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ヒグマが街に増えている理由

野生動物への餌やりがダメな理由の例として、クマについて書かせていただきましたが、今回はもう少し詳しくお伝えできればと思い、記事を書きます。

ヒグマのご存知の通り、人間にとっては危険な動物です。

現在、北海道ではヒグマの目撃情報が相次いでいます。

どうしてこのような状況になってしまったのでしょうか。また、そもそもヒグマとはどういう生物なのでしょうか。

ご一読いただけたら幸いです。


ヒグマとは

日本に生息しているクマは、「ヒグマ」と「ツキノワグマ」です。そのうち、北海道に生息しているクマのことを「ヒグマ」といいます。

ヒグマの方が、ツキノワグマより2倍ほど大きい生物です。個体によっては、2mを超え、400kgもあるそうです。

知らない人も多いですが、ヒグマは実は「雑食」です。植物を主食としています。

果実や木の実、鮭などの魚や昆虫や、肉など色々な食べ物を食べます。

ですので、同じ雑食の人間に似た歯並びをしていると言われています。

アイヌでは、ヒグマを「キムンカムイ」(山の神)と呼び、人間に肉や皮を恵む存在と見なし、狩りをするたびに祈りを捧げています。

ヒグマは、基本的に臆病な性格です。

ですので、人前に現れることはそうそうありません。

ですが、最近ヒグマのニュースをよく見かけるようになりました。どうしてでしょうか。


ヒグマは困っている?

ヒグマについて、調べたり、話を聞いたりすると、「悪いのは人間なのでは?」と思ってしまいます。

ヒグマは、昔から生きるために餌を見つけているだけです。街に降りてくる理由は、餌を見つけたいからに他なりません。

実は、森でのヒグマの食料が減少していることをご存知ですか?

例えば、近年シカが増加傾向にあります。シカが、山の植物を食べることにより、クマの餌が減っているそうです。

また、温暖化により、鮭の収穫量が減少していることも考えられます。

さらに、ドングリの不作の時が重なるとどうでしょう?

ヒグマは、長い冬を乗り越えるために(冬眠)秋にはたくさん蓄えなければいけません。

ですが、生きていくための餌が山にないのです。

ヒグマは困っているのです。

シカが増えた原因は何ですか?

ニホンオオカミを絶滅させたことと、地球温暖化で冬の死亡率が減少したからです。

ニホンオオカミを絶滅させたのも、地球温暖化を引き起こしたのも紛れもなく人間のせいです。

さらにいえば、ヒグマが生息していた森を開拓し、自分の街としているのも紛れもなく人間です。

そして、街に下りてきたヒグマは、危ないからという理由で殺されます。

ヒグマは、被害者なのでは?と感じてしまいます。

ですので、「ヒグマが悪い」という考えには私は全くなれません。


誘因物をなくそう

ですが、正直なところヒグマが被害者だと認識しても、街にヒグマが出没するのは恐いですよね。

どうしましょうか。

ヒグマが困っている理由は、「餌」です。

ですので、街に「餌がない」状態を作り出す(思い込ませる)のが大事なことです。

ちなみに、ヒグマは人間を餌としたい訳ではありません。

ヒグマが、子供の命や自分の命を守るために人間を襲うことはありますが、普通は襲いません。

ヒグマの狙いは、「人間の食料」です。

クリやカキなどが、収穫されずにある状態は危険な状態です。

外で食べ物を干したりする時も注意が必要です。

生ごみにも注意してください。

ポイ捨てや餌やりなどは、言語道断です。

臭いを含めた「誘因物」を除去することがヒグマを引きつけない秘訣です。

一度、人間の食べ物の味を知ったクマは恐ろしいです。

街に下りてくることもありますし、最悪の場合人間を襲うこともあります。

「食べ物」注意して生活することが非常に大切なことだと覚えておいてください。

人間との距離感

人間が偉い訳でもないので、私はヒグマと共存する未来を今後も望んでいます。

もちろん、一緒に住むという話ではなく、同じ地球でこれからも生きていたいという話です。

その上で大事なのが、「人間とヒグマとの距離感」です。

ですが、その距離感を間違っている方がいたりします。

知床で学んだ話ですが、ヒグマは珍しいものだと、撮影したくて近寄ろうとする人が数多くいたそうです。

「撮影をやめてほしい」という要望も叶わず、そのヒグマと人間との距離感は近くなっていきました。

最初は、人間を見たそのヒグマはすぐに姿を隠しましたが、いずれ姿を隠すこともなくなります。

そうなってしまったら、いつ人間に襲いかかるかわかりません。

ヒグマを殺す選択をするしかなくなったのです。

泣きながらヒグマを殺す知床財団の人の動画を今も鮮明に覚えています。

野生の動物との距離感を知らない人が多いのも現状です。

私は、野生動物が人間の手によって不必要に亡くなる世の中を変えたい一人です。

野生の動物を食べている我々は、必要な分だけを手に取り、感謝して生きねばなりません。

多くの人が似たような考えを持ってくれることを願います。

今週もありがとうございました。




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