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音楽ビジネスの再構築

昨日はとてもお世話になっている音楽事務所の代表と長電話して、これからの音楽ビジネスについて話をしました。いい話がたくさんできたので、今日の記事は備忘録的に書いてみようかなと思います。

以前は録音された音源を売ることが音楽ビジネスの主軸でしたが、今や音源はプロモーションのツールにしかならなくなったことが、音楽ビジネスにおいて一番大きな変化です。
音楽業界はその変化のスピードに耐えきれず、ほとんど崩壊してしまいましたが、音楽はなくなるものではないし、それを制作し表現するミュージシャンもいなくなるわけではありません。

現在では、サブスプリクション(SpotifyやApple Musicなどの音楽配信サービス)などのシステムを作った会社は潤っていますが、レコードやCDの頃のように、作詞作曲者や演者に還元される金額はほんの僅かです。
聴き放題の何万曲の中の1曲に還元される金額が小さいのは、考えてみれば誰でもわかることですが、先に書いたように録音された音源を売る時代は完全に終わりました。

では音楽家はどうやって収入を得ればいいのか。
これはこれからの音楽ビジネスにおいて最も重要な課題です。
今までの仕組みが一旦終了してしまったのですから、今まではこうだったけど、これからはこうなりますよといった簡単なことではなくて、根本から考え方を変えなければならないのです。
その仕組みをゼロから構築しなければならないのです。

僕自身も今後の姿が明確に見えているわけではないのですが、世界的にカバーがブームになっていることから見ても、過去の楽曲の素晴らしさにスポットが当てられていることは確かです。
録音された音源を売ることが目的だったビジネスでは、常に新曲が求められ、売り上げ至上主義だったために、まるで消耗品のように楽曲が扱われることも多く、多くの作品が生まれ忘れ去られていきました。

もちろん新しい作品が生まれることは大歓迎ですが、できれば永く愛される楽曲として、大事に扱かって欲しいと個人的には思っています。
正直にいうと、次から次へと発表されて、消耗していくようなビジネスには興味がないのです。

録音した楽曲は売り物にならないということは、録音に経費をかけることも難しいので、ミュージシャンがスタジオに集まってレコーディングということも少なくなるだろうし、自宅作業でデータのやりとりで作品が出来上がるのも、何か味気ない感じがします。

今はまだ過渡期なので致し方ないことも多々ありますが、コロナでライブもできない今は、ミュージシャンにとって冬眠しているようなものです。
ただ、どんな時代でも新しいやり方を開発し、頭角を表してくる人たちはいるので、思いもよらない形で新しい音楽ビジネスが展開する可能性はありますし、またそう信じています。

とにかくこの時期は作品のストックをすることと、歌や演奏のレベルアップを図ること、音楽や映像のソフトを使いこなせるように、準備だけはしっかりやっておきましょう。
来るべき日のためにね。




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