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2021 / 2 /19 の星の声



龍をたぐる



朝日を、全身に浴びて、目を覚ます。

起き抜けの体に、水分を含ませる。

清流を汲んでも、水道をひねっても、なんでもいい。

ペットボトルの水だって、かまわない。

それぞれが気に入った水を、潤い満ちるまで飲む。


次に、空を眺める。

雲の動きから風の調子を感じて、空の表情を確かめる。

日毎変わる青を、じっくり見やる。

曇天ならその雲に目を凝らす。

雨天ならその音に耳を澄ます。

そのわずかな時間から、龍をたぐる。





外野にまわされたヤキモキ星



おい! アンタら!!
こんな大事なときにいったい何してんだ!

相手の出方伺ったり、遠慮したり、躊躇したり、、、
あーーーーーー! もうガマンならねえ!!!

いつまでもそのままでいたいならそうしたらいいさ。
でもな! オレたちが愛想尽かしたら、もうオシマイだぞ!?

いいか!!!

アンタらがつくった分断は、大した溝じゃねえ。
一瞬でひとまたぎできるくらい、あっさーーーーい溝なんだ。

そんな図体して、何を怖がってんだ。
アンタらより小さいアリさんだって、10秒もかからず渡れるんだぞ?

怖くもなんともねえだろう!
アンタらが信じてるのは、ほとんどが幻想なんだ!!


いいかげん、目ェ覚ませ!!!!!


アンタらの言う協力とか、協調とか、連携ってのはな、
手を差し出し合うことでも、お互いを信じ合うことでもねえんだ。

余計なこと考えんな!

アンタらは、どんなことも全部自分の思い通りにしようとしてる。
もちろん、やりたきゃやればいいさ。そんなのは自由だ。
いろんな星の軌道を無視するようなことであってもかまわねえんだ。

だがな、一人の人間のエネルギーなんてたかがしれてるんだよ。
あっという間に袋小路を迎えるさ。

アンタら人間ってのはな、笛みたいなもんなんだ。
笛は誰かが吹かなきゃ音なんて出ねえだろう?
それなのに、笛のアンタらは自分でなんとかしようとするんだ。

自分だけじゃ音なんて出せないクセに、「自分が、自分が」って。
ったく、何考えてんだ。

アンタら人間は、万物の息吹を通して初めて音が鳴らせるんだ。
その音こそ、神が熱望する創造さ。

それができるのは、アンタら人間だけだ。

アンタらはひとりひとり、まったく別の音が出せるんだ。
そりゃもう、どれをとっても美しい音だ。

アンタらはその音を鳴らしに、命や体をもって生きてるんだろう?

それなのに、ほんっっとうに何してんだか!!!
あーーーーーーーーー、バカバカしい!!!!!

アンタらが、アンタらの音を出せない限り、
協力も、へったくれもねえ!!!

いいか!!?

まずは、アンタの音を知ることだ!
誰かの役に立とうとか、余計なことをいちいち考えんな!!
万物の息吹を、もれなくアンタのすみずみに通すようにするだけだ!!!

なにィ? どうすればいいかって!!?
そんなことも忘れちまったのか!?!?!?

あーーーーーーーーーー!!!
もうガマンならねえ!!!!!!

オレたちを地球へ行かせろおおおおおおおお!!!!!!!!





星魂観測所の見解



太陽系第六惑星、土星の環の各所に存在する星魂観測所の見解です。


小惑星じいや・ばあや連合による奇襲作戦は、多くの星魂の本質回帰に有効、もしくは成功した模様。しかし、連合部隊による作戦は超高齢のじいやばあやの息切れによって、現在衰微の一途をたどりつつある。

その影響からか、世界中の星魂の多くの意識が、本質回帰とは別の方に向かい始めていることが見受けられる。星魂の意識転換を目的とする星々とのいたちごっこが再開された感は否めない。

過去においては甚大な自然災害や戦争、伝染病の流行などを通して、星魂全体の意識改革と呼ぶにふさわしい意識転換があった。もちろん現在もなお、それらの可能性は少なからず存在している。しかし、この期に及んで過去と同じ選択をするつもりは、地球自体もないし宇宙全体の総意としてもない。

では、本質回帰へ向かう星魂の意識転換にどのような出来事が必要か。

星魂が地球上で蓄えたエゴの暴走にとどめを刺す一手ではなく、少しずつ緩やかにエゴの忘却に向けて活動する星魂も存在するが、極めて少数のため短期的な結果は得られそうにない。

そこで今、天の川銀河の代表者たちが知恵を出し合って、前例のない実験が計画された。星魂が、生命や身体を保持したまま人間として存在し続けながらも、限りなく本質回帰するために二つのエネルギーが用意されることになった。

ひとつは、破滅とは無縁の"驚き"、そしてもうひとつは、かつてないほどに膨大な量の"愛"の放射である。
前者は地球内部に暮らす地底人と海底に住み始めた月の人々に、そして後者は太陽の人々に協力を仰ぐことに決まった。

この実験は一時的なものでなく、約二年ほどの歳月を要する。
実験開始は、西暦2021年2月22日月曜日とする。経過報告は順次、数多くの星魂の表現を通じて、全世界に発信していく予定である。

この計画は、予想以上に大きな成果をもたらすだろう。



太陽系第六惑星 土星環中
星魂観測所 ヴェリタス



今週は、そんなキンボです。






こじょうゆうや

あたたかいサポートのおかげで、のびのびと執筆できております。 よりよい作品を通して、御礼をさせていただきますね。 心からの感謝と愛をぎゅうぎゅう詰めにこめて。