大人の距離感が分からない

いい歳して何言ってんだって話でしかないのだがすごく人見知りする。大人だからいちいち「人見知りなんですぅ」とかは言わないようにして、平気な顔して当たり障りのない会話をするけれどその先が分からない。

自分が少しおかしい自覚はあって、そのおかしさは人との距離感の測りかたおよび詰めかたで特に顕著に出ると思っている。たぶん、言っていいこととやっていいことの判断基準がガバガバのユルユル。だから、人と出会うと必要以上に気を遣って警戒に警戒を重ねるため人見知りになる。そしてものすごく疲れてしまう。

そんな私がまた距離感を計りかねたままお節介をした。SNSで知り合って私の拙い本を買ってくれた若い女の子に一緒にイベント参加しない?と声をかけたのだ。リアルでは二度しか会ってなくて、どちらもイベントブースに遊びにきてくれただけで。会話らしい会話もほとんどない数分の対面で。

二度目の対面より少し前、SNSで窺い知った彼女の仕事で疲弊する様子が数ヶ月前の自分と重なってしまい気の毒で仕方なかった。そして実際に顔を合わせたときに見た、あまりにも初対面の時と違う疲れ切った様子に居た堪れなくなった。で、DMした。私たちが対面したそのイベントの次回に一緒に参加してみないか、と。今こうして事実を並べてみるとやっぱり距離の詰め方おかしいな。なにか、なにか気晴らしを、先々の楽しみをあげたいって思ったのだ。数ヶ月前、お手当も何も変わらないまま管理者ポジションを任されて疲弊し切っていたあの頃の自分が欲しかった、見えなかった先の希望を。

誘いのDMではしつこいくらい鬱陶しいくらいに言葉を連ねた。誘っておきながらとにかく相手の負担にならないようにとそればかり考え、誘いを受けても受けなくても、なんなら途中でやめたって自由だということ、私の楽しさはあなたがいてくれてもいなくてもちゃんと確立するということを言葉を尽くして伝えた。

そしておよそ一ヶ月後。彼女から自分も参加してみたいというお返事をもらった。私の言葉に心強さを感じて背中を押されたと言ってくれた。参加表明ももちろん嬉しかったけど、私の尽くした言葉を受け止めて返してくれた言葉がうれしくて、会社のロッカールームでこっそり泣いた。自分の尽くした言葉が届くってこんなに嬉しいものなのかと何度も何度もお返事を読み返して味わった。

イベントまで残り1ヶ月を切った。今、彼女とたまにやりとりするあれどうする?これどうした?の相談がとても楽しい。この先の当日までのやりとりも当日もとても楽しみ。


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11月20日(日)に開催の、自作の文学を売るイベント『文学フリマ東京』に参加します。

当日は半年強の短いスパンで首と卵巣の2か所を手術する羽目になった闘病記とnoteに綴った日々の記録に書き下ろしを加えた日記本の2冊を販売します。ブース番号は第二展示場の『い-72』です。

開催場所は東京モノレール流通センター駅すぐ、東京流通センターです。良かったら遊びに来てください。


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twitterの人に「ブログでやれ」って言われないようにアカウント作りました。違うブログで台湾旅行や入院や手術に関してお役立ち情報書いてます。よかったら見てください。 http://www.ribbons-and-laces-and-sweet-pretty-faces.site