技術と精神面の充実はどちらも重要

業種に関係なく、技術と精神面の両方が充実していなければならないのですが、今までは主に技術面にスポットが当てられ、メンタル的なこと、つまり内面のことは蔑ろにされてきました。

ずっと音楽業界で仕事をしてきて感じていたことは、技術的なことを指導する人はたくさんいましたが、音楽に対する姿勢や関わり方、歌や演奏でどうやって聴く人の心を射抜くのかというような、内面的なことを指導する人にはあまり出会ったことがありません。

才能には個人差があるし、それぞれの個性も違うので、その能力を引き出し引き上げていかなければなりませんが、それは技術だけでなく、生き方や音楽に対する姿勢、他人への気遣いや楽器の扱いなどなど、技術的なことだけではなく、一人の人間としてミュージシャンとしてどうあるべきかを明確にしていかなければなりません。

一流のミュージシャンというのは、とても高い技術を持っていることはもちろんのことですが、人間的にもとても素晴らしい人たちです。
その精神状態や人間性も音に現れるので、精神性の高さが癒しにもなるし自然と影響力も増すものです。

これからは特に人間性が求められる時代です。
有名だからとか権力がある立場だからとか、そういったことは評価の対象にはならず、精神性の高さが評価の基準になっていくでしょう。

スポーツ界でいえばメジャーリーグの大谷翔平選手のように、高い能力と技術と精神性を兼ね備えた人たちが、日本にたくさん生まれているはずなので、これから頭角を表してくるでしょう。

この人たちは新しい地球の住人として使命を持って生まれてきています。
今まで以上に子供たちから学ぶことが多くなってくるだろうし、その才能や素晴らしい人間性を潰してしまうような指導は避けなければなりません。

特に芸術方面で才能を発揮する人たちが増えてくると思うので、古い価値観の指導者のもとで能力を発揮できずに終わらないよう、指導者も精神的なことを深く学んでいく必要があります。
自分もそういう自覚を持って若い人たちの指導にあたっています。