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革新を牽引する企業の秘密: EPSONと村田製作所に学ぶブランディング戦略

こんにちは、Steveです。

昨日は民間の探究支援プロジェクトのMTGに参加し、改めて学生と何かをする楽しさを感じました。もちろん、学生だけでなく、何かを目指している社会人のサポートも今後続けていきたいと思っています。

今回はちょっと前の話になりますが、1月に行われた春高バレーを見て気づいたことについて紹介します。

バレー好きな僕ですが、春高バレーはもちろんチェックしています。春高は最近では全試合がライブ配信されています。ライブで視聴する場合は無料ですが、試合後にアップされるアーカイブを見るには課金が必要です。ライブ視聴時は、視聴開始時やタイムアウトでスキップできないCMが流れます。今年はポカリスエットマイナビバイトEPSONがスポンサーとして名を連ねていました。

この中で少し違和感がある会社はありませんか?

はい、EPSONです。春高バレーを視聴しているのは、おそらくバレーをしている若者でしょう。もちろん、僕のようにバレー好きな人もいますが、平日の昼間に開催されることを考えると、学生が多いはずです。

では、そのターゲットに関して、なぜEPSONなのか?まずは、ポカリスエットとマイナビバイトのマーケティング的な狙いを紹介します。

ポカリスエット
役割: ライフスタイルと健康の推進
戦略: ポカリスエットはスポーツドリンクとして、アクティブなライフスタイルを送る若者やスポーツをする人々を主なターゲットとしています。春高バレーのようなスポーツイベントをスポンサーとして支援することで、ポカリスエットは健康と活動的な生活の重要性を強調し、ブランドのポジショニングをアスリートやスポーツ愛好家との強い結びつきとして確立しています。

マイナビバイト
役割: 職業とキャリアの機会の提供
戦略: マイナビバイトはアルバイトやパートの求人情報サービスを提供し、主に学生や若年層をターゲットとしています。春高バレーのようなイベントを通じて、マイナビバイトは若者たちに対して自身のキャリアや将来の職業選択に役立つ機会を提供します。

ではEPSONですが、僕の考えでは、EPSONは企業の知名度を上げ、リクルート的な狙いがあると思います。

EPSON
役割: 企業ブランドと将来的な求人
戦略: EPSONは、プリンターやプロジェクターなどの電子機器を製造していますが、春高バレーでのスポンサーシップを通じて、企業ブランドを伝え、入社を検討してもらえるように意図しています。そのため、EPSONの商品CMではなく、企業が何をしているかのアピールがテーマの動画でした。

コーポレートブランディング

コーポレートブランディングにおいて、今回のEPSONの戦略は、製品やサービスの直接的な宣伝を超えて企業のブランドイメージや価値観を前面に出すことに焦点を当てています。このようなマーケティング戦略は、一般に「ブランドマーケティング」または「コーポレートブランディング」と呼ばれます。

特に、若年層に対する企業の価値観や文化、社会的責任、または雇用機会などを強調することで、製品の販売促進だけでなく、企業全体のイメージを向上させ、将来の潜在的な従業員や顧客との関係構築を目指しています。

コーポレートブランディングの目的は、長期的な視点から見て、企業の認知度と信頼性を高め、ポジティブな企業イメージを築くことにあります。これにより、消費者や求職者に企業を好ましいものとして認識させ、結果として製品やサービスへの関心や忠誠心を高めることができます。EPSONのように、特定のイベントやコンテンツを通じてこの戦略を展開することは、ターゲットとするオーディエンスに直接響くメッセージを伝える効果的な手段です。

村田製作所のコーポレートブランディング

今回のEPSONのように企業ブランドを戦略的に展開した例として挙げられるのが「村田製作所」です。

一度は耳にしたことがあると思いますが、具体的な商品の名前は思い浮かばないかもしれません。それでも、多くの電子機器の「中」で活躍する部品を作っている会社だということはみなさんも知っていると思います。

僕がコーポレートブランディングを上手く行っていると感じている企業の一つです。CMを使い、自社が何をしているのか、どんな人材を求めているのかを上手に展開しています。

どんな人材を求めているかを示すTVCMや、何をしているのかを伝える「あった!あった!」CMシリーズは共に視覚的にも情報がいろいろとつめ混れたCMだと思います。

どんな人が村田製作所に向いているか:

どんなんことをやっているかが伝える「あった!あった!」シリーズ:

このように、村田製作所は直接商品を伝えるのではなく、コーポレートブランディングを上手に紹介しています。

これは、村田が主にBtoBビジネスを展開しているため、直接的な商品の宣伝よりも企業の価値を伝えることに重点を置いているからです。
この戦略は、特にBtoBで事業を展開する企業にとって重要です。消費者と直接的な取引を行うわけではないため、製品の機能性や品質だけでなく、企業自体の信頼性やビジョンが、取引先選びの重要な基準となります。

村田製作所の場合、そのコーポレートブランディングは、技術に対する深い情熱や、業界における革新的なリーダーとしての役割を強調しています。CMでは、村田製作所が製造する製品が日常生活や社会のさまざまなシーンでどのように役立っているかを示し、その技術がいかに私たちの生活を豊かにしているかを伝えています。

また、どんな人材を求めているかを明確に示すCMを通じて、村田製作所は自社で働くことの意味や価値、そして企業文化を伝えています。これは、将来の従業員となるかもしれない人々に対して、ただ技術力が高い企業であるだけでなく、挑戦を歓迎し、イノベーションを重視する組織であることをアピールする戦略です。

このように、村田製作所はコーポレートブランディングを通じて、企業が持つ技術力の高さや独自の企業文化、そして社会への貢献を積極的にアピールしています。BtoB企業において、自社の価値をどのように外部に伝えるかは大きな課題ですが、村田製作所はその解決策を見つけ、効果的に実行している例と言えるでしょう。

さいごに

EPSONや村田製作所のような企業が取り組むコーポレートブランディングの事例は、企業の製品やサービスだけでなく、その背後にある企業の文化や価値観、ビジョンを伝えることの重要性を示しています。これらの企業は、BtoB市場において、自社の技術力や社会への貢献、未来に対する姿勢を通じて、独自のブランドイメージを構築しています。
特に、消費者と直接取引が少ないBtoB企業にとっては、企業ブランドを通じて自社の存在感を高め、信頼性や専門性をアピールすることが、長期的な成功への鍵となります。
そして、これらの取り組みは、潜在的な顧客や将来の従業員に対しても、企業の魅力を伝え、関心を引く効果的な方法であることがわかります。

今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。


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