって気が付いて。ふたりめにして。
あねには、当時自分がそのことをじゅうぶんに理解して接することができなかった気がしていて、申し訳ない気持ちになる。ごめんね。


いろいろと書きたいことはあるけれど、こどもたちが寝ているうちに済ませなきゃいけない仕事が溜まっている。

窓の外にはまだ明けきらない空、夜の空気をいくらかまとったひっそりとした部屋に、また、ふと梅が香る。
微量な微量な空気の揺らぎがそれをわたしに届けるのか、いったいどうしてこう唐突に、ふとたまらなく甘く香るのか、この心地よさをどう表そうか。

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そうそう、先日、庭の木にヒヨドリが巣を作っているのを見つけて、興奮している日々。
ちょうど2階のリビングの出窓のすぐ向こうで、巣ができていく様子が見える。
家に鳥が巣を作るなんて、夢みたい。
「ジェイミーのもうふ」みたいだ!

それに、水槽のグッピーにも赤ちゃんが12匹生まれた。


この季節はいいなあ。
いのちが動いている。
揺るぎないなあ。


窓の外の空が白んできた。

今日もこどもたちが起きてきたら、ちゃんと彼女たちを尊重できますように。

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