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アマプラ「赤と白とロイヤルブルー」!

こんばんは、雲州鳩です。11日の祝日金曜日は、日本時間AM10時以降にAmazonプライム・ビデオ「赤と白とロイヤルブルー」の配信がスタートするので、昨日から落ち着かなくて!

四時間しか寝ていないのに、既に四回も観てしまったああああ!!



ボーイズラブというよりも、リアルゲイセクシャルのラブコメというのかな。ただ安直に、セレブリティな二人の遠距離恋愛を描くんじゃなくて、アメリカの激動的な大統領選や、英国王室の保守的な慣わしなど描写が、大雑把ながらきちんと語られていて、それが良かった!

ラブストーリーを声を上げて笑いつつ観るなんて、何年振りだろう……。二時間の単発ドラマなんですよ〜。もっと観たかったなあ。



アメリカの女性大統領を母に持ち、幼年からのメキシコ移民を父に持つ一人っ子、アレックスは明るく前向きで、誰に対しても優しく気さくなハンサム青年。

そんな彼には、同世代のライバルが存在した。英国王室の次男であるブロンド碧眼の王子様、ヘンリー。



年齢も体格も社会的地位も引けを取らない二人は、常にマスコミから比較対象にされてはいたが、アレックスは第一印象が悪かったヘンリー王子を、徹底的には嫌いになれなかった。

ヘンリー王子の兄である、次の英国王フィリップの結婚式にて、二人はやはり喧嘩腰に。揉み合っているうちに巨大な、税金出資七千万ポンドのウェディングケーキの下敷きになってしまう。



バイトボーイのインスタから流出した二人の生クリームだらけの姿に、マスコミを通じて仲の良い対談を見せつけなくてはならなくなり、行動を共にする機会が増えていく。



そしてニューイヤーカウントダウンパーティーで酔ったヘンリーは、アレックスに突然のキスを落とし、そして抱き返してしまうアレックス。

やっぱり元々アレックスは王子のこと好きだったのね、と実に上手い流れ!

深い愛に満たされたアレックスは母の二回目当選を叶わせるべく、敵地テキサスでの草の根政治運動に情熱を燃やし、更に二人の遠距離恋愛も焔に燃え上がるが……。


小林親弘さんのアレックスが、超絶最高!!




私は最近、時間的にどうしてもエッセイや原作プロットを書きながらテレビを見るしかないので、吹き替え番が声優好きとしても本当にありがたいんですが、「ゴールデンカムイ」にて、主役の杉本佐一を演じる小林親弘さんのアレックスがとにかく!! 最高に素晴らしかったです!!!



アレックスはとにかく捻くれたところが全然ない人で、まずは人の意見をよく聞くんですね。話し方もゆっくり穏やかで、否定や批判からの発言をまずしない。そして何より、まだ二十代後半にも関わらず、アメリカの貧しい人達を助けて世界を良くしたいと心の底から願って、大統領を務める母親をフォローしている。

政治家としての能力も特出していて、民主党が圧倒的に不利な保守の地盤テキサス州で、なんとか投票数を増やすべく自ら泥まみれになって汗を流し、スタッフと一生懸命選挙を戦っていきます。

アレックスもきっと十五年後には、男性と結婚をしているメキシコ系の大統領になっていると信じられるし、今よりはずっと良い世界を作ってくれてるんじゃないかなと。まさに彼は、新世代の希望の象徴なんですよね。

そんな彼の輝く姿を、「牢獄の城」の中から応援し続けているヘンリーが、逆にとっても可哀想……。


私は原作未読なのですが、ドラマ中でアレックスのヒスパニック移民であるパパが、こう息子に話しています。

「(自分がクリスチャンでも)、同性愛に反対なんてしないよ。昔は、私と母さんもまだ勢いが凄くて、若いうちにお前ができたから……。迷いや戸惑いが大きかった。でも、自分の人生ここだと決めたのなら、一度は飛び込んでみないとね」


この小柄なお父さんがとにかく大物でして。世界の頂点に君臨している奥さんをひっそり影ながら支えつつ、息子の一世一代の愛をフォローします。

12歳の頃にメキシコから移民してきた彼は、それは筆舌に尽くし難い貧困や差別に遭遇したと思うんだけど、妻が大統領になった生活に対しても「人生は、何が起こるかわからんもんだなあ」とサラッと言えてしまう……。




「性教育は、親の義務です!」


私が世界で一番尊敬し、ブラッド・ピットに「アーロンのホンなら、喜んでノーギャラで出る!」と言わせしめたアーロン・ソーキンが、こう「ホワイトハウス」にて、キャラクターに断言させています。

「性教育は、(教師や牧師ではなく)親の義務です!!」

私も、この一言には本当に賛同します。私は生涯で誰とも関係を持たずに生きてきたけど、それは子供の頃から、両親や親族が肉体関係や同性愛に対してきちんと、私や従兄弟姉妹を学ばせてくれたから。

早くから「自分は軽々しい恋愛や結婚で、誰かと無責任なセックスや妊娠や出産をするのは絶対に嫌だ」と決心したんですね。

両親は裕福じゃなかったけど、ちゃんと奨学金や家庭教師&英訳バイトで大学に行って、世界の調和や残酷な戦争の歴史を私に細かく教えてくれた。性差別や人種差別が、地球を醜くくしていく現実も。

だから、「えー、誰にも迷惑かけてないんだから、同じ性別の人と結婚してもいいじゃん」「彼ら彼女らも税金払ってんのに、何か文句あんの?」と言い聞かせてくれていた両親や親族には、本当に感謝してます。叔父や叔母が画家や、ファッション業界にいた影響も大きい。


女性大統領であるアレックスの母、演じているのはハリウッドの大物ユマ・サーマンですが、彼女がカムアウトした息子に、宅配ピザを一緒にソファの上で食べつつ伝える台詞。


「これ以上進む前に、本気の愛情になるのかちゃんと見極めて。この関係は人生を左右させるものになるから」
「こういうシチュエーションの性教育はしてなかったけど、アナルセックスをするのなら、絶対にコンドームを使用しないとね。HIVの感染を防ぐ為に、HPIワクチンの接種も必要になるわよ。世界保健局のテキストも読むこと」


三億三千万人の支持者を得るのに、これ以上相応しい人はいないな、と思いました。


ちなみに、ヘンリー王子の吹き替えは、「the First slam dunk」水戸洋平役の益山さん。多分、ザファのキャリアがあったからこそ、この役柄に抜擢されたんでしょうね。




二時間は短いけど、本当に良い物語!


本当は、もっと原作ではたくさんの登場人物も出ているし、伏線も多々あるらしいんですよ。先ほど、電子本を挿入しました! お風呂から出たら読むぞう!

本当に「どうして、二時間だけなのよおおおおおお!!!??」(cv能登麻美子)
なくらい、あっと言う間に終わってしまうんですが(泣)

でも、最近すっかりワンパターン化してしまった日本のボーイズラブや、当たり障りのない退屈で保守的な国内ラブコメストーリーなど、足元爪先さえも及ばない、世界や人間の精神進化について考えさせられる物語でした。

「21世紀に王室が残っているなんて、いくら何でも時代遅れだ。僕らのやってることは、国民の生活にとって無意味なんじゃないだろうか」

このヘンリーの台詞は、複雑だったなあ。私は亡くなったエリザベス女王やそのお母様の先代皇太后が、ヒトラーへの牽制に絶対、大空襲の中でも国民を置いていかずにバッキンガムに居続けたことを知っているから。






「皆さんがお読みになった記事や写真が、二人の未来や祖国や政治にどう影響するか、ずっと悩み続けてきました。そして、私達二人が築き上げてきた気持ちや、デリケートな気持ちのやり取りが露見されるとは、想像もしませんでした。
セクシャリティな問題は、本人達の望まない形でカミングアウトさせられるべきではありません。今回のことで、私達はいつ自分達の性的思考やアイデンティティを世界に伝えるか、その機会を奪われました。
こういう話題は、自分達が公表するかどうかを決めるべきであり、また公表しないという選択もあるべきです。性的な事を本人以外が暴露はされるべきではない。恥ずかしいからではなく、プライバシーの問題だからです。自己決定権は、人間が持つ最低限の権利です。
恋に落ちた人は、たまたま男性でそして偶然、英国の王子でした。私は殿下を、心から愛しています。ヘンリー・ジョージ・エドワード・フォックス王子を」


このアレックスの、世界へ向けてのコメントで、果たして大統領の第二期はどうなるのか。そして二人の結末は。


ぜひ、この連休中に大切な人と「赤と白とロイヤルブルー」を見て下さい。

こんな醜く荒んだ世の中ですけど、私はこの作品を今日一日中見返して、ちょっとだけ、明るい未来を楽観視してもいいんじゃないかと、神様に囁かれた気がしました。







俳優二人も、阿吽の呼吸!

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