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#164ゼロリスクを求める中国の若者Z世代の恋愛

今回は、中国のZ世代における恋愛について考察します。参考動画は『闪耀吧!体育生(Hi!Sport)』です。この番組は、9人のZ世代男女が3週間にわたってテラスハウスのような共同生活を送りながら恋愛に励みます。では、大きく三つに分けて説明していこうと思います。

恋愛に受動的な世代になった

恋愛に対して、ゼロリスクを求める世代になってきたといえます。リスクを冒してまで告白やデートはしなくなりました。お互いに好き同士にならないと、次への行動を起こしたくないようです。お互いに両想いであると確定しない限り、次の一歩へ踏み出せません。それだけ受け身であるので、100%近く両想いだと確定したとわかるまで、無駄な(?)行動を取ろうとしません。

したがって、あまり自ら積極的に行動しないようになります。ただな不思議なことに、好きではない人に対しては好きではないアピールはします。これは好きな人に対するアピールでもあります。この行為はある意味賭けでもあります。

男性A、女性B、女性Cがいるとします。女性Bと女性Cは男性Aに好意を抱いています。男性Aは女性Bに好意を抱いていますが、女性Cには無関心だとします。この場合、男性Aは女性Cに対して、露骨に嫌な顔をしてあなたのことが好きではありませんと察してもらおうとしたり、コミュニケーションをわざと早めに終わらそうとしたりします。女性Bに対して、僕はあなたに関心を持っていますとアピールするためです。女性Bも、私に好意を抱いているなら他の女性に対して、あなたに興味がありませんとアピールしろと思っています。なぜなら、敵と味方の関係性が成立してしまうからです。このような暗黙の了解が働きます。

奴隷式の恋愛

以前にも記事にしましたが、中国人の恋愛は女性の立場が上、男性の立場が下です。この構図がどんな恋愛番組にも見られます。実際に私の中国人の妻にもこれについて質問をなげかけたところ、奴隷のような恋愛方式が確かにあるということでした。

このような構図のもと、女性の考えが恋愛をややこしくしてしまいます。その理由の一つに、女性は反語を使いたがるからです。例えば、あなたと食事に行きたくないは、あなたと食事に行きたいの裏返しの意味です。女性は「男性は本当に女心がわからないのね」といいがちですが、裏を返せば、正面からコミュニケーションを取ろうしないともいえます。男性を試そうとしたり、恋愛の駆け引きと称して一人で押したり引いたりしているようです。

そんなシーンを見ると、最初から素直に本音で話せばいいのではと思います。しかしながら、女性はやはり反語を使うのが好きで、それでコミュニケーションをとります。中国式の恋愛なので、面子、舐められてはならないという強がりな性格、強い自尊心が考えられると思います。その結果として最終的に、男女お互いの意思疎通が困難になってしまいます。

モテない中国人女性の共通点として、相手に厳しい要求をし過ぎている傾向があります。私がどんな状態でいるときが最も心地良いかを相手に求めます。つまり、あなたは私の扱い方をわかっていますよね?という感じを出す人です。承認欲求で雁字搦めになっているのです。私の好きなもの(食べ物、芸能人、映画など)は何かを常に把握していることが前提で物事が進みます。

彼女らは、強引なぐらいに関心を持って気遣ってくれることを期待しています。自分も他人を強引に構うし、他人からも構ってほしいのです。究極一言で総括すれば、構ってちゃんなのです。

相手の立場に立って考えることが苦手

中国人は相手の立場に立って考えることが苦手です。各ジャンルのバラエティ番組で、これまで何度も「相手の立場に立って考えることが重要だ」という字幕やテロップを見てきました。それほど中国社会でもこの問題は深刻なようです。しかしいくらテレビを通して警告しても、現状では変わっていません。

中国の恋愛バラエティあるあるの一つに「私が好きになった人は私を好きになってくれない」という常套句があります。この発言は特に女性によるものです。この常套句を見たときに「あっ!被害者意識の問題なのでは?」と思った方は鋭いかもしれません。私が好きになった人は私を好きになってくれないと言いますが、両想いになることはそんなに容易くないのではないかと思います。

立場を変えて考えてみてはどうでしょうか。そもそもあなた自身はそんなに魅力のある人なのでしょうか?相手から好きになってもらうために自分自身を変える努力をしたのでしょうか?そういう目線がまったくもってありません。ただ単に自分の思い通りにならないから、不満を溜めているに過ぎないのです。

このような人は相手に対して、自分へのメリットばかりを求めがちです。これこそが私であり自分らしさなのだ、この性格でなくなったら私らしさが失われてしまうと考えています。自分のことばかり相手に理解してもらおうとしている人に対して、相手もあなたに対して同じような行動をとるのは必然的です。

番外編:デート観念の違い

男女のデートにおける観念の違いもあります。女性は好きな人とのデートならどこでもいいと考えます。デートの場所をどこにするかよりも、理想の恋人やデートの雰囲気のほうを重視します。それに対して、男性はデートで何をするか?場所はどこに行くのがいいか?誰と行くか?を重視します。このような観念の違いを把握することも重要です。理解できていないと、デートをしたとしても、次回の可能性はなくなってしまうおそれがあります。

背景には情報化社会が原因か

Z世代は情報化社会の中で育っています。生まれた時からインターネットがあります。デジタルネイティブでありかつSNSネイティブでもあります。デジタルリテラシーが高い世代です。その環境で過ごしてきたこの世代で気になることは、すぐに答えが返ってこないとストレスに感じることです。

インターネットは検索したら数秒で欲しい答えが見つかります。チャットで連絡したらすぐに返事が欲しいので、返信が遅いとストレスになります。ゲームもそうです。主人公は自分の思い通りに行動してくれます。実生活で自分の思い通りに行動してくれない人がいると、やはりストレスになります。SNSでは投稿すれば知らない人までいいね!してくれるし共感してくれる人も多くて承認欲求が満たされます。しかし日常生活の中で褒めてくれる人はそう多くはないでしょう。

ということで今回は、中国のZ世代における恋愛について考察しました。いつもよりも量が多くなってしまってすみません。お読みいただいた方はありがとうございます。

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