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ボーイズラブの歴史と変遷。

こんにちは、雲州はとむです。今回は「ボーイズラブの歴史と変遷について」を書いていきますね。

ボーイズラブ、男性同士の恋愛との出会い。


私が初めて男性同士の恋愛模様に触れたのは、多分6歳で「パタリロ!」を読んだ頃だと思います。当時、地元の商店街にあった山下書店にて、おそらく叔父か祖母に買ってもらったんじゃないかな……。従兄弟達と違って一人っ子だし本当に静かな子供だったので、二人からは特に本をよく買ってもらっていました。


その頃は竹宮惠子や萩尾望都が、少年同士の恋愛をドラスティックに描いた「風と木の詩」や「トーマの心臓」など、また今のボーイズラブジャンルとは一線を画した作品が多く、それらもお小遣いやお年玉でほぼ全巻揃えていったと思います。

「はいからさんが通る」や「いるかちゃんヨロシク」などの少女漫画も大好きで、大人になってから改装版にて買い改めたりリメイク映画の初日舞台挨拶に行ったりしたけど、私は子供の頃からどうにも「普通の男女恋愛」にほとんど興味を持てなかった。



花とゆめ、Laraの代表作と「BANANA FISH」


お小遣いを綿密に計算して、定期的に隔週マンガ雑誌を購入し始めたのはその頃で、別冊花とゆめに連載されていた「ツーリング・エクスプレス」にどハマりしんですね。河惣真純さん原作のハードボイルド・ボーイズラブ、というジャンルになるのかな。まだ現在も続いているはず。途中で卒業しちゃったので……。

花ゆめとLaraは特に、男性同士の恋愛やブロマンス作品で特出した作品が多かった。樹なつみの「OZ」や、「ここはグリーンウッド」「天使禁猟区」など。
私が中学生になると、伝説的漫画である「BANANA FISH」が別冊少女コミックにて連載スタート。つい最近になってアニメ化されたりして、再ブームを起こしましたよね。


大手壁サークルの商業誌デビュー時代。



私が高校生になった当時、超大手壁サークルさんには数々の伝説があったりしました。「彼烈火」でキャプテン翼のBL二次創作を描いていた尾崎南さんは、真紅のスープラに乗って、シャネルのスーツ姿で晴海会場に来ているとか、「yarrow co」の田村ゆかりさんは、売り子さんに無償でピンクハウスの服を制服提供しているとか、「夜嬢帝国」の高河ゆんさんはお抱え声優でもある佐々木望さんと交際しているんじゃないか、などなど。

どれがどこまで真実かはいまだに分かりませんが、晴海埠頭会場で壁に配置される大手サークルは、それだけカリスマ性があったということだと思います。

  


長く日陰の存在としてひっそり活動していた二次創作BLサークルに革命が起きたのは、尾崎南さんが別冊マーガレットにてプロ連載を始めた時。

それまではリリカルなお花を背負った可愛い女の子がカラー表紙に置かれていたのに、突然目から真紅の血を流す裸の男性がドカンと登場したのには本当に驚かされたし、時代的にもかなりのセンセーショナル。

そこから、一気に二次創作BLサークルが怒涛のプロデビューを続けていきます。CLAMP、えみくり、突貫工場おぢろう組など。漫画だと麻々原絵里衣さんや新田祐克さん、やまねあやのさん、そしてよしながふみさん。

「男同士のりぼん」と呼ばれた漫画小説作品を作り続けているえみくりさんは、「ミスター味っ子」のアニメ放送時に、高山みなみさんご本人を起用したBLカセットドラマを製作し、大きな反響を呼びました。


2014年代の、超人気シリーズ。声優陣も滅茶苦茶豪華!


「ボーイズラブ」誕生、平成BL最高潮時代へ。


私は中学二年生で初めて、サンシャインシティにて開催されたコミック・レボリューションにて同人誌購入をして、それからほぼ30年以上をコミケや他イベントにて二次創作BL畑の中で生きてきました。購入はもちろん、自分でかなりの数の本を作ったし、個人即売会も主催したり。

ただ父が肺がんになって入院した頃は、二次創作から少し離れてオリジナル商業BLを大量に買った時期が数年あります。「ボーイズラブ」という言葉が自立して一人歩きをしてしばらく経過した頃です。どこの誰がこの単語を生み出したのかは分からないんですが、素晴らしい表現だと思いますね。


父親が入院生活をした期間は短かったんですが、その頃に私は……、おそらく池袋のジュンク堂で一ヶ月に二万円くらいBLに注ぎ込んでいたはず。アニメイトや通販にてCDも初回特典付きで予約していたし、生まれて初めてサンシャインシティで開催されていたオリジナルBL同人誌即売会「Jガーデン」に一般参加しました。

欠かさず、雑誌のアンケートハガキは出していて、ある時はiPodが当選したりしましたね。応募する人が少なかったのかな。作家さんのサイン会に行きたくて、大阪まで遠征したり。本当に華やかな頃でした。

コミティアと比較すると、サンシャインでのJガーデンはビッグサイト程会場が広くなくて、一度にミニマムなスペースで好きな作家さんと直接お会いできて楽しかったです!

大尊敬している榎田尤利先生に、ちょっとした差し入れを持っていってサインを頂いたんですが、その時に「こんなプレゼントなんていいんですよ。私たちは普段、本を買って頂いているんですから。サインなんていつでもしますよ」と言って下さって。ご自分が元々は編集のお仕事をしていたことや、どういう流れで作家さんになったのかとか、貴重な体験談を聞けたりもしました。



「腐女子」、一人歩きを始めた言葉。


それと同時期に「腐女子」という言葉も誕生。多くのBL好きが自称するんですが、私はどうやらここの枠にビミョ〜に当てはまらない気がしています。「晴海世代の同人誌女子」の方がしっくりくるかなと。最近ではボーイズラブを読む「腐男子」が、物語そのものの主役として設定されることも増えました。

カラーが華やかな表紙のBL雑誌が何冊も創刊されたし、2006年の頃のBLCDは二枚組の豪華なシリーズが多く、ゴージャスなら声優を何人も起用して発売されたり。作家先生のサイン会や握手会なども、アニメイトで優先開催されたり、アニメ化され映画化も続きました。最近は深夜ドラマ化も珍しくはない。

まだまだ無名だった神谷浩史、小野大輔、中村悠一、杉田智和など、現在ではアジアで大人気を誇るスター声優も、ここから成長していきました。


令和、国際化するボーイズラブドラマ。


Twitterで一気に拡散された名場面。


そして令和になってからは、驚くべきことに国外でのボーイズラブ作品の映像放送が超人気の潮流を作っていきます。特にタイと中国! 「SOTUS」や「2geter」などが有名ですよね。本当に最近はタイのBLは元気でパワフル!



圧倒的な製作費をかけた中国では、時代劇転生ファンタジーブロマンスが目立ちます。wowowで優先放送されていた「陳情令(ちんじょうれい)」「山河令」や、Netflix配信の「陰陽師」リメイクなど。



日本国内でも、「おっさんずラブ」や「30歳になっても童貞だと魔法使いになれるらしい」「きのう、何食べた」がTwitterで連日トレンド入りをしたり、展示会や映画の舞台挨拶などにファンが殺到しました。


町田啓太くん(劇団EXILE)と赤楚衛二くん(仮面ライダー出身)が、一気に大ブレイク!


21世紀、これからのBLは。


溢れる商業BLのドラマCD


私が晴海コミケに参加した頃とは比較にならないほど、ボーイズラブはエンターテイメント文化として定着したし、ある意味では月9ドラマよりも世界的なファンを獲得しています。

これからネットコミックやYouTubeでの無料配信など、また進化したBL作品がどんどん登場していくはず。どれだけ進化していくのか見守っていくのが楽しみです。

おそらくは自由な性別思考について深く探求するドラマや映画が、どんどん増えていくのではないかと思いますね。「大奥」は本当に心待ちです!!




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マダム、ムッシュ、貧しい哀れなガンダムオタクにお恵みを……。