見出し画像

『死にたがりの君に贈る物語』を読んで

はじめに(この記事について)

 読書の秋2021の企画記事を読んで(本当はどんな本でもいいのだと思いますが)どうせならと思い課題図書のひとつにチャレンジしてみました。読み終えたのはよかったのですが、この読書感想文記事を書き始めてすぐ、悩みがいくつか出てきました(^^;
 いつも読書後、割とすぐにツィートできるぐらいの感想が言葉になって出てくるのですが、今回はなぜか、"涙"と"ありがとうという一言"しかなかったのです。また、この感想を書くにあたり紹介記事などではなく【読書感想文】というキーワードでした。学生時代に書かされたあの原稿用紙と固い文章が思い起こされて、さてどうしようかと思いあぐねました。
 こうして素人が二日ほど悩んだ結果、いつもの私なりの「紹介記事」と「読書感想文」を両方一つの記事にまとめてしまおうというというのが絞り出した無理やりな結論でした。多少ネタバレ感というか、読む前だと楽しみが減る可能性ももあり得るので、気になる方は読むことをおススメできません。ご注意ください。
 買いに書店にいくとサイン本がこのタイミングで店頭にあったのは偶然でしょうが、どこか引き合わされたと感じるところでもあります。

【紹介・読書感想記事編】

死にたがりの君に贈る物語
(↑あらすじや詳細な情報はポプラ社ホームページでご覧ください)
著者:綾崎隼 発行所:ポプラ社
装幀:bookwall 装画:orie

画像1

 作中小説『Swallowtail Waltz』の著者ミマサカリオリの訃報ツィートに、その読者の自殺未遂とプロローグから畳みかけるような構成で一気に物語に引き込まれていきます。スマートホンとSNSのおかげで手軽に色々な情報を手に入れられるとともに、その真偽がわかりづらい情報や発信する人たちの刹那の感情の不安定さにずいぶんと影響される息苦しい世の中だなと改めて感じさせられるところでもあります。中里純恋の愛が重すぎるような気もしますが、不思議とそれもまた素晴らしいことなのだと思えてきます。
 ところで、ミステリ好きの皆さんは、やはり小説家ミマサカリオリは誰なのか?その目的は?というような謎とその謎解きに夢中になるのでしょうか。登場人物紹介や廃校マップを見ながら頭をひねる。それもひとつの楽しみ方だとも思います。
 ただ、本を読み始めると私はあまり難しく考えていないこともあり、そんなミステリ感やサスペンス感にあふれる描写にも関わらず、二重の物語『Swallowtail Waltz』を読んでいるとした思えませんでした。狂信的ともいえる読者の中里純恋と攻撃的な佐藤友子、そして小説家ミマサカリオリ自身への、私たち読者への物語として読んでいたのです。読後では、このタイトルもそういう意味が含まれていたのかなとつい深読みしてみたくなります。
 7人の男女が小説をなぞるように廃校での生活する様子や、語りあったり、感情をぶつけ合う光景を思い浮かべながらも、私は小説家ミマサカリオリの心のさけびを聞いているように感じていました。だから謎解きをしようとは考えになかなか至らなかったのですが、それは「塚田圭志・山際恵美・佐藤友子・中里純恋」の4名について、割と初めの方でその関係性に気づいてしまったというのも一因ではないかと思っています。でもそれも本作の著者の狙いだったのではないかとも読後落ち着いて感想を書いている今では思っています。
 印象的で思わず涙があふれる【あとがき】もやはり二重に感じていたせいかうまく言葉を紡ぐことができず、出てきた言葉はただ【ありがとう】だけだったのです。これはなんとしても読書感想文でお応えせねばとこの記事を書きはじめましたが、ここにきてやはり素人の文章力の限界を感じています。そしてなぜか、<あとがきへの返事を持って感想に代えたい>と思い至りました。
 それは作中の小説家ミマサカリオリ宛だけでなく、綾崎隼先生をはじめとする小説家みなさんへ宛てたのものにしたいという想いからか、作中の中里純恋がのりうつったのか、やはりファンレターのように手紙にしたく、慣れない万年筆で創作にチャレンジするという暴走をしてしまい、今ちょっと反省をしています
 自分で書いておいてなんですが、もはや正気の沙汰ではないというか、ちょっとした狂気と恐怖を感じてしまってもいます。(苦笑)それでもせっかく書いたのにもったいないと思ってしまう自分をいて、乱文乱筆でお目汚しになるかもしれませんが、掲載することを決心しましたので、よければ読んでみてください。

画像2

読んでくださった方、ここまでお付き合いいただき、本当にありがとうございました。

【読書感想文編】

 冒頭に書いた通り二本立てとするべく、手紙でおなか一杯のあなたへにさらに追い打ちをかけているかのようですね。大筋は変わらないと思いますが、こちらはさながら中高生が学校の宿題で提出する感想文をイメージして書いたものです。そうした設定として2000文字以内という制限を自分に設け、wordで原稿用紙デザインで作成しました。本当に提出すると赤ペンでずいぶんとダメ出しをされそうだなと思っていますが、こっちの方が狂気は薄れていると感じるのは原稿用紙デザインと手書きではないからでしょう(苦笑)PDFにしていますので、よければご覧ください。ここまで読んでいただきありがとうございました。


この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?