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STAY TUNED!! 99.9MHz 「Funs!」Vol.2

ラジオを聴いている時のような、偶然の出会いに耳を傾ける楽しさを見つけたい。そんな思いからスタートしたSTAY TUNED!! 99.9MHzでは、音楽愛に満ちたジャンルレスな人々が選曲するボーダーレスな音楽たちを集めました。

第3回目の今回は、「Funs!」Vol.2。ひとりの時間を楽しむためのとっておきのアルバムを紹介していただいたところ、爽やかに元気になれる作品が集まりました。今回も紹介したアルバムから各レビュアーおすすめの1曲を集めたプレイリスト付き。あなたの今日を彩る“あと1%の楽しみ”が見つかりますように。

- REVIEW -

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『triology』
クラムボン

クラムボンの楽曲は、「寄り添ってくれる音楽」だ。嬉しい時も悲しい時も、そっと側に居てくれるような存在…そう感じている。この『triology』には様々な表情があり、キラキラとした明るい楽曲からシリアスで落ち着いた楽曲までくるくると豊かだ。特に10曲目「yet」は、正に「なんだか元気になりたいなあ…」という時に聞きたい。震災をモチーフに描かれたこの曲は、苦しみの渦中を描いている。先の見えない長いトンネルの中を、きっと未来があると信じて駆けてゆく。シーンは変われど、混沌とする今の世の中に酷似しているのだ。日々踠きながらも進んでいく私たちの“生”を、そっと後ろから支えてくれる・未来への道筋を示してくれるそれが『triology』という作品だ。
byしおんぬ(“divergent record” owner)

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『Spin』
Tigers Jaw

Tigers JawはUSペンシルベニア出身のインディロックバンドです。メロディックパンクやエモを通過したサウンドにポップな男女混声Vo.が合わさって爽やかで気持ち良い。2018年に自分のバンドで彼らの来日公演のサポートをする機会があり、それこそ彼らのライブが圧巻だったことは記憶に新しいです。実は歌詞もやや切ない内容だったりもするのですが、そこもまた大好きなポイントです。例えば、朝起きて天気が良かったりとか、どことなく気分が良かったり。Tigers JawのSpinはまさにそういうタイミングで聴くアルバムです。個人的には外を散歩がてら歩きながら聴くのをオススメします。良かったら是非聴いてみてください!
by Takuji Yoshida(from 17歳とベルリンの壁 & Teenagers Bloody KillinG

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『Suicide Pact』
JJAMZ

2009年にマルーン5のジェイムズ、ザ・ライクのZらを中心にロサンゼルスで結成されたインディポップバンドJJAMZのファーストアルバムを是非推したい。ジェイムズ脱退後はバンド名をPHASESに改名し、現在はアナログで80'sなシンセサウンドをフューチャーしたディスコポップを奏でている。(それはそれで至高なのだがまた別の機会に紹介したい。)本作は2010年代前半の艶やかで深みのあるギターを中心に幾重にも入り組み踊るインディロックアンサンブル、春風を思わせる暖かく優しいメロディライティング、Zの少女性と色気が共存する声と柔らかくも遊びのあるテープエコーの効いたボーカル、それらが家に篭り疲弊した耳と心にジュワっと滲みること間違いなし。是非ジュワっとしてみてほしい。
by ook-boy (from VANILLA.6

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『grace』
haruka nakamura

普段私がバンドで演奏している音楽とはちょっとベクトルが違うかもしれませんが、haruka nakamuraさんの作品はどれも好きで、その中で特に聴き込んでるのが『grace』です。あえてジャンルに括るならば、エレクトロニカになるのでしょうか。ピアノ、アコースティックギター、女性のウィスパーボイス、遠くで聞こえる幼稚園の子供たちの声、カセットテープが動き出す音、風の音、ドアが開く音、賛美歌、童謡、ポップス、クラシック。生活に寄り添うおぼろげな音像や日々の見慣れた色を掻い摘み、詰め込んだ小瓶の様な作品だと感じます。今の引きこもり生活に疲れたら、既に生活に寄り添う様々なものを色鮮やかにしてみるのは如何でしょうか。この作品を聞いたら、きっと豊かで楽しい気持ちになりますよ。
by Kyosuke Nakamura(from sugardrop & alicetales

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『Nanae』
Spangle call Lilli line

スパングルがfelicity移籍前の2002年、P-VINEから最後にリリースした2ndアルバム。彼らのサウンドはこの時点で既に完成の域に達しており、その孤高とも言える美学は今も不可侵だ。ヴォーカルの大坪加奈が紡ぐ言葉は響きだけを丁寧に掬い上げられ、意味は零れ落ちている。残るのは“洗練”である。その無駄の排除こそがデトックス効果を生む。その作用が最も大きいのは、やはり「E」だろうか。意味を持たない言葉たちが流麗なメロディと共に身体へと染み込んでいき、無駄なものを浄化していく。そうして迎えるフィナーレは、強靭なリズム隊、ストリングス、そしてギターが渾然一体となり実に圧巻だ。音から溢れ出す“はじまり”の高揚感に軽くなった身体が自然と躍り出す、そんな生命力に満ちた1曲。
by おすしたべいこ出前寿司RecordsSleep like a pillow organizer)

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『Pains of Being Pure at Heart』
Pains of Being Pure at Heart

透明感とみずみずしさを併せ持つギター・サウンド、どこまでも突き抜けるような疾走感を描くリズム・セクション、儚さとノスタルジアを彩るツインボーカル。ペインズの魅力そのものが、ゼロ年代以降のドリームポップ/シューゲイザーの定義となった。1stアルバムはまさに“衝動”を焼き付けた作品で、メロディ進行、音作り、どれをとってもストレートすぎる。ただ、それが良い。中でも初代紅一点を担ったペギー・ワンの存在は欠かせない。Pixiesのキム・ディールを承継した無機質ながら味のある歌声は、存在感があるのに、Vo.キップ・パーマンの歌声にも絶妙になじむのだから凄い。プレイリストには、学生時代を共に過ごした思い出の一曲を。青とオレンジが出会う夏空の下、爽やかな風を浴びながら聴きたい名曲です。
by Pikumin(writer&“STAY TUNED!! 99.9MHz”organizer)


- PLAYLIST -

1.yet-triology ver. / クラムボン
2.Follows / Tigers Jaw
3.Heatbeat / JJAMZ
4.Lang / Holiday haruka nakamura
5.E / Spangle call Lilli line
6.Everything With You / Pains of Being Pure at Heart


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