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【Steve* クリエイティブ酒場】 第6回(後編)  クリエイティブカンパニーの務めは足し算ではなく、掛け算

日本のどこかにお酒を酌み交わしながら、腹を割って語り合える一夜限りの酒場があるーー。その名も「Steve*クリエイティブ酒場」。今宵もクリエイティブカンパニー「Steve* inc.」の代表取締役社長で唎酒師でもある太田伸志が、今語り合いたいクライアントをおもてなしする。

今回も第5回(前編)に引き続き、元ミュージシャンで、現在は株式会社髙木ビルの三代目社長を務める髙木秀邦さんをお迎えしています。

■プロフィール


今回のお客様:
TAKAGIグループ 代表/株式会社髙木ビル 代表取締役

髙木 秀邦(たかぎ ひでくに)

株式会社髙木ビル 代表取締役。早稲田大学商学部卒業後、プロミュージシャンとして活動。その後、信託銀行系大手不動産仲介会社で営業を務めた後、祖父が創業した株式会社髙木ビルに入社。2019年に前社長の父から受け継ぐ形で三代目社長に就任。「For “Stand by me.”」をテーマに、都内を中心に自社ビルやマンションの設計開発から管理運営までを手掛けており、日本の中小ビルの「新たな価値創生」へ事業を展開している。さらに2024年春、銀座に「SALON 91°」をグランドオープン。歴史ある街に多様性を創出することを目指している。

オーナー:
株式会社スティーブアスタリスク 代表取締役社長

太田 伸志(おおた しんじ)

株式会社スティーブアスタリスク代表取締役社長。宮城県出身。クリエイティブディレクターとして、広告企画や商品開発を多数手がけると同時に、大好きな地元、東北を中心にした地域ブランディングにも積極的に取り組む。また、武蔵野美術大学や東北学院大学の講師も歴任するなど、大学や研究機関との連携にも力を入れている。作家、唎酒師としても活動。『アニメ 大福くん』脚本執筆、Pen Online『日本酒男子のルール』連載、七十七銀行FLAG『大学で教えてくれないことは東北の居酒屋が答えをくれる』連載など。昨年5月には地元の宮城県丸森町と東京との2拠点生活を始めた。

◾️僕らは「クリエイティブをやってるんです」と言い続けたい


太田:髙木ビルのリブランディングでは、ロゴだけではなく、企業理念や事業の伝え方など言葉まわりの整理やWebサイトなど、さまざまなクリエイティブを任せていただきましたが、社内外からの反応はいかがでしたか?

髙木:社内としては、みんなが今まで以上に自分の会社のことを話すようになったね。僕としてはそこからさらに一歩、社員に自信が芽生えた感じがしてる。しっかりと自信を持って話すとお客様やビジネスパートナーにもそうした想いが伝わるんだよね。

太田:それはすごく嬉しいです。

髙木:社外だと、それまでも自分の想いを伝えてはきたけど、でもどこかでまとまりきらないままバタバタと伝えているような感覚があったんだよね。でも今は、Steve* inc.が一緒になって髙木ビルのフィロソフィーを言語化してくれて、自分の発する音に説得力が出たし、話している内容が伝わっているのが分かる。そして自分自身も「そうだ、こういうことのためにやるんだ!」といつでも戻ってこられる。これは本当に大きな変化だと思うよ。

太田:僕が髙木ビルのリブランディングで一番の肝だと思っていたのは、「BIRTH」をはじめとした、拡張し続けている新たな取り組みを、どのように体系立てて整理していくのかということだったんです。

髙木:そうだね。本当にその部分の整理は一番の肝だった。

太田:まず、ロゴでも表現した91°の人生を歩もうという根幹が見えて、「For “Stand by me.”」という、貸主ビルオーナーとしてだけではなく、ビジネスパートナーとして共に成長し、その喜びを分かち合うことを目指すという髙木ビルのフィロソフィーとストーリーコピーが完成。

髙木ビルのフィロソフィーを言葉として定義。
フィロソフィーを紐解いたストーリーコピーもセットで制作。

太田:そこから、じゃあ、その根幹の中で新規事業を担うBIRTHとはなんなのかとなった時に、挑戦している人が目的地へ向かうための中継拠点なのだろうと。ここから「BIRTH = THE LIFE TERMINAL」というキーワードに辿り着いた時が僕としては一つ大きな分岐点だったと思ってるんです。BIRTHという事業に関してもコピーやキービジュアル、Webサイトなどをつくらせていただいているうちに、TAKAGIグループ全体としてのイメージがつかめてきたような気がしたんです。

髙木:伸志の言うように、これまでは既存の不動産事業があって、次世代型出世ビルやBIRTHは新規事業を始めましたという扱いだったんだよね。これを明確に髙木グループの成長の両輪となるものとして、既存の不動産事業に「LIVE」という名前をつけてもらって、新規事業である「BIRTH」と合わせて「LIVE / BIRTH」という2軸に分けて位置付けてもらえたのは非常に重要だった。そして、これによって一番大きく変わったのが未来に向けた事業戦略。経営者の思い付きの新規事業が成長の車輪に変わったことで、会社が向かうべき未来から逆算して、何を今すべきなのかを中長期的な戦略として自然と考えられるようになったんだから。ただね、別にSteve* inc.にそこまでやってくれとは僕は言ってなかったと思うんだけれども(笑)。

太田:言われてないですね(笑)。

既存の不動産事業を「LIVE」として定義
虎の門髙木ビル建設中の資料写真
新規事業「BIRTH」の位置付けを「LIVE」と対を成す事業として定義
新規事業「BIRTH」のキービジュアル。人生の目的地へ向かうための中継拠点というイメージ。

髙木:でも、Steve* inc.が関わってくれたことでイメージが明確になって、我々としても新たな気付きがたくさんあった。「この先どうなりたい?」「そもそもどうなりたかった?」ということが今の事業と重なって、未来に向かう推進力が生まれた感じがしたんだよ。そう思った時に、よく「クリエイティブ=デザイン」みたいな考え方があると思うんだけど、僕は会社経営で言うクリエイティブは、未来へのロードマップを描く作業なんだと感じて。

太田:そうなんですよ。クリエイティブとは「創造的である」こと。経営者のみなさまに未来への広がりを膨らませていただくきっかけをつくりたい。だからこそ、僕らは「クリエイティブをやっているんです」と胸を張って言いたい、言い続けたいと思ってるんです。

◾️銀座を見渡せる屋上で言ってもらった「頼むわ」という一言


太田:5月には、Steve* inc.がクリエイティブ全般を担当させてもらった銀座の複合施設「SALON 91°」がグランドオープンとなりました。もうすでにサウナやレストランも話題となっていますが、この「SALON 91°」の始まりもすごくドラマチックでしたよね。今から1年ちょっと前の2022年の11月に「伸志、ちょっと話したいことがあるんだ」って虎の門髙木ビルに呼んでいただいて。

髙木:そうだね。

太田:なんだろうと思って行ったら、会議室の中央にビルの模型が置いてあって、髙木さんから「伸志、これどう思う?」って言われて(笑)。聞いたらまさかの銀座のビルの話で(笑)。

髙木:そうそう。

太田:「今は大枠の方向性ができてきた段階で、上部4階が木製のこういうビルを作ろうと思うんだけど、伸志、どう思う? って言われて、ヘルメットを被って……。

髙木:エレベーターで一番上まで行ってね。

太田:本当についさっき模型で見たビルの屋上の鉄骨のところに立って、「伸志、このビルでやるプロジェクトの名前とか、頼むわ」って。もう完全にドラマだった。

髙木:そうだね。夕方の銀座の屋上で、夕暮れを見ながら。

太田:髙木さんとしては、三代目として会社を継いで、ご自身のやりたいことも表現できるようになって、いよいよそれらを超えて勝負の時なのかなというのを側で感じて。だって銀座なんて不動産業としては、サッカーで言うところの欧州最高峰のチャンピオンズリーグみたいなものじゃないですか。

髙木:そう、銀座はまさに日本の不動産業界のチャンピオンズリーグだね。

太田:だから、あの銀座を見渡せる夕焼けの屋上で「頼むわ、伸志」って言ってもらった時は、「これは戦い甲斐があるな」とも思って嬉しかったんですよ。即答で「やります」って答えさせてもらって。その即答の中には、「これを断ったら人としてダメだ」という気持ちもありました。この時の想いについて、次は軽やかな味わいの日本酒を挟みつつ、お伺いしたいです。

髙木:それはありがたいね。

◾️自分の全てを詰め込むなら、最高の仲間と創るのが最高で当たり前


太田:これは、栃木県の仙禽っていう酒蔵とアパレルブランドのユナイテッドアローズがコラボレーションして作った「UA雪だるま」という日本酒なんですが、ユナイテッドアローズのスタッフの方が、蔵元と1年くらい向き合って丁寧に作られているんですよね。元々の「雪だるま」も年1回の新酒でしか飲めないシリーズですごく人気があるんです。おつまみは老舗「豆源麻布十番本店」のヨーグルト豆とチーズナッツをご用意しました。雪だるまの酸味と合うと思うんですよね。

髙木:なるほど。では、いただきます。……あっ! うまい!

太田:ありがとうございます。爽やかですね〜。では、フレッシュな気分になったところで、先ほどの質問に戻りたいんですが、髙木さんにとって銀座での勝負というのは、気持ちとしてこれまでとは違うものなんですか?

髙木:もちろんいつだって勝負ではあるんだけど、銀座にビルを持つっていうのは、特に古いビルオーナーからすると一つの夢なんだよね。去年の3月に亡くなったうちの親父も言ってたんだよ。「まさか生きているうちに銀座にビルを買えるとはな」って。親父も約40年間、髙木ビルで働いて、バブルをはじめとした日本経済の浮き沈みの中で「いつか銀座にビルを持ちたい」と思い続けてたけれど、なかなかチャンスはやってこなかった。だから銀座にビルを持つことは、二代目である親父の夢でもあったんだよね。

太田:そうですよね。

髙木:だから僕が「銀座のビルを買える」って話した時はすごく驚いてた。「どうやって買えたんだ?」みたいな話にもなったんだけど、これはもう完全に人のご縁でしかなくて。本当に売主さんと髙木ビルとの1対1の関係性と信頼で譲り受けることができた。これは奇跡的なことだと思うし、今となれば必然だったような気もしてる。僕が自己表現としてやってきたことや、Steve* inc.をはじめとした共感する仲間やパートナーのご縁が巡り巡って、銀座の地をお譲りいただくことができたんだと。

太田:なるほど。

髙木:じゃあ、そんな巡り合わせからお譲りいただいた地で何をするか、となったら、それはシンプルで、自分たちの持っている全てを最大限詰め込むのが普通だよね。だから、人からは「挑戦」みたいに言われるんだけど、僕としては当たり前ですごくノーマルな気持ちなの。

太田:それこそ本音ということですね。

髙木:そうそう。そして、自分たちが持っているもの全て詰め込むってなったら、僕のことを1番分かってくれている人に任せたいというのもすごく当たり前じゃない? だから、Steve* inc.に声をかけた。伸志としては「どうしてこのビッグチャレンジに声をかけてくれたんですか?」って思ったかもしれないけど、最高の仲間と作るのが最高で当たり前。もちろん当たり前のようにそうした仲間がいることは本当に幸せなことで、決して当たり前ではないんだけどね。

太田:すごく面白いですね。髙木さんにとってはチャレンジではなく自然な流れなんだ、と。

◾️SALON 91°の「本音で過ごそう、銀座で。」に込められた想い


太田:そこから銀座のビルのネーミングやブランディングを考えるとなって、一番最初にまず僕の頭に浮かんだのが、「髙木さんは銀座の一般的なイメージではない場所を創ろうとしているんだ」ということでした。それを形にするために、東京だけではなくて僕の地元である宮城県丸森町にも来ていただいて、採石場で語り合ったり、サウナで語り合ったり、飲みながら語り合ったりして。その時に僕、「ああ、これが本当の打ち合わせってやつなんだ」って思ったんです。用意された情報を整理したり、何とかメソッドとか、何とかノウハウとかではなくて、とにかく腹を割って本音で話し合うのが打ち合わせなんだと。

髙木:本当だね。

太田:銀座だからこそ、この「本音で話せる」っていうことを実現できたら、さまざまな人が集まる場所という役割を果たすんじゃないのかと思って、「サロン」というキーワードが導かれていった。ただ「サロン」ってどうしても限定された会員だけのものというイメージがあるけれど、だからこそそのイメージを変える意義があるんじゃないのかと。だからあの日も「本当は、サロンってこういうことなのかもしれないですね」って思わず口からこぼれたんです。その結果、「SALON 91°」という施設のネーミングや、「本音で過ごそう、銀座で。」というメッセージが生まれました。

髙木:あの瞬間というのは、クリエイティブディレクターとしては「ハマった!」っていう感覚だった?

太田:クリエイティブディレクターとしては、むしろここからだという感覚ですね。このメッセージをしっかりと伝え続けないといけないと。今日こうして髙木さんとお話しして「本音からしか何も生まれない」ということを改めて確信していて、だけれども一方で、従来の銀座らしいアプローチではないため、受け入れられるようにここから伝え続けないといけないと思ってます。

髙木:なるほどね。最初の方では「鎧を脱ごうよ」っていうコピーもあったよね。

太田:ありましたね。

髙木:あれを聞いた時に「おっ、銀座に戦いを仕掛けてるな」って思ったんだよね。

太田:そうですね。僕は多少勝負癖があるので、その時は勝負を挑もうとしてたんですよね。高級イタリアスーツで身を固めて、「銀座のこと分かってないね」って言ってきそうな人たちに。でも、これってそもそも本音じゃないなって気付いたんです。本音を大切にしようとしている僕らがまず本音じゃなくなってるじゃんって。

髙木:そんな話、したね。

太田:「銀座」という概念を認めて、そうしたこれまでの銀座のイメージの人にも、そうではない人にも楽しんでほしいっていうのが本音だから、と。勝負は勝負でも殴り合うような勝負ではなくて、素直に魅力を認め合うような勝負。それが「本音で過ごそう、銀座で。」というコピーへと繋がった。僕は「SALON 91°」という場所が銀座という街を一歩も二歩も前に進める場所になるんじゃないかと思っているんです。キービジュアルも施設そのものだけではなく、銀座という街とのゆるやかな浸透をテーマにしました。

これまでの自分とこれからの自分を2つの丸で表現したロゴ
メッセージコビー
銀座という街とのゆるやかな浸透をテーマに撮影


髙木:そうなるはずだよ。ちなみに、伸志にとって今回のプロジェクトは挑戦だったの?

太田:自然体ではありながらSteve* inc.としてはこれまでに経験のない領域ではあるので、ある意味ではチャレンジでもあるんです。なので、世の中にどのように捉えてもらえるかという点においては、期待も不安もある状態です。

髙木:クリエイティブカンパニーとしてはどうしても世の中の反応に敏感にならざるを得ないと。

太田:そうですね。僕らがやりたいことをやって、それがダメならダメでいいじゃんというのは絶対にないんです。むしろ企業やメッセージと世の中を繋げないといけないというのが大前提。わかる人にだけわかれば良いとは決して思わないし、かと言って、世の中に迎合してもいけない。ちょっとだけ、「一歩先」の提案になっているかどうかという部分は、いつも敏感に判断しているかもしれません。

髙木:なるほどね。Steve* inc.と関わらせてもらうようになって、クリエイティブカンパニーの立ち位置ってものすごく重要で素敵な立ち位置だと思うようになったんだよね。

太田:ぜひ詳しく聞きたいです。

髙木:だって、世の中にダイレクトに発信できるわけじゃない? つまり企業と世の中の触媒になれる。良し悪しの判断は分からない部分もあるんだけど、いずれにしても世の中に対してクライアントの想いを伝える役割を担っているわけだよね。

太田:その通りです。

髙木:これってすごいことだなと。Steve* inc.次第で企業が伝えたい想いは何倍にもなって伝わるし、逆に言えば、何分の1になってしまうこともある。そこには相当な大変さもあるとは思いつつ、やっぱりすごいことだよね。

太田:僕もそう思います。

髙木:とは言え、クライアントの言う通りにだけやっていたら、1+1は2の世界でしかないはずで、クリエイティブカンパニーの務めはそれをどう掛け算にできるかどうかだと僕は思ってるし、それを求めてる。

太田:次から次に核心を突いてきますね。まさにその通りです。

髙木:そしてそれって面白いなって思うんだよね。きっとめちゃくちゃ面白いんだろうなと。

太田:そうなんです!めちゃくちゃ面白いんですよ。

髙木:やっぱりそうだよね。ただ、だからこそその掛け算を生むためにクリエイティブを司る領域の人たちは、すごく悩むし、反芻するし、時に迷路に入って答えが分からなくなったりもする。じゃあ、クライアントはその時にどんな存在であるべきなんだろうとも考えて、僕は常に目指すべき方向を示す灯台のようにならないといけないんじゃないかなと思ったんだよね。そうやってクライアントとクリエイティブカンパニーは共に前に進んでいくんだろうって。

◾️人の想いや夢に寄りかかるクリエイティブディレクターだからいい


太田:いよいよ「SALON 91°」もグランドオープンしましたが、最後に髙木さんの人生における野望というものを聞いてみたいなと。

髙木:これはもう明確で、「日本を元気にする」ということ。僕一人の力なんてたかが知れてるけど、その「たかが自分」が日本を元気にできるかどうか。全てはそのためにやっていると言っても過言じゃないんだ。

太田:いいですね。実際、今日お話しして少なくとも僕は元気になりましたもん。

髙木:でしょ? (笑)なったと思うんだ。この「日本を元気にする」っていう大きな目標を紐解いて、紐解いて、紐解いて、じゃあ今日は何ができるかということを一歩一歩積み重ねて続けられるかどうか。今日は今朝から5、6本ミーティングがあったんだけど、全部で大体この話をしてるんだよね。

太田:最高じゃないですか。

髙木:例えば人材会社の方と話す時だって、盛り上がったらその方は元気になる。そうしたことの一つひとつが「日本を元気にする」っていう野望に繋がってると確信してるんだよね。だから僕にとっては、野望と目の前の一歩は同義なの。だって常にその野望のために生きてるんだから。例えば駄菓子屋に子どもが来て「まだやってる?」ってワクワクしてるのだって、日本が元気になってることの一つだよね。これを実感して確信できるかどうかだと思う。もっと言えば確信してそこに捧げたらいい。

太田:確信して捧げる、めちゃめちゃかっこいいですね。

髙木:今回の銀座のSALON 91°もそうで、この場所に集う方々に何か1つでも気付きが生まれたり、繋がりが生まれたりすれば、確実に日本は元気になっていくと確信してるんだよね。

太田:髙木さんが野望と目の前の一歩は同義って仰ってましたけど、僕も同じだなと思いました。今回の銀座もそうですし、僕の地元の東北でやっていることもそう。銀座も、東北も、場所こそ違えど、結局は人間と人間の対話だと思っているので、どれだけ共感を生んで、心を震わせていけるかでしかないなと。

髙木:そうした共感が伸志のいいところだよね。いつも誰かの話に「うわ、それいい! それ面白い!」って言ってるじゃない?

太田:そうなんですよね。本当に面白いことを、面白いって気づいていない人にも「それ、面白いからね!」って伝え続けたいんですよ。

髙木:伸志はね、誰かに寄りかかってないとダメなタイプなんだよ。そして誰よりも心地よく寄りかかってくれる人間だから、寄りかかられる側も「寄りかかってこい!」って思える。

太田:なるほど。そうだったのか。

髙木:伸志の一番の才能は寄りかかり力だからね。気付いてなかった?

太田:気付いてなかったです! つまり、あなたのやりたいことに寄りかからせてくださいってことか。

髙木:そうそうそう!

太田:だから一人だと何も満足できないのか。

髙木:でも、寄りかからせたら天下一品だよ。 「人の夢や想いに寄りかかるクリエイティブディレクター」、うん、いい! 人は誰だって寄りかかりたいもので、髙木ビルのメンバーだってそうだよ。「社長」「髙木さん」ってみんな寄りかかってくるし、僕はそれが嬉しい。それに僕もみんなに寄りかかって生きてるんだから。

太田:そっか。髙木さんもかあ。

髙木:そうそう。家族に、友人に、仲間に、寄りかかってみんな生きてる。それが人間だから。伸志と話してて、互いに寄りかかることを認め合えたら日本がさらに元気になるような気がしてきたよ。

太田:よし、僕、日本を元気にするためにこれからもどんどん寄りかかっていこうと思います。

髙木:それは楽しみだなあ。

太田:今日は本当にありがとうございました!

髙木:こちらこそ! そして、これからもよろしく!



今回登場したお酒「UA雪だるま」の蔵元「せんきん」:

今回登場したおつまみ「豆源麻布十番本店 ヨーグルト豆とチーズナッツ」:

Steve* inc.

Steve* Magazine by Steve* inc.

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