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2021年10月の記事一覧

持続性注射剤(LAI)は怖くないですか?

持続性注射剤(LAI)は怖くないですか?

【疑問】持続性注射(LAI)に興味があるのですが怖くないですか?

【回答】

個人差があるものの、思っているほど痛くないことが多く、実際に始めると思っているより楽です。一度始めるとやめられなくなることもなく、3か月程度試してみて合わないと思ったらやめることも可能です。

しかしLAIが最も適した人は抗精神病薬の単剤で少量~中等量使用の人であり、多剤併用・大量使用の人は薬の整理を先に行うべきです。

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抗精神病薬を服用中の統合失調症は死亡率が低下する

【疑問】抗精神病薬で統合失調症は死亡しやすくなるか?

【答え】適切に使用すればない

抗精神病薬の危険性ばかり強調する人たちがいる。彼らの努力の多くは薬を安全に使用し多くの人が恩恵を得ることができるようにすることではなく、ただ薬を否定し拒否することに費やされている。

数年前に持続性注射(LAI)での突然死が新聞で大々的に報道されていた。

2016年6月15日現在 ゼプリオン使用後の死亡例は8

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ジェネリック会社の限界

ジェネリック会社の限界

ジェネリック会社の小林化工が作った水虫などの治療に使われる抗真菌薬イトラコナゾールに睡眠薬が混入し、飲んだ人が交通事故などで死亡するという事件があった。

その後 次々とジェネリック会社の薬が自主回収や出荷停止をしている。主な理由は記載してある製造方法に従っていないなどの安全性に影響しかねない問題が多い。

もちろん多少製造方法などを変えても大体は問題ないものができるし、日々効率良く安く安全に作成

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抗認知症薬を保険適応から外すということ

抗認知症薬を保険適応から外すということ

認知症には抗認知症薬が使われることが多いものの、その意味をもう一度しっかりと考えておく必要がある。

既にフランスでは抗認知症薬の一部は保険適応から外されている。

認知症の治療に日本でも使われている4種類の薬(ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミン、メマンチン)が、フランスで医療保険の適用対象から外されることになった。副作用の割に効果が高くなく、薬の有用性が不十分だと判断した。これまで15%が

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初発統合失調症の治療アルゴリズム

初発統合失調症の治療アルゴリズム

初発の統合失調症の治療は、その人のその後の人生を大きく左右させる極めて重要な作業である。しかし「新規抗精神病薬を使う」とされているだけで、具体的にはどの薬を使うか、どの程度の期間使うかについては曖昧なままであった。

最近 初発の統合失調症の治療についてガイドラインがいくつかだされている。

日本精神神経学会 統合失調症治療ガイドラインは以下で紹介した。

今回は日本臨床精神神経薬理学会 初発統合

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