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国内のどんな生物が絶滅危惧種なの? 鳥類編①

前回は、国内の絶滅危惧種の中でも特に、絶滅危機が高い「絶滅危惧種IA類の哺乳類」ついて、書かせていただきました。
今回は、鳥類編になります。
ご一読いただけたら嬉しいです。


絶滅危惧種 段階

絶滅危惧種は、野生生物により、どのくらい絶滅の危機に陥っているのか異なります。
その中で、最も絶滅の危険性が高いのが、絶滅危惧種IA類に分類されている野生生物です。

絶滅危惧種IA類に選定されているのは、哺乳類12種類・鳥類24種・爬虫類5種・両生類5種の合計46種です。

今回からは、絶滅危惧種IA類の鳥類24種類のうち6種類を紹介をできればと思います。

絶滅危惧種 段階

1.ハクガン

カモ科に分類される鳥類で、北東シベリアと北米大陸の北極圏地域で繁殖し、日本には、冬に渡り鳥としてくることがあります。

全身が白く、翼の先だけが黒いのが特徴です。

明治初期には、東京湾に「残雪と見まごうほど」と表現されるくらいの大群が渡来していたとあり、それほど珍しい鳥ではなかったみたいです。

ところが、明治時代に解禁された狩猟により、白く目立つハクガンは格好の標的となってしまったのが、絶滅危機の原因だと言われています。

宮城県の伊豆沼や蕪栗沼が、日本最大のガン類の越冬地となっており、日本のガン類の80~90%が集中しています。

北海道でも色々な場所で目撃されています。

ハクガン
宮城県の伊豆沼や蕪栗沼


2.シジュウカラガン

同じく、カモ科に分類される鳥類で、全身は黒っぽく、頬から喉に目立つ白斑があるります。

北米大陸北部で広く繁殖するカナダガンで、日本には、冬に渡り鳥としてくることがあります。

江戸時代には、10羽のうち7~8羽がシジュウカラガンだったとされるほどたくさんいた鳥です。

絶滅危機の理由としては、シジュウカラガンの繁殖地であった千島列島に毛皮をとる目的でキツネが放されてしまったことです。

1915年頃は世界的なキツネの毛皮ブームで、日本政府は千島列島の多くの島々でキツネの放し飼いを開始しました。

肉食獣のキツネは、シジュウカラガンを襲って食べてしまい、個体が減ってしまったのです。

ハクガンと同じように、宮城県の伊豆沼や蕪栗沼に現れることがあります。

シジュウカラガン
宮城県の伊豆沼や蕪栗沼

3.アカガシラカラスバト

体重は400g程の中型のハトで、体は黒色で頭が赤みがかったブドウ色、首から胸にかけて光沢がある玉虫色をしている。

鳴き声が牛の声に似ているところから昔は「ウシバト」といわれていた。

小笠原諸島の常緑樹林地に生息しているが、現在は10数羽ほどしかいないとされている。

絶滅危機の理由としては、森林伐採によってアカガシラカラスバトの住処が奪われたことや、人が小笠原に持ち込んだノネコに食べられたりクマネズミとの餌の競合だと言われている。

アカガシラカラズバト
小笠原諸島

4.オガサワラヒメミズナギドリ

ミズナギドリ属で最も小さいミズナギドリである。全身黒色と白色からなるツートンカラーで、体上面や下尾筒は黒色、体下面は白色である。

実は、オガサワラヒメミズナギドリは、2011年に新種記載されたばかりの海鳥である。

小笠原諸島で、過去約20年の間に正体不明の海鳥が6羽見つかっていました。

2012年、DNA分析によりこれらが「ブライアンズ・シアウォーター」という鳥だと判明しました。この鳥は過去に2回しか記録がなく、すでに絶滅の可能性も心配されていた世界的な希少種です。

絶滅の理由としては、ネズミに捕食されたことが要因だと考えられています。

オガサワラヒメミズナギドリ
小笠原諸島

5.クロコシジロウミツバメ

小型の海鳥だがウミツバメとしては大きく、全体的に濃い黒褐色で、腰の白色部が下尾筒両側までつながる。

国内3ヶ所の繁殖地は、すべて岩手県です。

具体的な場所は、国指定で天然記念物とされているd日出島・三貫島、岩手県指定で天然記念物とされている船越大島です。

減少の原因は、オオミズナギドリの巣密度の増大によって、島全域の地面が掘り返され、クロコシジロウウミツバメが巣穴を作ることができなくなったからです。

また、林床植物の消失と地面の荒廃化も原因だと言われています。

クロコシジロウミツバメ
日出島・三貫島・船越大島

以上、今回は5つを紹介させていただきました。

今週もありがとうございました。来週は、この続きを紹介していこうと思います。

よろしくお願いいたします。

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