日記と宣伝(2022.11.14)

まだ夜が明けないうちに家を出て電車を乗り継ぎおよそ2時間半。父親の暮らす施設に到着した。今日は月に一度の通院の日。迎えのタクシーにちょっとお待ちください、と声を掛けて中に入る。父親は退院した時と同じような目の濁り方で待っていた。鼻から吸う酸素チューブも常時着けるようになったらしい。外出用の酸素ボンベのセットに看護師さんが手間取り何度も何度も失敗してプシューっと空気を出してようやく取り付けが終わった。じゃぁ出発しようか、というところで父親が車椅子に乗ると言い出した。もう歩けくのがしんどいらしい。タクシーの近くまで車椅子で行き、乗った。病院でも車椅子の貸し出しはあるのでなんとかなるだろう。

着いたところからトラブル開始だ。父親が診察券を持っていない。どこを探しても無いらしい。窓口に相談すると保険証でなんとかしてくれた。よかった。血液検査、尿検査と進み色んな科を酸素ボンベ片手に車椅子を操りながらハシゴしてそれぞれの待合でとにかく順番をじっと待ち続ける。各科で1時間ずつ待って診察を終えた。残り一つの科とそこで受ける点滴で診察はフィニッシュ、残るはリハビリのみというところで二つ目のトラブル発生。チューブから酸素が出ていないと父親が言う。近くの看護師さんにボンベを見てもらうと酸素が無くなっていた。朝のプシューはフラグだった。

病院なのでいる間は貸してもらえるがそのまま持ち帰ることはできない、と言われた。仕方ない。点滴は終わるまで1時間くらいかかるのでその間に私が取ってくるしかない。…と覚悟したが結局今日の父親の様子を見て先生が今日は点滴なしを決めた。あらどうしましょ。

父親は酸素なしで帰るのは嫌だという。幸いというかなんというか、リハビリの予約時間までだいぶ間が空いていたのでその時間を使って私が往復することにした。父親のすることがなくなってただ待ってもらってるだけになるが仕方ない。本人もそれでいいと言うので急いで病院を抜け、だいぶブチ切れながら施設に電話した。酸素が切れたんでそちらに取りに行きます。え、そうなんですか。お願いできますか。はい。私が行くしかないですよね。行きます。そう言って電話を切る。もうこの時点でとうに昼を過ぎていた。朝から何も食べていない。空腹は人をイライラさせる。

全員天国送りだぞ⭐︎をもう少しラフな表現で頭の中に浮かべながら片道1時間ちょっとの往復を乗り越えて酸素ボンベを手に病院へトンボ返りした。父親と合流し、リハビリを終えて会計を済ませる。父親の中では診察券を何処かで落としたことになっているらしく、拾われたらオレオレ詐欺に悪用されちゃうと謎の主張を繰り返すのでここでも半ギレしながら診察券の再発行手続きをした。どいつもこいつも好き勝手言いやがって。

なんだかんだと全ての工程をクリアして施設に戻る。あと片付けを手伝い、転送された郵便物を見せ、家のことで頼まれた細々したことを話して父親の部屋を後にした。帰りに受付へ寄って不備があって作り直したという書類に押印してフィニッシュ。お疲れ様でした。

すぐに動く気になれず近くのスタバでサンドイッチと甘い飲み物を摂取してぼーっと過ごし、立て直してから帰路に着いた。鍋焼きうどんを食べるぞと思いながらセブンイレブンに入ったのに売っておらず絶望して赤いきつねを買った。最後の最後まですっごい頑張った1日だった。

◎◎◎
11月20日(日)に開催の、自作の文学を売るイベント『文学フリマ東京』で、半年強の短いスパンで首と卵巣の2か所を手術する羽目になった闘病記とnoteに綴った日々の記録に書き下ろしを加えた日記本の2冊を販売します。ブース番号は第二展示場の『い-72』です。
開催場所は東京モノレール流通センター駅すぐ、東京流通センターです。入場無料!良かったら遊びに来てください。

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twitterの人に「ブログでやれ」って言われないようにアカウント作りました。違うブログで台湾旅行や入院や手術に関してお役立ち情報書いてます。よかったら見てください。 http://www.ribbons-and-laces-and-sweet-pretty-faces.site