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一般入試で大学に入ったのにAO推薦入試講師になってトップ講師になった話

学習塾で働いていた時代は、AO入試/推薦入試(現総合型選抜/推薦型選抜)の担当講師をしていた。
よく「先生もAO入試で大学に入ったんですか?」と聞かれたが、私自身は一般入試で大学に入った。なんなら高校時代はAO入試に挑戦して不合格になっている。
そんな状態からなぜかAO入試の講師になり、AO入試の魅力にハマっていくことになった。

元々は数学を教えるつもりで働き始めたが…

私の得意分野は数学だった。数学を教えるつもりで入職したものの、なんといっても数学の講師は豊富にいたため、既に先輩講師が飽和しており、ほとんど担当にありつくことができなかった。
そんな中、偶然私の所属大学へのAO入試を志している1人の生徒と出会った。せっかく所属していたので一度話してみることになり、ここから徐々にAO指導をしていくことになる。これがAO講師になった始まりである。

とはいえ、AO入試について何もわからない

AOを指導することになったものの、どんな入試かもよくわかっていなかった。高校時代AO入試を受けた時には「勉強しなくていけるから良いやん!」くらいにしか思っていなかった。(今思えばそんな甘い考えだったから不合格だったのだろう…。)
何もわからなければ指導はできないので、とにかくAO入試について調べた。最初は高校時代の実績が大事な「実績アピール大会!」のような入試方式なのかと思っていたが、調べていく中で全く違うことに気がついた。
もちろん、実績があることも大事ではあるが、何より大事なのは「将来何がしたく、そのために大学で何をしたいか」という点であった。

  • 将来的に実現したい目標は何か

  • なぜそのような目標を抱いたのか

  • 高校時代にその目標に向けて何をしてきたのか

  • 将来に向けて、大学で何を研究したいのか

これらの点を総合的に判断するのがAO入試の本質であった。実績だけで目標がない人は合格ができないし、逆に目標だけで高校時代何もしていない人も合格できない。
さらに重要なポイントとしては、目標もただあれば良いわけではなく、「大学とマッチング」をしている必要があるのだ。「その目標を実現するために最適な大学である必要性」がある。
言ってしまえば「それをしたいなら〇〇大学の方がいいんじゃない?」と言われたらアウトなのである。

知れば知るほど、「なぜ大学に行くのか」を強く問う入試であるということが分かった。
私自身、大学の中で「特に学びたいこともなく、なんとなく楽な単位だけをとって何者にもならずに、就活になって急に焦る」人を多く見てきた。大学に入る前に、なぜ大学に行くのかを考え、大学をフル活用できるようにすることはたとえ一般入試で大学に入る人でも本来考えておくべきことである。
「成績が最もいいのはAO入学者」であるという記事も出た。入試の形式を知れば知るほど、その理由がよくわかってくる。

AO入試の虜に

そんなこんなで元々考えていたよりもAO入試が魅力的な入試であったため、どっぷりと浸かるようになった。
学力入試と違い、「画一的な正解や偏差値」という基準がない中で、どのように指導していくべきかをとにかく考え抜いた。何よりもよかった点は、「受験のためだけ」の指導をする必要がないのである。「生徒の成長になること」「生徒の人生設計に真摯に向き合うこと」をすることが一番合格の近道となっていくこともどっぷりとハマることのできた理由だろう。

指導法も確立できていき、多くの合格者を出すこともできた。翌年からはマニュアルの整備や研修の作成もし、より質の高いAO指導を生んでいくこともできた。
「生徒の将来のためになること」をとにかく考えていけば自然と良い指導ができるようになってくる。(なんでもありというわけではないが…。)
キャリア教育とも絡めていく中で、どんどん推進していき、気づけばトップランクの講師になっていた。
具体的なことについてはまた気が向いたら書こうと思う。

入試の主流はAO入試へ変わっていく

一般入試の比率が減り、AO推薦系の入試の比率がどんどん増えている。賛否両論あるものの、全体的な流れとしては益々変わっていくだろう。大学が求める人物像も時代に合わせて変化をしていくのだ。
先述の通り「なぜ、なんのために大学に行くのか」を考えることはたとえどんな入試形式で大学に入るとしても考えておくべき事柄である。
AO指導を通して、大学に入る意味を考えさせる教育についても考えていきたいものだ。

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