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隠者の預言



人知れず明滅する星の夢のなかで

海は風の囁きを聴き… 大地は時の瞬きを見た...

碧い瞳がひらくとき… 言葉が色を宿すように

樹々はざわめきのなかで… 時の河をわたった...

星のもと… 花は沈黙のうちに詩をしたため

木々は歓びのなかでその身を震わせた...


大地が語りだすとき

海はその言葉を贈るだろう...

大地が蒼を語るとき

海に沈んだ古代の叡知が目を覚ます

海の民の夢が息を吹き返すとき

空は碧に歌うだろう...


碧い歌がひとの心に影を結ぶとき

ひとは己を知るだろう...

風が歌をはこぶとき

影は色を宿し… 海のことばを贈るだろう...

富める者はその輝きを失い

貧しき者はその手に歌を掴むだろう...


暗黒の時がその姿を変えるとき

偽りの太陽は地に沈むだろう...

海の民の末裔たちよ… 逢魔が時に眼を閉じよ

碧き海を持つ者よ… 内なる瞳にその歌を聴け...

暁の歌に君の記憶は目覚め

君の碧き海はその水脈を示すだろう...


進め、進め...時の大河を...

躍れ、踊れ...血潮のなかに...


恐れ狂う幻のなかで

歌の鼓動は君を抱くだろう...

みずからの水脈に身をゆだねなさい

海の叡知は君を明日へと導くだろう...

刻はいまここに

君の碧き瞳にひらくだろう...












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