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9月2週 鉄鋼産業CN(脱炭素)ニュース

連休のせいか、入ってくるニュースが少ない。


■<国内・開発>JFEスチール参加 瀬戸内エリアのCCS事業の設計作業等JOGMECより受注

*(2024/9/13 JFEスチール)JOGMEC令和6年度「先進的CCS事業に係る設計作業等」公募において~マレーシア サラワク州におけるCCS事業に係る設計作業等を受託

参加会社;石油資源開発、日揮ホールディングス、川崎汽船、JFEスチール、三菱ガス化学、三菱ケミカル、中国電力、日本ガスライン、PETRONAS CCS Ventures Sdn.Bhd.(マレーシア)
瀬戸内エリアなどの複数産業から排出されるCO2を、マレーシア サラワク州沖を対象地として圧入貯留するCCS事業に係る設計作業等の受託に係る契約を、2024年9月11日にJOGMECと締結
CCS事業の契約締結: 日本側8社とPETRONAS CCS Ventures Sdn. Bhd.が、マレーシアのサラワク州沖でのCO₂圧入貯留事業に関する契約を締結
設備とコストの検討: 日本国内の製鉄所や発電所から排出されるCO₂の分離・回収・液化に必要な設備やコストの検討を進める
共同推進者: PCCSVと日本側8社が、CO₂の海上輸送や圧入・貯留に必要な設備とコストの検討を共同で進める

JFEスチール

→ 関連記事
(2024/6月最終週)JOGMECのCCSプロジェクト

■<国内・提携>マイクロ波化学は鉱石精錬用回転炉炉床の設計および製造につき中外炉工業と提携

*(2024/9/11 マイクロ波化学)鉱石製錬用のマイクロ波回転炉床炉の設計及び製造に関する戦略的提携について

マイクロ波化学株式会社及び中外炉工業株式会社は、この度、鉱石の製錬を目的とするマイクロ波回転炉床炉の設計及び製造に関する戦略的提携を締結いたしました。
業界の課題: 製鉄業界や非鉄金属製錬業界では、鉱石の煆焼・還元工程で大量の化石燃料を使用し、多くのCO2を排出しています。
技術と目標: マイクロ波技術を活用し、エネルギー消費量とCO2排出量の削減を目指す。
今後の展望: 両社は早期の商業化に向けて開発、設計、製造に取り組む予定

マイクロ波化学

■<国内・経営>山陽特殊製鋼がGHG排出削減目標を見直し

*(2024/9/13 山陽特殊製鋼)GHG排出量削減目標の見直しについて

https://www.sanyo-steel.co.jp/system/upload/news/20240913.pdf

GHG排出量削減目標の見直し: 山陽特殊製鋼株式会社は、2050年カーボンニュートラルを目指し、2030年度までのGHG排出量削減目標を見直し
新たな目標: Scope1+2(直接排出+間接排出)およびScope3(サプライチェーンからの間接排出)の削減目標を設定
エコプロセスとグリーンエネルギー: エコプロセスの推進とグリーンエネルギーの活用を強化し、サプライチェーンとの協力を進める
具体的な削減率: 2030年度までにScope1+2の排出量を42%、Scope3の排出量を25%削減することを目指す

山陽特殊製鋼
山陽特殊製鋼

■<海外・提携>Tata Nederlandがチェコのスチールサービスセンターと脱炭素提携

*(2024/9/10 Eurometal)タタ、チェコのサービスセンターと脱炭素化で提携
Tata partners with Czech service centre for decarbonisation

Tata Steel NederlandがチェコのスチールサービスセンターであるSteel Center Europeと脱炭素化に関する覚書を締結。Steel Center Europeは、住友商事とスペインのBamesaが共同で所有するコイル加工サービスセンターで、2004年に住友商事と豊田通商によって設立され、2020年にBamesaが共同所有者となりました。
Tata Steel Nederlandは、LinkedInアカウントでこのパートナーシップを発表しましたが、具体的な内容については明らかにしていません。ただし、Tata Europeの排出削減鋼ブランドであるZeremisに言及していることから、このパートナーシップはTataがZeremisをチェコの企業に供給することに関連していると考えられます。
また、住友グループ内に欧州の製鉄所のグリーン化を支援するための専用部門が設立されており、持続可能性への強いコミットメントを示しています。

Eurometal

■<海外・経営>H2 Green SteelがStegraに社名変更

*(2024/9/12 H2 Green Steel)H2 Green SteelがStegraに社名変更
H2 Green Steel changes name to Stegra

目的: 削減が困難な産業の脱炭素化を目指しています。
プラットフォーム: グリーン水素、グリーンアイアン、グリーンスチールの3つのプラットフォームを活用。
将来の展望: スウェーデン国外のプロジェクトも検討中で、ポルトガルでのプロジェクトが最も進んでいます。

H2 Green Steel

→ H2 Green Steelの過去記事
(2024/1/3週)(スウェーデン)H2グリーンスチール、独自動車部品メーカーにグリーン鋼材供給
(2024/1/最終週)H2グリーンスチール/約42億ユーロ調達 グリーン・スチール工場向け
(2024/2/2週)H2GreenSteelの紹介記事
(2024/2/3週)H2 Green Steelの紹介(PiPa News)
(2024/5/最終週)H2 Green Steel が建築用グリーン鋼材の供給契約締結(2026年以降)

■<海外・事業>Tata Steel EuropeがPort Talbot製鉄所の脱炭素化(電炉化)プロジェクトに関し、英国政府と助成金契約(5億ポンド)

*(2024/9/11 Tata Steel Europe)タタ・スチール、英国政府とポートタルボットの12億5000万ポンドのグリーンスチールプロジェクトに関する5億ポンドの助成金契約を締結
Tata Steel signs £500 million Grant Funding Agreement with UK Government for £1.25 billion green steel project in Port Talbot

タタ・スチールは、英国政府と5億ポンドの助成金契約を締結し、ウェールズのポート・タルボット製鉄所に最新鋭の電気アーク炉を設置するプロジェクトを進めることができると発表
ポートタルボットの変革: 英国政府の支援を受けて、タタ・スチールはポートタルボットをヨーロッパのグリーンスチール製造の主要拠点に変革することを目指す
経済再生: このプロジェクトは、南ウェールズの経済再生と雇用創出の触媒となることが期待
支援と協力: 英国スチール委員会や英国およびウェールズ政府の各部門がこの合意に達するために重要な役割
将来の計画: タタ・スチールは、電気アーク炉(EAF)プロジェクトの効率的な実行と、移行委員会および政府との継続的な協力を期待

Tata Steel Europe

→ 以下の既報記事との関連性は不明

(2024年8月3週)Tata/Port Talbotに英国政府が1,350万ポンド提供

■<海外・設備>DanieliのZerobucket電気炉(連続装入型電気炉)が直近2か月で6基 中国で完成

*(2024/9/12 Danieli)過去2ヶ月間に中国で6基のDanieli Zerobucket EAFが稼働開始
Six Danieli Zerobucket EAFs started up in China in the last two months

いずれも独自の連続スクラップチャージECSを採用し、低炭素化と省エネを実現しているほか、Q-Regも採用
Danieli Chinaが最近稼働させたゼロバケット電気アーク炉(EAF)について、以下が主なポイント
新設EAF: Qiananshi Jiujiang(2基)、Zhejiang Yuxin、Heyuan Derun、Baoshan I&S、Baosteel XinyuのEAFが稼働開始。Hebei PuyangのEAFはコールドテスト中。
柔軟な溶解能力: これらのEAFは、溶融金属、DRI、HBI、スクラップなど多様なチャージミックスに対応可能。
生産性向上: 最大80%の溶融金属チャージでBOFコンバーターを置き換え、短いタップ・トゥ・タップ時間で高い生産性を実現。
先進的な制御システム: Danieli AutomationのQ-Reg電極制御とプロセス制御システムにより、迅速な稼働と高性能を達成。
これにより、Danieliは中国市場で70%以上のシェアを持つ供給会社となっています。

Danieli
Zerobucket EAF (Danieli)


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