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商品と作品の違い

アーティストにとっては、この違いを明確にしておく必要があると思っていて、たまたま昨日この話題になったので備忘録的に書くことにします。

キングコングの西野亮廣さんが言っていたのですが、商品とはすでにニーズがあるところに球を投げることであり、作品というのは作者の思想や理念を具現化したものであると。
これはまったくそのとおりだと思います。

基本的にビジネスにしていくなら商品を提供していくことになりますが、作品は一般的には受け入れてもらえないことが多く、作者としては商業的に成功するのか、自分のこだわりを大切にしたいのかで悩むことも多いでしょう。

ただこれも選択するのは本人の自由です。
ニーズがあるものを提供してたくさんの人に喜んでもらうのか、自分の表現としてとことんこだわったものを作るのかは、どちらでもいいんです。
正解はありません。

ちなみに西野さんは作品にこだわりたいのですが、一つの作品で結果を出したことで次の作品に投資するというスタイルだと、その作品を受け入れてもらえなかった時に次の作品を作ることができなくなる。
それを避けるためにオンラインサロンやYouTubeなどなど、資金的に枯渇しないような策を取っているとのこと。

これも素晴らしい考え方だと思います。
ただそれは、「えんとつ町のプペル」のヒットがあったから言えることだと思うし、商品になるもの、ヒットしたと認めてもらえるもの、評価されるものを作ったからこそ到達できる境地だと思うんですね。

最初からこだわりばかりで、誰も見向いてくれない作品を作り続けていたとしたら、作品の内容云々ではなく、精神的に落ちていきますよね。
それでも認められるまで作り続ける猛者もいるかもですが、なかなかそこまで精神力が強い人は少ないでしょうね。

音楽も同じで、自分好みのある意味マニアックな作品を作って、他人の評価を気にしないというのもアリだし、わかりやすい商品を提供しヒットすることで、多くのファンを獲得するというのももちろんいいでしょう。

僕は個人的には後者の方の考え方なので、若い人たちにもそういう指導をしています。まずはたくさんのファンを獲得するということを経験した方が、その後の楽曲作りに幅を持たせることができるからです。
まぁ潰しが効くようになるってことですね。

商品としての楽曲を作ることが商業主義とは思わないし、こだわり抜いて作品を制作することもバカげたことではありません。
何度も言いますが、選択は作者に委ねられています。

そして今は発表するためのツールは揃っていますから、ネットにアップしながらその反応を見ることもできるのでありがたいですね。
リサーチやマーケティングができるってことですから。

アーティストとしては、こだわりの作品作りに徹するのか、ニーズに応える商品作りをしたいのか、自分なりにここをしっかり見極めることですね。

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