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【第2回定期セミナー】文章を書いてお金をもらうにはどうすればいいの?ライター歴10年の木村咲貴さんがライティングの極意を解説!

こんにちは!お酒とメディアのオンラインサロン「Starter」運営の近藤ゆうこです。Starterでは月1回、文章の書き方やお酒の基礎などを学べる定期セミナーを開催しています。

5月12日(木)に、第2回定期セミナーが開催されました!

セミナーテーマは「お金がもらえる文章の書き方」です。

Starter運営メンバーで、SAKEジャーナリストとして活躍している木村咲貴さんが、お金をもらえる文章ともらえない文章の違いや、文章を書く前後で大切なポイントなどを解説してくれました。

この記事では、セミナーの様子を少しだけ紹介します。

■セミナー概要

講師
木村咲貴(SAKEジャーナリスト)
2011年、早稲田大学 文化構想学部 文芸ジャーナリズム論系卒業。国内でフリーランスとして書籍・雑誌・WEBメディアの編集・執筆に携わったのち、アメリカへ留学。2018年、カリフォルニア大学ロサンゼルス校にてJournalism Certificate修得。アメリカ初のSAKE専門店True Sakeに勤務。現在はSAKETIMES InternationalやSakeTips!など、海外向け日本酒メディアのディレクターを務めるほか、日本酒/SAKEを中心とした記事の執筆・翻訳に携わる。専門は海外流通・海外ローカル酒蔵。
公式HPより引用)

■お金がもらえる文章=誰かの役に立つ文章

そもそも、お金がもらえる文章とはどんな文章なのでしょうか?

「主に2つあります。1つは文章でお金を稼げる人(=プロ)が作る文章。もう1つは、商品やサービスの魅力を伝えられる文章です。魅力が伝えられればそれが売上につながり、お金に変わります。どちらの文章も誰かの役に立てるからこそ、その対価としてお金がもらえるんです」

誰かの役に立てるからお金がもらえる。裏を返すと、役に立たないとお金をもらうに値しないということです。もし文章でお金をいただくのであれば「誰かの役に立つ文章を書く」意識を、忘れてはいけないですね。

■書き始める前、書いた後もやるべきことはたくさんある

次に、木村さんがライティングの一連の流れを示してくれました。

「書く行為=ライティングと思われがちですが、書く前の企画から、書き終わった後の推敲や編集・校正の部分までをすべて含めた流れをライティングといいます。上の図からもわかるように執筆部分はほんの一部であり、実際に筆を入れる前と後にやるべきことはたくさんあるんです」

ただ文章を書くだけでなく、事前準備や書き終えた後の推敲が欠かせません。では具体的にどんな方法で準備や推敲をしていけばいいかを、「書くより大事な3つのこと」として教えてくれたので、詳しく見ていきましょう。

(企画や編集について詳しく知りたい方は、第1回の定期セミナー記事をご覧ください)

■インプット・構成・推敲は「書く」より大事

書くより大事な3つのポイントは、以下の通りです。

1:読書やテーマの研究を通じてインプットする

まず欠かせないのがインプット。材料がないと料理を作れないのと同じで、どんな素材を集めるか、どんな技術を身につけるかで文章の質が決まるといいます。

ここで、木村さんはインプットの具体的な方法を3つ挙げてくれました。

①読書
「赤ちゃんが自然に日本語を覚えていくのと同じで、触れた言葉が多ければ多いほど、それが自分のものになっていきます。丁寧な文章が綴られている小説などを読めば、言葉が自分の引き出しに入っていき、自然にアウトプットできるようになりますよ」

②競合リサーチ
「競合メディアを調べて分析します。いいポイントは取り入れると同時に、改善できそうな部分は反面教師にして、自分の文章の質を上げていきましょう。その記事を掲載するメディアの特徴や個性を知るきっかけにもなります」

③テーマの研究
「そのテーマについて調べると同時に、まだ世の中に出ていない情報を把握していきます。すでに世の中に出ているものに関しては、自分が書く必要はありません。例えば私が誰かにインタビューする際は、プロフィールはもちろん著書、出演番組、過去のインタビュー記事はひと通りチェックして、まだ出ていない情報は何かを確認します。なぜ自分がそれを書くのか、書くことで世の中に何を起こすのかを認識するためにもテーマの調査は大事です」

①は日常的に、②と③は実際に文章を書く前にセットで行うよう覚えておけば、より内容の充実したアウトプットができそうです。

2:構成を考えて読者を引き込む

書く前に考えるべきポイント2つ目は、構成(=文章の骨組み)。世の中にある多くの文章は「導入・内容・結論」部分で構成されており、書き始める前に骨子を作るのが大切だと木村さんは話します。ちなみに、導入と結論は読者にどんな効果をもたらすのでしょうか。

「導入の部分は、アメリカのジャーナリズムでは『HOOK(フック)=釣針』と呼ばれています。つまらない導入だと読者はエサに引っかかってくれないので、続きを読んでもらうためにも、読者の心をグッとつかめる導入にするのは重要です。

そして大切なのが結論。『いかがでしたか?』や『今後に期待します』と締めてしまいがちですが、読者を次の行動へつなげる締め方をするのが理想です。記事を読んだ後に、読者の行動を一歩後押しできるような結びを心がけましょう」

普段何気なく文章を読んでいるときは、導入や結論を含めた構成を意識しないかもしれませんが、読者を引き込むためには内容だけでなく構成の組み立て方が大事であることが分かります。

3:書いたあとに何度も読み返す

そして、文章を書き終わった後は、それを何度も読み返して推敲します。

「読み返さずにそのまま提出するのは、料理人が作った料理を味見せずにお客さんに提供するのと同じです」

読み返す方法は以下の4つを紹介してくれました!

すぐに実践できる方法ばかり!独りよがりな文章にしないためにも、何度も読み返して客観性を養っていきたいです。

■お金が「もらえない」文章に「ない」ポイントとは?

続いて、お金がもらえない文章に「ない」6つのポイントを木村さんが解説してくれました。逆に言うと、その6つを抑えればお金がもらえる文章に変わるということですから気になりますね!この記事では、6つのポイントから3つを抜粋して紹介します。

1:書き手のポジションが定まっていない

「自分を出して一人称でしゃべるのか、出さないで三人称でしゃべるのか、語る視点を最初に設定してあげましょう。例えば、ずっと三人称で進んでいた文章なのに、ラストで突然『今後が楽しみですね』と違う人格が出てきたら、読者は『いきなり出てきたこの人、誰?』と違和感を覚えますよね。ですので、自分を出すか出さないかはあらかじめ決めておき、最後まで貫きます」

2:読者の視点に立てない

インターネットで発信する記事は、どこの誰に読まれるか分からないもの。木村さんは「読者は、自分と異なるバックグラウンドを持った他者だと定義する必要がある」と話します。

「例えば読者が『ほかのお酒との違いを知りたいのか』あるいは『ギフトに最適なお酒を探しているのか』によって、欲しい情報は当然変わってきますよね。何のためにこの記事を読むのかを読者の立場に立って考えるのが、商品をより広く知ってもらえたり、狙いたい人にアプローチできたりすることにつながります」

また、「知っていて当然」と思ってしまいがちな用語やトピックに関しても、読者が知らない前提で噛み砕いて説明したり、注釈を付けて書いてあげたりするのが親切とのことです。

3:情報の取捨選択ができない

特にウェブ記事は文字数制限がタイトでないため、気がついたら冗長な文章になってしまっているケースは多いとのこと。

「インタビュー中に相手が話す言葉をそのまま書いてしまうケースも、冗長さを生む原因のひとつです。最低限必要な情報や単語だけで読みやすい文章を作る意識を持ちましょう」

そのほか、「文章が書けない時の乗り越え方」や、質疑応答時間ではより具体的な導入文の書き方もレクチャーしてくれて、充実した時間となりました!

[運営・近藤の感想]
話を聞いていて、独りよがりな文章ではお金をもらうに値しない、画面の向こうにいる読者に最大限寄りそう意識を大切にしなければ、届けたいメッセージも届かないことを改めて実感しました。そして、読者目線は執筆時のみならず、書く前の企画や構成、書いた後も持ち続けるべき意識であることを肝に命じたいと思います。

これからも、読者が知りたいことを盛り込めているか、この表現は万人に通じるものなのかを常に考え、都度振り返りながら大切に言葉を紡いでいきたいです。

Starterの会員の方は、今回の定期セミナーのアーカイブ動画を見ることができます。

来月の定期セミナーでは、Starterコーチのクリーミー大久保さんが短い文字数のライティング法を解説しながら、その場で手を動かす「新人ライターブートキャンプ」を開催する予定です。次回もお楽しみに!

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