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国内のどんな生物が絶滅危惧種なの? 鳥類編⑤

前回までで、国内の絶滅危惧種の中でも特に絶滅危機が高い「絶滅危惧種IA類の鳥類」を19種類紹介させていただきました。

残すところ5種類となり、今回で鳥類の紹介はラストになります。

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絶滅危惧種 段階

絶滅危惧種は、野生生物により、どのくらい絶滅の危機に陥っているのか異なります。

その中で、最も絶滅の危険性が高いのが、絶滅危惧種IA類に分類されている野生生物です。

絶滅危惧種IA類に選定されているのは、哺乳類12種類・鳥類24種・爬虫類5種・両生類5種の合計46種です。

今回は、絶滅危惧種IA類の鳥類24種類のうち5種類を紹介をできればと思います。

絶滅危惧種 レッドリスト

20.  ミユビゲラ

ミユビゲラは、全長約22cmで、キツツキ目キツツキ科の留鳥です。

ちなみに、「木をつつく」ことで有名なキツツキですが、「キツツキ」という名前の鳥はいません。

キツツキは、分類上の総称で、「ゲラ」という名前が後半につくことが多いです。

日本では、10種類のゲラが見られます。

その中の一つの、ミユビゲラの特徴は、全体的に黒色ですが、腹部や背部の中央部から腰にかけては白い線が入っています。

オスの頭頂部は黄色で、メスは黒いので見分けがつきやすいです。(動物はだいたい目立つ方がオスですよね)

足の指が3本であるのも特徴で、名前の由来にもなっています。

ロシアやカナダ、北アメリカなど数は少ないですが、幅広く生息しており、

日本では、北海道の十勝地方で生息が確認されていますが、現在でも10数回しか発見できていないほど珍しく、「幻のキツツキ」とも言われています。

絶滅の理由としては、エゾマツ等のトウヒ類の木を伐採していることです。

トウヒ類とは、「クリスマスツリー」のような円錐型の針葉樹に成長するものが多い木で、餌を見つけたり、巣を作るのに便利でした。

ですが、そういった気が伐採されたことにより、生態数が減少してしまっています。

ミユビゲラ(オス)
北海道 十勝地方(真ん中 下段 オレンジ色)

21. ノグチゲラ

ノグチゲラも、キツツキ目キツツキ科の鳥で、日本にのみ生息する固有種です。

沖縄県北部の山原(やんばる)地域にのみ生息し、最大500羽程度いると推測されています。

全長は、約30cmです。全体的には黒がかった茶色で、クチバシは青灰色をしています。

頭頂部は、オスが赤色で、メスは茶色という特徴があります。

絶滅危機の理由としては、森林伐採や農地開発、ダム建設などで、天然林が減少してことです。

また、最近では人間によって連れてこられた、ノネコやマングースなどにより捕食も懸念されています。

ノグチゲラ(オス)
沖縄県 山原地域

22. チゴモズ

全長約18cmほどの小さい鳥です。スズメ目モズ科モズ属に分類されています。

頭から首の後方は青灰色、翼の上面は赤色かがった褐色をしているのが特徴的です。

可愛い見た目をしていますが、チゴモズを含めモズの種類は、基本的に昆虫やクモ、カエルなどの小動物を餌とする肉食性の小鳥です。

また、モズには変わった習性があります。

捕まえた獲物を、木々の枝先や有刺鉄線などに突き刺して、長期間そのまま放置することがあります。

串刺しになった獲物のことを「はやにえ」といいます。

お腹が空いたらそこに戻り、食べるそうです。

アジア周辺で繁殖し、越冬のために夏鳥として日本にきます。基本的には、本州でどこでも見られる鳥です。

平地や低山地の広葉樹などで見られますが、絶滅危惧種になるくらい珍しい鳥です。

個体数が減少した理由は、森と草地が組み合わされた環境が減少もしくは悪化していることが原因だと言われています。

チゴモズ

23. オガサワラカワラヒワ

スズメ目アトリ科の鳥で、「カワラヒワ」の仲間です。

ヒワは、漢字で書くと「」と書きます。弱い鳥と書かれていますね。

語源は、「ひわかし」という言葉らしく、弱々しい・若々しいという意味を持つ言葉です。

カワラヒワは、全体的に黄緑色をしています。黄緑色のことを、ヒワ色と言うこともあるみたいです。

オガサワラカワラヒワは、名前の通り、小笠原諸島にのみ生息している鳥です。

個体数が減少して理由は、人間が連れてきたヤギが野生化し、食料となる草木を食べてしまっていることや、ネコやネズミに捕食されているからです。

現在では、保護活動が進められています。

オガサワラカワラヒワ
小笠原諸島

24. シマアオジ

全長約16cmで、スズメ目ホオジロ科ホオジロ属に分類されています。

顔から喉は黒色で、頭から背は茶色、胸から腹は黄色が特徴的な鳥です。

「草原のフルート奏者」とも呼ばれるくらい、ピーピーピーと可愛らしく鳴きます。

ユーラシア大陸北部に繁殖し、日本では、北海道全域の草原、牧草地、農耕地周辺の草地などに生息しています。

特に、北海道のサロベツ湿原での目撃情報が多いです。ですが、近年ではサロベツ湿原ですら個体を確認することが難しくなっています。

シマアオジが減少した要因の一つに、渡りの中継地である中国での捕獲が指摘されています。

シマアオジは、中国の稲の収穫期に群れで渡って来るため、古くから米を食べる害鳥として捕獲され、食料とされていました。

中国に限らず、渡りの中継地での捕獲が問題になっている鳥の一つです。

シマアオジ
サロベツ湿原

今回で、第5回にわたりお伝えしてきた鳥類編が終了です。

興味のあるところのみでも読んで、いいねを押してくださると嬉しいです。

私も学んでいく中で、様々な鳥が日本にきていることで、地球は循環しているのだなと再確認できましたし、日本という枠組みだけに捉われていてはだめだなを感じることができました。

それと同時に、やはり人間が関与しているのかと悲しい気持ちもなりました。

もう少し、絶滅危惧種編が続きます。次回も読んでくれたら嬉しいです。


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