「アンという名の少女」S1再放送。
酷暑疲れと低気圧で8月最後の土日を寝込んで過ごしましたが、今朝はこのドラマ録画を観る為に起き上がりました。去年リアタイを見逃していたので、NHKシーズン2放送前に嬉しい再放送!
Twitterなどでかなり盛り上がっていた作品なので、「原作との大きな違い」はほぼ把握していたんですが、やっぱりメンタルが落ちてる時にヒロインが辛いストーリーを観るのはキツいなあ。子供の頃は「キャンディ・キャンディ」や「小公女セーラ」をアニメで視聴してたんですけど、自分が加齢したから余計に苦労する主人公を正視出来ないのかもしれません。
最強無比のミーガン版、アン・シャーリー。
私の世代はどうしても、あのミーガン・フォローズ主演の完全無敵な「赤毛のアン」と、そして高畑勲監督アニメで育てられたからか、なかなか固定イメージから脱却しにくいんですね。私自身、アニメはメモリアルBlu-rayBOXを所有しているし、映画版もほぼ台詞を完コピしております。
映画版は、後日談スピンオフ「アボンリーへの道」もNHKにて長期放送されていた強みもあります。平日の夕方18時頃だったので、家族と観覧していたお宅も多いのではないでしょうか。
新世代のアンとギルバート。
私が「アンという名の少女」を観る覚悟をしたのは、YouTubeにてシーズン3の展開を覗き、ギルバート・ブライスを演じるルーカス・ジェイド・ズーマンの溢れる魅力に惹かれたからです。
アン・シャーリーのまさに「運命の相手」であるギルは、映画版ではジョナサン・クロンビーが見事な好演を披露しています。残念ながら48歳の若さで急死してしまいましたが、昭和生まれのアンストーリー好きには彼のシャイな笑顔が記憶に残っている人も多いのでは。
「ギルバートは色白で、ブルネットの長身」のイメージを確固たる物にしたクロンビーの影響から、今回のキャスティングはまさに私の理想通り。ドラマ視聴の勇気を貰いました。雰囲気が少し、子役時代のジョゼフ・ゴードン=レヴィッドに似てるんですよね……、私は彼が大好きなもんだから。
アン役のエイミーベス・マクナリティの新鮮なアンも、成長していく彼女を見ていると「少しずつ咲き誇っていく才媛」を表現していて役にピッタリ。こちらは高畑勲監督と近藤喜文さんの描いたアンにシンクロしていますね。
今回のドラマ化に寄せられた感想や意見を色々読みましたが、監督と脚本の大冒険を賛辞している意見が大半。私も実際に4話まで見終わり、既に二次創作とも感じられる展開の激しさは期待を持たざる得ません。
冒険する他なかったNetflix。
とはいえ、2015年に公開された「赤毛のアン・卒業と初恋」が散々な批判を受けた過去もあります。私もマーティン・シーン演じるマシュウは「どう見ても、ルーテル大学を卒業した民主党の大統領……」にしか見えなかったので。
おそらく、Netflixはここまで原作と別方向のアンの物語を生み出さなければ、永遠にミーガン・フォローズのアンには並べないと悟ったのではないでしょうか。令和の今、どんな絵柄のアニメをリメイクされてもなかなか「高畑勲版」以外を受け入れられないように、実写ドラマも時代の変わり目に立ち向かっている意気込みを体現してくれたように思います。
それにしても、深刻な大人の事情にて打ち切りの危機に晒されてしまった「アンという名の少女」は、本当に残念なラストになってしまいました。個人的に「ルシファー」や「ハンニバル」ドラマが立ち行かなくなった経緯を知っているので、素晴らしいキャストを見続ける為にも、何か他の形で上手く終焉の美に辿り着いて欲しいです。これだけ配信番組が色々放送されているのに、なかなかハートに刺さる作品とは出会えないからなあ。
マダム、ムッシュ、貧しい哀れなガンダムオタクにお恵みを……。