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映画『特捜部Q キジ殺し』

2013年/製作国:デンマーク、スイス、 スウェーデン/上映時間:119分 
原題 Fasandraeberne 英題 The Absent One
監督 ミケル・ノガール



予告編(日本版)



STORY

 未解決事件を解決した功績により本格的に始動することとなった特捜部Qに、秘書のローセ(ヨハン・ルイズ・シュミット)が新たに加わる。
 人当たりの良いアサド(ファレス・ファレス)はローセとすぐに意気投合したものの、カール・マーク( ニコライ・リー・カース)は案の定人見知りし、早々にローセの不評を買ってしまう。

 ある夜、職場のパーティからの帰宅途中のカールは、彼を待ち伏せていた老人から突然「20年前の殺人事件を再調査してほしい」と懇願される。
 しかし老人の精神状態が正常ではないと判断したカールは、その懇願の内容に耳を傾けることなくその場を立ち去る。
 翌日、警察からの電話により起こされたカールは、自殺事件の現場へと呼ばれる。
 すると死んでいたのは、昨夜の老人であった。
 そしてその部屋にはカール宛ての段ボールが置いてあり、その中身は老人がカールに再調査を依頼していた例の事件の資料であった。
 自殺した老人は元警部でアーヤンスンといい、20年前に彼の子どもである双子の兄妹トーマスとマリーが惨殺されており、彼はどうやらその事件の調査結果には納得しておらず、警察を解雇されてからも独自にその事件を追い続けていたらしいのだ・・・

 自分の刑事としての能力を信頼し、最後の気力を振り絞って命懸けで助力を求めてきたアーヤンスンの懇願を、冷たく無視してしまった罪悪感から、カールは事件を再捜査することを決意する。
 しかしその事件には不審な点がいくつかあるものの、早々に容疑者が逮捕され解決したものとして扱われている事件であり、真相へと繋がりそうな手掛かり(情報)は、余りにも少ないのであった・・・

 はたして新メンバーを得た特捜部Qは、20年前の事件を真の解決へと導くことは出来るのか?
 

レビュー

 金持ち同士が裏で結託し社会を牛耳り、大きな犯罪を起こしても金の力と余りにも汚いあの手この手でもみ消し、罪を逃れてゆく現実がありますけれども、本作の特捜部Qは、そんな現実の不条理の壁に果敢に立ち向かいます。

 観ていて嬉しかったのは、特捜部Qの仲間(特別枠)として「猫ちゃん」も一匹加わることとなり、それによりメンバーは倍増し、俄然華やかになったこと。
 猫ちゃんが一匹いてくれることにより、閉塞感満点の地下室があんなにも和む空間になるなんて・・・
 やはり猫ちゃんは神の化身なのである。

 本作はかなり過激な暴力描写の連続で中々にハードな内容ですけれども、陰残な暴力描写の他に、カールとローサの人間関係、カールと義理の息子との人間関係、等の盛沢山もりだくさんな人間関係が描かれており(ネタバレに繋がる恐れがあるため他の関係については触れません)、とても楽しめました。
 ※めっちゃ仕事の出来る新メンバー、ローセの活躍っぷりも良い

 本当に上質なエンターテイメントだなぁと思います。
 


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